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好きを仕事にしなくったって良い。力愛不二で考えるキャリアの作り方。


以前、当ブログでもご紹介したTBSの『林先生の痛快!生きざま大辞典』。

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毎週楽しみに観ているのですが、昨日は特に面白かったです。
昨日紹介されていたのは、国内トップの入場者数を誇る沖縄美ら海水族館の初代館長、内田詮三さん。

今夜は静岡県出身で、沖縄美ら海水族館の初代館長である内田詮三の生きざまを紹介。林修は取材のために沖縄美ら海水族館を訪れたと語った。沖縄美ら海水族館は、日本の水族館の中でも来客数日本一。さらに世界最大魚のジンベエザメの世界初長期飼育に成功していて、水量7500トンの世界最大級の巨大水槽で展示されている。この美ら海水族館の初代館長である内田は、東京外国語大学のインドネシア語科卒で、水族館の知識はないままに静岡県の水族館に入った。
TBS林先生の「痛快!生きざま大辞典」より

水族館といえば、通常は海洋学部や水産学部などの出身がであることがほとんどの中、内田さんはモロの文系でした。

内田詮三はイルカの飼育がしたくて水族館に入ったものの、専門的な知識がなかった内田が任されたのは営業だった。しかし「目の前のなすべきことをなせ」という考え方から何でも屋のような営業の仕事でも、手は一切抜かなかった。
TBS林先生の「痛快!生きざま大辞典」より

その後、しがらみや枠組みにとらわれずに様々なことに挑戦され、水族館に入って14年が経った頃、沖縄に誕生する水族館にスカウトされ念願叶った内田さん。
その後、世界で初めてジンベエザメの長期保育に成功したり、マンタの世界初の繁殖に成功したり、文字通り沖縄美ら海水族館を日本一の水族館へと成長させてゆきます。

好きを仕事にしなくったって良い。

内田さんのお話の中で興味深かったのは「営業の仕事はやりたい仕事ではなかった。」ものの、
「目の前のなすべきことをなせという考え方からがむしゃらにやった。」ことで力をつけて、最終的にやりたいことにチャレンジできた、という話です。

林先生自身も「予備校の講師なんて、全然やりたい仕事じゃなかったんです。本を書くような仕事がしたかった。」と語っています。

じゃあなぜ予備校の仕事をしているのか?というと「教えるのが得意だから。強みを活かせるから。」というシンプルなもの。

好きな仕事をするのではなく「勝てる場所で誰よりも努力すること」がキャリアの必勝法だと、林先生は語ります。

■仕事は、好きだからやるもんじゃない

よく、「好きな仕事だから、成果が出なくてもいいや」って思っている人、いるでしょ。僕、そういう考え方、大嫌いなんですよ。仕事ってそういうものではないのではないでしょうか?お金をもらっている以上、要求されるのは成果のみです。完成度の高いものをいかに提供するか。これがプロとして一番大切なことなんですよ。だから僕はどんな仕事でも完全に仕上げなければ、納得しない。仕事は好きだからやるもんじゃないし、ましてや嫌いだからできないなんて甘ちゃんの言うことです。嫌いでも、そこで勝てると思ったなら、やるべきだし、一度始めたら全力でぶつかるべきなんです。嫌いだからこそ、モチベーションも上がるんです。嫌いな仕事で手を抜くなんて、本当に最低です。必要なのは、好き嫌いを超越した、自分がお金をいただいている仕事へのプライドだけでいい、と考えています。

やりたいことが見つからない、なんていう人がいるけど、やりたいことをやるんじゃなくて、やるべきことをやればいい。ただ、それだけです。
【いつやるか?今でしょ!】林先生のキャリアパス「勝てる場所で誰よりも努力する。それが勝つための最強の法則」 – リクナビNEXTジャーナル

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「仕事は、好きだからやるもんじゃない」という林先生の考え方は、本当にその通りだなと思うのです。

先日、NewsPicksでも話題になっていた「辛い仕事で無理に成長する必要はない」って話。

 好きを仕事にしなくったって良い。力愛不二で考えるキャリアの作り方。辛い仕事で無理に成長する必要はない|
らふらく^^ ~ブログで飯を食う~
 好きを仕事にしなくったって良い。力愛不二で考えるキャリアの作り方。

らふらく^^ことタクスズキさんの生き様にはとても共感するのですが、最近の「好きを仕事にしよう」「夢を持とう」みたいな風潮はどうも好きになれなくて。

人生を過ごす中でかなりの割合を占める「仕事」に費やしている現実の中、仕事を好きになる、好きを仕事にすることは非常に良いことです。

非常に良いことなのですが、
「好きを仕事にすることが善である」
「好きを仕事にしなければならない」
みたいな風潮はあまり良くないなぁと思ってます。

好きを仕事にするに越したことはないが、好きを仕事にしない生き方だって良い。

というのがぼくの考え方です。

どういうことか。

力愛不二で考えるキャリアの作り方。

そもそも仕事とは何かを考えると実はとてもシンプルで。
『誰かの役に立つことでその対価としてお金を頂き、生活の糧とする』ことだと思ってます。
「誰かの役に立つ」ものであれば、別に「好き」じゃなくたって良いんです。

「好き」というのは基本的に自分の自己実現が主目的だったりします。必ずしも誰かの役に立つ=仕事的なるものにベクトルが向いてるワケではなく、好きを仕事にするには高度な技術が必要になります。

そんな中、「好きを仕事に!」「夢を持とう!」と高度に煽りすぎることは混乱を生みかねません。

ぼくがキャリアを考える上で大切にしている、「力愛不二」という考え方があります。

 好きを仕事にしなくったって良い。力愛不二で考えるキャリアの作り方。少林寺拳法の六つの特徴|少林寺拳法公式サイト|SHORINJI KEMPO OFFICIAL SITE  好きを仕事にしなくったって良い。力愛不二で考えるキャリアの作り方。

少林寺拳法の教えの一つで、
「愛なき力は暴力であるが、力なき愛は無力である」という考え方なのですが、これは武道に限らず仕事でも同じことが言えるなと思っています。

すなわち、愛やビジョンなきビジネスは虚しいけれど、どんなに「好きなこと」や「やりたいこと」があってもそれをビジネスにできる「力」が無ければ無力だという話です。

学生の時点で「やりたいこと」(Will)が明確であれば、それを実現するために必要なこと(Must)を考え、実現する力(Can)を身につければ良い。

でも、やりたいことなんて見つからないよ!という人も焦る必要なんて全くなくって、『いつか守りたい人ができた時に守れるように武道に励む』ように、いつかやりたいことができた時に、やりたいことにチャレンジできる力を身につけることをまず第一に考えてみれば良い。

じゃあ自分が力を身につけ、発揮していく上でどんな仕事が良いのか、どこを「戦いどころ」にするか、についてはやってみないと分からない、続けてみないと分からないってのが実際のところですね。

勉強だってスポーツだって、やり始める前から得意かどうかなんて分かりようがなくって、ひょんなキッカケがあってはじめてみて、続けているうちに少しずつできるようになっていった、というケースがほとんどですよね。

仕事もおんなじです。
やってみなければ、続けてみなければ向き不向きは分からない。
続けていく中で、少しずつできること(Can)が増えていくことが「成長」だと思っていて、成長することで『誰かの役に立てる』レベルが上がっていく。
それが仕事なんだと思います。

好きを仕事にできたら幸せなことだけど、好きを仕事にしなくても幸せになれる方法はある。

「力」をつけて、いつかやりたいことが出て来た時に挑戦できるように。

「力」をつけて生産性を高めて、プライベートの時間で好きなことに没頭できるように。

「好きを仕事に」じゃなく、「仕事を好きに」でも素敵ですね。

所詮仕事、されど仕事。
価値観は様々ですが、必要以上に自分を「ねばならない地獄」に追い込むことなく、前向きに生きられるような社会が、ぼくは好きです。