NOBORDER

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • Pocket

特別インタビューや未公開映像が満載!遂に販売開始!ニューズオプエドDVD

【大貫 康雄】

ガザの人々の悲運

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

640px-Gaza_City

 この夏、ロンドン、パリ、ベルリンをはじめ、西ヨーロッパ各国でイスラエル軍のガザの人々への攻撃に対する、これまでにない大規模な抗議デモが展開された。大部分は相当抑制された抗議ではあったが、フランス各地では警察との衝突も起きた。

 イスラエル軍の攻撃は圧倒的な規模で容赦無く、国連施設や病院・学校、一般の住宅も含む無差別的なものだった。これにヨーロッパ各国ではイスラエル政府・軍の国際法違反、戦争犯罪の疑いもある、などの批判の声がおきた。

 

 イスラエルは“イスラエル国民の安全”を主張するが、圧倒的に犠牲になる“パレスチナ(ガザ)市民の安全”はどうなるのだ?! との反論も出てきた。

 今回のガザ攻撃に対しては、ホロコーストの過去を持ちユダヤ人批判に慎重なドイツでもイスラエル政府に対する批判が強まり、イスラエルの後ろ盾、アメリカ政府も不快感を示した。

 

 国連の集計では、今回の紛争でガザの市民2000人が死亡、そのうち4分の1近くの450人は子どもたち。破壊された住宅は1万7000軒に上るという。それに比べイスラエル側の死者は兵士が大半で70人ほど。単純比較する限り、イスラエルの一般市民の犠牲者の数は数えるほどだ。

 

 ガザ地区では食糧から飲料水、医薬品、日用品に至るまであらゆる物資が不足し、国連が緊急支援を急いでいる。学校が再開されるのは何時になるかわからない。

 トルコ国営TRTは、親や家族を失った子供たちが悪夢にうなされ、夜尿症、不眠症、焦点が定まらないなどのPTSD症候群、心的後遺症に悩まされている、という。

「ガザ」の社会は機能マヒに近い。

 

 ガザ地区住民180万人の大半120万人は48年のイスラエル建国以来、数次のパレスチナ戦争(紛争)で故郷を追われ難民となった人たちとその子孫たち。悲運に苛まれた人たちとしか言いようがない。

 

 ハマスのロケット攻撃は、確かに数が多く、飛距離もイスラエル北部まで届くようになった。落ちれば勿論建物を壊し、人々を殺傷する。

 被害にあう人の恐怖はイスラエル国民であれガザの市民であれ同じであり理解できる。

 

 しかし、戦闘機と戦車を動員するイスラエル軍の破壊力は圧倒的、一瞬で高層建築を破壊し、いとも簡単に大勢の一般市民を無差別で殺傷する。まるで大人と小さな子供の戦いのようだ。

 

 それでもハマスの絶望的、自暴自棄ともいえるロケット攻撃は散発的ながら続いている。ハマスの攻撃のたびにイスラエル軍の大量報復が繰り返され同胞の人たちに多大な犠牲を強いることが判っていながら……。

 何故戦闘を止めようとしなのか?

 

1 2 次へ

TOP

ニューズ オプエド

ニューズ オプエド
ただいま放送中

読み込み中...
-->