昭和天皇(1901~89)の日々の動静やかかわった出来事などを記した「昭和天皇実録」が完成し、21日午後、皇居・御所で、天皇、皇后両陛下に「奉呈本」として献上された。

 昭和天皇実録は逝去翌年の90年度に宮内庁で編集作業が始まり、2回の延長を経て24年5カ月で完成した。奉呈本は和紙に印刷し、糸で綴(と)じた和製本で計61冊(1冊は目次・凡例)。分量は「明治天皇紀」の1・5倍にあたる約1万2千ページ。

 この日午後2時、お住まいの御所で、両陛下に奉呈本が献上され、宮内庁の風岡典之長官が完成までの経緯、概要などを報告した。

 実録は明治以降、孝明天皇紀、明治天皇紀、大正天皇実録などが作成されている。

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 〈昭和天皇〉 1901(明治34)年4月29日、大正天皇の長男として誕生。名前は裕仁(ひろひと)。大正天皇の病気のため、21(大正10)年に摂政に。26(同15)年、大正天皇の逝去により25歳で即位した。

 89年1月7日、87歳で逝去。在位期間は62年で、歴代最長。天皇として最も長命だった。香淳皇后との間に7人の子が生まれ、長男は現・天皇陛下、次男は常陸宮さま。弟は三笠宮さま。