ツンデレblog

淡路島の弁護士が考えたこと

 今日相談を受けた人から聞いた話がひどい。相談者の同意を得てうp。
 相談者の母親は生前ある人にお金を貸し、公正証書を作っていた。しかし、この債務者がお金を返さずに行方不明になったので、淡路市のなんとか法務事務所という司法書士に回収を依頼した。契約書に日付けはないが、領収証には日付けがあるので依頼をした日は平成21年5月25日と分かる。
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 ところが、この法務事務所1年経ってもなんの音沙汰もない。依頼者はどうなっているのかと怒鳴り込んだところ、ようやく書類が出てきた。

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債務者の付票と戸籍謄本である。それで、この司法書士がいうには、「住民票所在地に債務者は住んでないのでこれ以上はできません」。

 はぁ?
 おいこら。出てきた書類の日付けを見てほしい。平成22年6月3日である。一年経って依頼者に怒鳴り込まれてあわててとったものだろう。お前1年間何やってたんだ?
 しかも、着手金の50万円、これは着手したからという理由で返還しないんだそうだ。なんだこいつ。
 だいたい、債務者いないから何もできませんじゃねえだろ。公示送達知らんのか?お前回収できないと報酬とれないからやる気なくしただろ。その結果相談者は債権を時効にかけちゃったんだぞ(本日の相談の内容はそれ)。
 ついでに言えば、契約書の報酬の欄なんだ?
1000万円までは40%
1000万円を超え、2000万円までは30%
2000万円を超え、3000万円までは20%
4000万円以上18%
かつての弁護士報酬基準(ツンデレ事務所の報酬基準もこれに準じている。消費税増税にまだ対応できてません。ごめん。入院とかいろいろあったしさ…)
第9条 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件、仲裁事件の着手金と報酬金は、原則として、経済的利益の額を基準として、それぞれ次のとおり算定した金額に消費税を付した額とします。
     経済的利益の額             着手金   報酬金
   300万円以下の部分              8%   16%
   300万円を超え3000万円以下の部分  5%   10%
   3000万円を超え3億円以下の部分    3%    6%
   3億円を超える部分                 2%    4%
わかりづらいが、これによると、
 300万円以下   最高48万円
(なんとか法務事務所だと120万円)
 300万円を超え1000万円まで 48万円~118万円
(なんとか法務事務所だと120万円から400万円)
1000万円を超え、2000万円まで 118万円~170万円
(なんとか法務事務所だと400万円から700万円)
2000万円を超え、3000万円まで 170万円~270万円
(なんとか法務事務所だと700万円から900万円)
3000万円を超え、4000万円まで 270万円~330万円
(なんとか法務事務所だと900万円から1080万円)
ということである。これ弁護士だったら、報酬高すぎで懲戒くらうと思う。まあ、弁護士の場合、勝訴判決が要件で、回収が要件じゃないから単純比較はできないけどさ。回収したからもっとよこせとは言わないが普通だよな。
 そもそも司法書士が140万円を超える法律事務はできないはずなんだが、この契約書はいったいなんなの?非弁取締委員会に言えばいいのか。

ただ、この相談者、この件があったせいでその後この司法書士にタダでいろいろやってもらったから、ネットに出す以上のことはやってくれるなっていうんだよなあ。



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 裁判で、あるAという事実が勝敗を決するとする。たとえば、貸したお金は「もう返してもらわなくてもいいよ」と言ったかどうかという事実などだ。

 これについて、メモとか録音とか客観的な証拠がない場合、結局言った言わないの水掛け論になるので、その事実の主張立証責任を負う方が敗訴する。
のが普通なのだが、バカな裁判官にかかってしまうと、気の弱い正直者は損をしてしまう可能性があるという話。

 たとえば、そのAという事実について、本人尋問において、被告「間違いなく原告はもう返してもらわなくていいよと言いました。間違いありません。」と自信満々に言ったとする。
 それに対して人のいい原告は、「言っていないと思います。ただ…」なんて言ってしまったとする。こういうのは反対尋問の恰好の餌食だ。
被告代理人「『ただ…』なんですか?」
原告「いえ、そのとき被告の生活が苦しそうでしたので、身体壊してまで働かなくていいよというような声はかけた記憶があるんです。ひょっとしたらそれを、身体壊してまで働くくらいなら返さなくてもいいよととられた可能性はあるのかな、という気がするんですよ。」
被告代理人「それ、どういうつもりで言ったんですか。身体壊してまで働くくらいならもう返してもらわなくても構わないというつもりで言ったんじゃないんですか?」
原告「いえ、そんなことありません。うちだって返してもらわないと困りますから。」
被告代理人「じゃあ、働かないでどうやって返してもらうつもりだったんですか?」
原告「……」

 「言った」と言いきる被告の供述と、「言ったかもしれない」という原告の供述がある場合、裁判所はどういう事実認定をするだろうか?
 こういうのは、原告が、最初から「債務を免除するなんて言っていない」と言い切ればよかったのである。日本人というのは、人がいいというかやさしいというか正直だから、相手を慮ってしまうところがある。それは社会では美徳なのだが、裁判においては美徳ではなく不利に働く可能性の方が高い。
 同様に「記憶にない」もできる限り避けてもらいたい供述である。「覚えてないだけで、実際はあったかもしれないんじゃないの?」と突っ込まれるからだ。
 裁判所が気の弱い方に圧力をかけて、譲歩を迫り、当事者の合意があったんだという形式をつくり和解に持ち込みたがるのも、当事者の人のよさにつけ込んだものだ。客観的な立場から、こうこうこういう理由でこういう判決を書くつもりである。だから和解を勧めるというような誠実な裁判官は10数年の弁護士生活でほんの数人しか巡り会えていないのが悲しい(そういう人はきちんと説明に対する反論に答えるし、反論に理由があれば考えを改める。反論されると、あとは判決を見ろ、どんなことがあってもお前を負かすとは言わない。)。



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裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35902716.html

裁判官の行為に対する国賠訴訟やるぞ!の続き
http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/35976822.html
の続報(時間かかったの理由はいろいろあるのよw)

ついに訴状完成です。どうしたって判時掲載確実な事件だからね、がんばらねば。
※画像はクリックで拡大します。

あとさ,これはツンデレがちょっと挑戦的な訴訟を起こしたときに毎回思うことだけどさ 、 学者の先生たちって 、 判決出るまで自分の意見言わないよね。いっつも裁判官の判断が出た後にそれに賛成するとか反対するとか…。しかも8割方賛成。前に当り障りのない。本当に当たり障りのない,過払いについての最高裁判決の流れをまとめただけの論文(?)を送ってくれた人がいたので 、 こんなんになんの意味があるの?学者の存在意義はなに?みたいな感想をメールしたら 、 「なんでそこまで言われなければならないですか?これは序説なんです」みたいな返事来たことあるよ。序説だけ送られても評価できないよなあ。

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