パチンコや性風俗など風俗営業店の経営者に対し、従業員の本籍や国籍を記載した名簿を作るよう命じる内閣府令の条項について、警察庁は廃止することを決め、21日改正原案を公表した。
警察庁保安課の担当者は「人権やプライバシーに配慮した見直し」と理由を説明。22日から9月20日まで一般の意見を募り最終改正案をまとめる。自民党の一部から改正を求める声が出ていた。
風営法は営業所ごとに従業員名簿を作成するよう義務付けている。風営法に基づく内閣府令では、記載事項は性別や生年月日、採用年月日に加え、本籍(日本国籍がない人は本人の国籍)も必要と規定。違反した場合には100万円以下の罰金が科せられる。
また交通違反者の一部の講習を警察が委託している教習所に、受講者の本籍や国籍を明記した名簿の作成を義務付ける国家公安委員会規則の廃止も決め、改正原案を作成した。風営法改正と同様に一般の意見を募り、改正案をまとめる。
国家公安委員会規則を改正する理由について、警察庁運転免許課の担当者は「IC化された新しい免許証には本籍情報の記載がなく、名簿を作成するためには戸籍謄本などを取り寄せてもらうほかない。今後、受講者にそうした負担をかけさせないためだ」と話している。
〔共同〕
プライバシー配慮、警察庁