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【社会】

福島第一事故「吉田調書開示を」 被災者ら、検証に必要と提訴

 東京電力福島第一原発事故を受け、政府の事故調査・検証委員会が元所長の吉田昌郎氏(故人)から聴取した内容を記した調書を開示しないのは違法として、被災者や各地の原発訴訟の原告ら十人が二十日、国に調書の開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、吉田氏への聴取は二〇一一年七〜十一月に十三回、計二十八時間にわたり行われた。

 所長として指揮した事故後の対応や、事故前の本店部長時代に責任者として関わった津波対策をめぐる証言が記されているという。

 原告は情報公開法に基づき、調書を保管する内閣官房に開示を求めたが、「報告書に要点を引用する場合を除き、公にしない前提で聴取した」などとして、今月までに不開示とされた。

 政府は事故調査・検証委員会が作成した関係者七百七十二人の調書のうち、吉田氏ら故人を除く分は、本人の同意が得られれば開示する方針。

 提訴後、記者会見した原告の木村結(ゆい)さんは「調書を国民に開示し、初期対応から検証し直さないと本当の原発事故処理はできない」と訴えた。内閣官房は「訴状が送達されれば、適切に対応したい」とコメントを出した。

 

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