広島市の安佐南区、安佐北区を襲った局地的な豪雨は、暖かく湿った空気が流入し、積乱雲が連続的に発達する「バックビルディング」と呼ばれる現象が原因とみられている。現場周辺は花崗岩(かこうがん)が風化してできた「まさ土」と呼ばれる地質が広がり、水分を多く含むと強度が一気に落ちる特徴があった。専門家は「極めて土砂災害が発生しやすい状況だった」と指摘する。
気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)は「バックビルディング現象で、同じ地点に相当量の雨が降った」とみる。前線に向かって南西からの湿った空気と南からの湿った空気が九州・四国間の豊後(ぶんご)水道でぶつかり、広島方面で活発な雨雲が発生したという。
バックビルディング現象は、風上側の同じ場所で次々と積乱雲が発生して風に流され、ビルの背後に別のビルが立つように積乱雲が1列に並ぶことからこう呼ばれる。積乱雲は雨を降らせると消えるが、この現象が発生すると、風下で雨が降り続けるのが特徴だ。
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