9割の腰痛の原因は「ヘルニア」でも「脊柱管狭窄」でもなかった!
長い間の腰の痛みがついに耐え切れなくなり、整形外科に行き、レントゲンやMRIなどを撮られたあと、「椎間板ヘルニア」あるいは「脊柱管狭窄症」と診断される。その後、医者の勧めるままに、電気治療やブロック注射を受けに通院して、もらったクスリを飲んでもなかなか痛みが消えない・・・。
こんな悩みを抱えている方、両親はじめ家族が腰痛に苦しめられている人も多いのではないだろうか。
「腰痛の原因が、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄ではないのに、そう診断されている人は実に多いのです。私が実際に患者さんを治療した実感では、9割以上の腰痛の原因は別のところにあります。本当の原因を直した結果、腰痛がウソのように簡単によくなった方はたくさんいらっしゃいます」
こう話すのは、「かただ整形外科」(神奈川県小田原市)の片田重彦院長だ。 1946年生まれ、慶応大学医学部を卒業後、同医学部の整形外科助手、国立小児病院整形外科医長などを経て、93年に「かただ整形外科」を開業、現在も腰痛に悩む患者と朝から暗くなるまで向き合っている。
「他の病院ではいつまでたっても治らなかった腰痛が、片田先生に腰のあたりを5分間ほど指で治療してもらったら、あっという間にラクになった。片田先生は神の手の持ち主だ」
こんな評判が口コミで広がって、神奈川県はもちろん、首都圏から腰痛に悩む人が次々訪れ、最近予約制を導入せざるをえなくなった。
整形外科医の間でも有名な「腰痛の名医」の一人である。
「いや、神の手とか名人芸の世界ではありません。腰痛の原因となっている仙腸関節の不具合を、私の指で押して正常に戻すのですが、力と方向、時間など根拠ある科学理論に基づいて治療しているのです」
片田氏がいち早く体得、治療に取り入れているのは、「AKAー博田法(エーケーエーはかたほう)」という近年、ようやく認知されてきた治療法だ。なぜ「椎間板ヘルニア」と間違って診断されてしまうのか、片田氏の腰痛治療法はどんなものなのか。片田氏に聞いた。
画像診断で腰痛の原因を間違ったら、治るはずがない
ーー「椎間板ヘルニア」の9割以上が誤診とは本当ですか?
若い世代も含めて、私の診察室にも「椎間板ヘルニア」が治らないという、たくさんの人がやって来ますが、ほとんどが「誤診」なのです。「誤診」という言い方に語弊があるなら、「ヘルニアはあっても、そこから痛みが出ているわけではない」と言い換えましょうか。
腰の部分、背骨と背骨の間には、クッションの働きをするゴム板のような椎間板という軟らかい組織が連なっています。これがあるおかげで、硬い骨同士は互いに傷つかず、前後左右にスムーズに動きます。椎間板ヘルニアと診断される時、「押しつぶされて変形した椎間板が外へ飛び出し、背中の神経を刺激しているから腰が痛いんです」と、画像を見せられ、説明されるのが一般的です。
ところが、(レントゲンやMRIなどの)画像検査によって椎間板の異常が見つかった人のうち、本当に椎間板ヘルニアが原因の腰痛はわずか3%。残りの97%は「椎間板ヘルニアだから腰が痛い」のではありません。
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