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◆ふくださん 福田豊(ふくだ・ゆたか)。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。好きなスタジアムは甲子園と、雄大な富士山を正面に拝める山梨・北麓球場。@fukudasunのアカウントでツイート中。

日本文理 逆転サヨナラのご褒美はギョーザ

[2014年8月21日18時46分]

 遅ればせながら今年も甲子園にやってきた。

 大会第11日、3回戦の残り4試合。甲子園は準々決勝が一番面白いとも言われているが、16強が激突する3回戦8試合が最も見応えがあるのではないかと勝手に思っている。

 取材1試合目。日本文理(新潟)-富山商。期待を裏切らない好ゲームだった。8回表に富山商が4点を奪って逆転。しかし日本文理は9回裏、6番新井が逆転サヨナラ2ラン。劇的な勝利でベスト8入りを決めた。

守備からベンチに戻ったナインに声をかける日本文理・大井監督(左)(撮影・梅根麻紀)

 試合後、迷わず向かったのは日本文理・大井道夫監督(72)のお立ち台取材だった。

 このベテラン監督さん、コメントが非常に面白い。

 逆転サヨナラ2ランの場面をこうふり返った。

 「(打ちそうな予感が)無いと言ったらウソ。新井は大きいのを結構打つんですよ。もしかしたら、というのは若干ありました。でも、本当に打つとは。本音を言えばその前(5番打者)の小林に打ってもらいたかったけどね」(笑い)。

 ヒーローになった新井は、その前の打席でスリーバントを失敗していた。

 「ガッカリしちゃったなあ。だって、送りバントのサインなんて出してないんだもん。『自分の判断でやりました』って言うんですよ。監督を信頼してないのかなあ。向こうのピッチャーからしたらバントより打たれた方がよっぽど嫌なのにねえ」。

 日本文理の野球は、打って、打って、打ち勝つ野球だという。

 「だって、新井だもん。(2番の)黒台じゃないんだから、送りバントなんてさせませんよ」。

 6番打者の新井を信頼していることがよく分かる。

 「表に出すんじゃなくて、新潟人特有の内に秘めたファイト。言われたことは素直にやる子。怠けたり力を抜くことは一切しない。私、滅多に選手は褒めないもん」。

 話している監督も笑顔だが、聞いているこちらも笑顔になる囲み取材だった。

9回裏日本文理1死一塁、左越えサヨナラ本塁打を放つ新井(撮影・田崎高広)

 そして最後に「選手へのご褒美は」と問われるとまたまた爆笑させた。

 「ギョーザをおごっちゃう。僕ね栃木県出身(宇都宮工-早大)だから。最近、(栃木に)帰る機会がない。ああ、ギョーザ食いたい」。

 実は新潟の学校の選手寮の近所にはギョーザ店があるという。「マスターが差し入れしてくれるの。だからみんなギョーザ大好き。ホテルの食事にも飽きてきたしね。よし、ギョーザ、おごっちゃう!」。

 取材中なのに無性にギョーザが食べたくなった。

 試合前の取材。星稜の山下前監督がテレビ解説のため囲み取材の輪に加わっていた。山下さんを見つけると大井監督が言った。

 「山は高かった。大きかった。星稜、福井商を倒す。その一念でやってきました」。

 すると山下さんがこう返した。

 「今は文理の天下です」。

 新潟県勢初優勝へ。まずはギョーザパワーで準々決勝に挑む。

 

 

 

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