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広島 直前に異変気付き避難した住民も
8月21日 18時22分

局地的な豪雨で土砂災害の被害が相次いだ広島市の住民の中には、「臭い」や「音」など土砂災害が起きる直前の異変に気付き、隣の住宅や自宅の2階に避難するなどして安全を確保できた人たちもいます。

土砂被害が相次いだ広島市安佐南区や安佐北区では、これまでに39人の死亡が確認されています。
一方、土砂災害が起きる直前の現象とされる「臭い」や「音」、それに「震動」などの異変に気付いて避難し、安全を確保できたケースもありました。
このうち、当時、帰省していた孫など8人と自宅に居たという安佐北区可部東の55歳の女性は、ガスのような臭いで周囲の異変に気付き、隣の家に避難することができたということです。
女性は、「ガスの臭いがするので『おかしいね』と話していたら、1階の廊下に水が流れ込んでいた。その水が濁っていたので土砂崩れが来ると思い避難した」と話していました。
また、93歳の母と1階で寝ていたという安佐南区緑井の61歳の女性は、湿った土の臭いに気付き、2階に母親と避難しました。
女性は、「2階に避難したあとも濁流と共にガスのボンベや石などが流れてきて、家が流されてしまうのではとひやひやしました。いつもとは違う臭いに気付かなかったらと思うと本当にぞっとします」と話していました。
こうした臭いは、土砂災害が起きる直前に感じることが知られていて、崩れた土砂が発する土の臭いや、岩どうしがぶつかって発生する焦げたような臭いなどがあります。
また、ふだんと違う「震動」や「音」に気付いた人もいました。
安佐南区緑井の69歳の女性は、「雷と雨の音が収まったと思ったら『ドーッ』とすごい音が鳴った。2階に上がって外を見たら周囲は濁流になっていた」と話していました。
土砂災害に詳しい国土交通省国土技術政策総合研究所の蒲原潤一砂防研究室長は、「震動や臭いなどは土砂災害の前兆としてよく指摘され、今回も事前に気付いて危険を回避できた人がいると聞いている。ただ、毎回、前兆現象があるわけではないので、自治体から発表される雨量の情報などにも注意してほしい」と話しています。

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