「京都で宮中行事」政府に要望確認 双京構想で有識者懇
京都の行政や経済、大学、伝統文化など各界の代表でつくる「京都の未来を考える懇話会」は20日、皇族の一部を京都に迎える「双京構想」の有識者懇話会を京都市南区のホテルで開いた。宮中行事の一部を京都御所や京都迎賓館で行うよう政府に求めるとともに、市民の機運を盛り上げることの重要性を確認した。
双京構想は、懇話会が2013年5月に発表した「京都ビジョン2040」の柱の一つ。有識者の意見を、22日にまとめる取り組み方針に反映させるため、1年半ぶりに開いた。
京都産業大の所功名誉教授は、伊勢神宮の式年遷宮などを例に「古いものを伝えるシステムがあってこそ文化は続く」と述べ、皇室行事の一部を京都で開催する意義を説いた。冷泉家時雨亭文庫の冷泉貴実子常務理事事務局長も「実現には王朝文化の復活しかない」と強調し、20年東京五輪に合わせた具体的な皇室関連行事の実現を要望した。
千家十職塗師の十三代中村宗哲さんは「京都御所で大きな行事があれば世界中の注目が集まる」と述べ、観光や伝統産業への波及効果にも期待を示した。
国際日本文化研究センターの芳賀徹名誉教授は「皇族にお越しいただければ京都の都市格は上がる。スピード感をもって取り組む必要がある」とし、国会議員や文化人の協力が不可欠と強調した。
【 2014年08月20日 22時10分 】