PCの買い替えやOSの再インストール時にはiTunesの「認証解除」をお忘れなく

iTunes

iPhoneやiPadの管理、あるいは直接iTunes Storeを利用するため、PCにiTunesをインストールしている人は多いだろう。実際に自分自身の環境もそうで、ソフトの使い勝手にはあまり満足してはいないが、使用する頻度自体は結構高い。使用しているデバイスの関係もあって、音楽ももっぱらiTunesで管理するようになった。

ところでこのiTunes、PCの買い替えやパーツの更新、OS(Windows)の再インストールやアップグレード時には気をつけなければいかないことがある。まずは「ライブラリ(コンテンツ)のバックアップ」だが、これはまあ誰でもすぐに気がつくだろうし、データドライブはそのままで、OSだけ入れ替えるようなときは気にする必要がない。具体的なバックアップ方法も、基本的にファイルをコピーするだけでいいようだ。

しかしもう1つ、気がつかなかったり、忘れたりしやすいものがある。それは、iTunesの「認証解除と再認証」だ。Appleから入手したコンテンツは「Apple ID」で管理されているが、それと同時に、利用するPC(端末)の認証作業が必要になる。正確にはiTunes自体はどんなPCでも使用できるが、DRMがかかっているコンテンツの使用やデータの再ダウンロードなどをおこなうためには、アカウントとPCを紐付けしなければいけない。

この「認証」、コンピュータ5台までしか認められておらず、使わなく(使えなく)なったPCやOSからはちゃんと「認証解除」していかないと、どんどん認証(利用)可能な台数が減っていってしまう。例えそのPCからはiTunesが今後一切利用されなかったとしても、認証が自動で解除されることはないからだ。
極端なことをいえば、Windowsを5回インストールし直しただけで、iTunesで買った音楽や動画の使用や再ダウンロードが(手元のPCで)できなくなるという可能性もありうる(実際はここまでシビアなのかは不明)。

下記を行う場合、事前にコンピュータの認証を解除する必要があります。

  • コンピュータを売却または譲渡するとき
  • コンピュータを修理サービスに出すとき
  • Windows を再インストールするとき
  • RMA、ハードディスク、その他のシステムコンポーネントをアップグレードするとき
    コンピュータの認証を解除する前にこれらのコンポーネントをアップグレードすると、そのコンピュータで複数の認証が使われる可能性があります。

iTunes Store:Mac または Windows パソコンを認証または認証解除する

実は前回PCを組んだときにこの作業をすっかり忘れていて、かつ諸事情で旧PC(OS)がすでに起動できない状態だったこともあり、自分の認証可能回数は減ってしまっている。同じ轍は踏みたくないし、近々自分のPCのパーツ交換&OSの再インストールを計画していることもあるので、忘れないためにもこの辺りの作業を記事にしておきたい。
ちなみに、XPのサポートが2014年4月で切れて、PCの買い替えやOSのアップグレードを予定している人も多いだろうから、そういう方々にも役立つかもしれない。

iTunesから「このコンピューターの認証を解除」を選ぼう
以上!

前置きが長くなってしまった反面、実際の作業は非常に簡単だ。iTunes(ともちろんOS)が起動できるなら、以下の作業をすればいい。

  1. iTunesを起動してメニューバーから「Store」を選択
  2. 「このコンピューターの認証を解除」を選ぶ
  3. 登録しているApple IDとパスワードを入力して「認証を解除」を押す
iTunesの「このコンピューターの認証を解除」
iTunesの「Store」メニューから「このコンピューターの認証を解除」を選ぶだけ。ソフトさえ起動できれば簡単だ

詳細は以下の公式ページにも書かれている。画像は英語版のiTunesになっているが、それ以外は同じなので、好きな方を参考にして欲しい。

気をつけなければいけないのは、「認証を解除するPCでiTunesを起動させる必要がある」ということだ。PCをすでに手放してしまったとか、ストレージ(HDD/SSD)やOSを消去してしまったあとでは、当たり前だがiTunesを起動できない。きちんとPCとiTunesが動く間に作業をしておこう。

「すでに上限に達してしまった」というときは

「すでに5台の上限に達してしまった」あるいは「まだ上限になっていないが、認証できる台数と端末を完全に初期化したい」という場合は、全ての認証を強制的に解除する方法もある。こちらは認証を解除したいPCでおこなう必要がないので、例えばPCを処分してしまったあとでも実行が可能だ。ただし、1年に1回しかできないという大きな制限があるため、ある種の“最終手段”ともいえるかもしれない。

具体的な作業としてはこちらも簡単で、以下のように作業すればいい。

  1. Apple IDでログイン済みのiTunesを起動する(ログアウトしているなら、ログインする)
  2. 「iTunes Store」を起動し、Apple ID(メールアドレス)をクリックする(画像1)
  3. パスワードの再入力を求められるので入力し、「アカウントを表示」を選択
  4. アカウント情報が表示されるので、「コンピュータの認証」の「全て認証解除」をクリックする(画像2)
iTunesに表示されるApple ID
(画像1)「iTunes Store」を表示させると出てくるApple IDのアカウント名(メールアドレス)。これをクリックする(画像は公式ページから引用)
アカウント画面の「全ての認証解除」
(画像2)アカウント情報の中の一部分。ここに全ての認証を解除するボタンがある

前述のとおり、制限があるため多用できるわけではないが、困ったときには利用しておこう。