屈辱から14年で世界一
ドイツサッカーの経営戦略
代表とトップクラブの一体性


WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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ブラジルW杯でついに世界の頂点に立ち、国内リーグの平均観客数も4万人以上で世界一(図3)。今、実力、人気両面で栄華を極めるドイツサッカーの原点は、2000年のEURO(欧州選手権)にまで遡る。

 屈強なフィジカルと不屈の闘志で勝利をもぎ取るパワーサッカーを標榜していたドイツは世代交代に失敗し、この大会で惨敗。若い世代の育成と、技術に裏打ちされた創造性の高いサッカーの必要性を痛感し、大規模な改革に着手することになった。

 その特徴は、ドイツサッカー協会とブンデスリーガ(リーグ)、そして各クラブの間で綿密に構築された相互協力体制にある(図1)。

 まず、協会が全国に育成拠点を設置し、専門的な教育を受けた指導者を派遣。才能の発掘やエリート教育の土台を敷くと同時に、育成に定評のあったフランスからノウハウを積極的に吸収した。リーグも同じ方針のもと、1部と2部の合計36クラブ全てにユースアカデミーの設置を義務付け、裾野の広い育成基盤の構築を後押しした。

 また、2006年のW杯開催地がドイツに決定したことを受け、スタジアム改革にも乗り出した。陸上トラック付きの競技場は次々とサッカー専用スタジアムに姿を変えた。チケット代金そのものを低価格化したほか、専用プリペイドカードを発行してスタジアム内をキャッシュレス化したり、チケット購入者がスタジアムに来るための公共交通機関の利用料を無料にしたりするなど、観客の目線に立ったサービスを矢継ぎ早に繰り出していった。

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