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 よろいを着た男性の人骨などが出土した古墳時代後期の金井東裏遺跡(渋川市)に近い金井下新田遺跡(同)からほぼ同時期の鍛冶(かじ)遺構が見つかり、県埋蔵文化財調査事業団が20日、報道機関に公開した。鉄器が多く出土した金井東裏遺跡と密接に関連した可能性があるという。

 遺構は1辺約10メートルの大型の竪穴住居の中央の床面にある。鉄器生産の作業場とみられ、鍛冶炉、空気を送り込む鞴(ふいご)の羽口、鉄製品の研磨に使った砥石(といし)、鉄器を鍛造する際に飛び散る鉄の剝片(はくへん)、焼き入れするため水をためた穴もあった。

 4~5世紀後半の鍛冶遺構は県内5カ所目。炉などがまとまった形で見つかるのは極めて珍しいという。事業団の友広哲也・上席専門員は「金井の二つの遺跡は400メートルほどしか離れておらず、一つの社会を構成していた」とみている。