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【主張】吉田調書 世界の原発安全性の糧に 極限状況下の事故対応を学べ
吉田氏は病で25年7月に他界したが、健在なら「原子力ムラ」の出身などという排除の論理を超えて、原子力規制委員の職に就いてもらいたかった人である。
吉田調書などを踏まえた調査・検証委による最終報告には、規制当局に対する次のような注文も含まれている。
「技術的に枝葉末節のチェックに追われ、安全のための大局を見る余裕のない業務の在り方になっていないか」
吉田調書は朝日新聞も入手しており、5月20日付の朝刊に「所長命令に違反 原発撤退」という記事が掲載された。
《命かけた人への冒涜だ》
福島第1原発で2号機の格納容器破損が疑われる異変が起きた23年3月15日の午前中に、多くの所員が吉田氏の「待機命令」に背いて福島第2原発に撤退していたことが、吉田調書で明らかになったとする内容だ。
だが、調書を精読すると、吉田氏が出しているのは終始、事故対応に必要な人員以外に対する「退避」の指示だ。福島第2が有力な避難先になっていたことも疑いようがない。
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