としやの Blog

単なる日記です。子どもたちが大きくなった時にニヤニヤしながら読み返す予定。

「若者のすべて」

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(前回のエントリー: 「眠れぬ夜」

 

すこし寝不足のまま夕方になり保育園へと向かった。

カーステレオのプレイリストは「フジファブリック」のまま。

 

長男と次男、プールバックを車に載せた。

かかっていた曲は「桜の季節」。

「これ好き」って言って口ずさむ長男。

「これは春の曲だね。桜って知ってる?消防署の近くでピンクの花が咲いていたの覚えてる?」

「うん。おぼえてる」

 

 

「おとうさん。”なつ”のやつがいい」という長男。

次の曲へとスキップ。

「ちがう」

また次へ。

「ちがう」

 

なんどかスキップをした。

”虹”が流れた。

「これ?」

「これじゃない」

 

”陽炎”が流れた。

 「ちーがーう。かげろうやん」

「これも(たぶん)夏じゃないの。。」

 

 

『若者のすべて』が流れる。

「そうそう!これ!」

そっと歌う長男(4歳)。

 

 
真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた
それでもいまだに街は 落ち着かないような 気がしている

・・・・・

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな

「若者のすべて」フジファブリック

 

あぁそうか確かに夏の歌だな。それも真夏じゃなく今ぐらいの季節。

 

曲が終わる前に家に着いた。

 

「エンジン切っていい?」

「だめ。これ終わってから」

しっとりとは程遠いが夢中になって歌う長男。ときどきふざけながらも。

 

この曲を歌っている志村正彦*1はもういない。2009年の12月の聖なる夜、突然の出来事だった。

驚きと悲しみと無念な気持ちが混ざった複雑な感情になったのを覚えている。

そのことを知らずに歌っている長男は4歳になった。2010年の3月に生を受けた。

僕にとって初めての出来事に驚いて嬉しくてたくさんのことに感謝した。 

 

元の歌い手はもういない。

だが歌は彼がいなくなった後の世代にも響いている。

きっと僕が持っている曲のイメージとは違うものを子どもながらに感じているのだろう。 

 

そしてこの子が”若者”になった時こんなに響く「歌」をうたってくれているのは誰だろう、と思った。

志村正彦奥田民生から音楽の道に進んだらしい。

 

たぶん長男は歌い手にはならないだろう。

でもその誰かの歌に対して共に何かを感じられる感性を持ち続けたい、

と僕はふと思った。(すでにおっさんやけど)

 

★★★★★★★

 

Youtubeだとオリジナル版に合わせてBankBandによるカバーも。もっともっと多くの人に届けばいいなと思う曲です。季節もいまの時期に合っているのと思うので、知らない人も知っている人もぜひ。

 


フジファブリック - 若者のすべて - YouTube

 


Bank Band 若者のすべて(LIVE) - YouTube

 

★★★★★★★

 

 CDだとシングル集「SINGLES 2004-2009」と「TEENAGER」に入ってる。

SINGLES 2004-2009

SINGLES 2004-2009

 

 

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