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【上杉 隆】

毎日新聞がようやく放射能被害を直視し始めた(上杉 隆)

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原発問題

また、そのための作業である新メディアの設立に時間を費やしたかったということもある。そういえば、驚くべきことだが、原発事故と放射能の問題で、私自身に直接質問を投げかけてきたジャーナリストや知識人は、この一年半、いまに至るまで、畠山理仁氏とプチ鹿島氏と朝日新聞の奥山俊弘記者の3人だけである(ただし、奥山氏は私の反論と発言だけを削除して記事にするというアンフェアなことをしでかしたが――)。

実は、勇ましいことを述べている他の人は、陰でいろいろ言っているだけにすぎないのだ。

いや、私のことなどどうでもいいだろう。しょせん、先ほども述べたようにこうした状況に陥ることはあらかじめ予測していたのだからだ。

ただ、今回こうやって初めてこの件について触れたのには理由がある。

それは、いまようやく、震災から一年半が経って、日本の空気感が変わり始めたという実感があるからだ。その兆しは大切にしなくてはならない。

具体的には、これまで県民の健康被害やそれにともなう隠蔽、そうした現実を直視してこなかった大手メディアの報道ですら変化を余儀なくされたということだ。被ばくの安全を訴えてきた斗ケ沢秀俊記者のいる毎日新聞が、一面トップの記事でそれに触れたのが何よりその象徴だ。

果たして、江川氏や斗ケ沢氏は今回の毎日新聞の記事を「デマ」や「ウソ」と言うのだろうか?

今、ジャーナリストであり続けたいと願うならば、それこそ現実を直視せず、時代の雰囲気に呑まれてしまったこうした知識人たちこそ変わるべき時期に来たのではないだろうか。

みな個別に取材して、個別に自分の信じたことを報じる。それこそが筆者が米国の新聞で学んだ多様性を重視するジャーナリズム本来のあり方ではないか。

日本で報道に携わる人々が、早くそうできるようになることを、元ジャーナリストとして、私は心から願っている。

【ダイヤモンドオンライン「週刊上杉隆」10月4日より】

 

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