グリーンスパン元FRB議長(1994年の議会証言で) Associated Press

 氷水を頭からかぶって筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者支援を目指すチャリティー「アイスバケット・チャレンジ」に、アラン・グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長も一役買ったようだ。

 だが、グリーンスパン氏が自ら冷たい水をかぶったわけではない。妻でMSNBCのリポーター、アンドリア・ミッチェル氏が氷水をかぶるのを手助けしただけだった。ミッチェル氏はフロリダ州の下院議員デビー・ワッサーマン・シュルツ氏から指名を受けて氷水をかぶることになった。

 ここ数週間、米国ではアイスバケット・チャレンジ旋風が巻き起こっており、ALS(別名「ルー・ゲーリッグ病」)患者の支援に向け多額の寄付金が集まっているばかりか、ALSに対する認識も高まっている。

 アイスバケット・チャレンジのおかげで、7月29日から8月18日にALS支援団体への寄付金は2290万ドル(約23億6000万円)に達した。MSNBCの報道によると、前年同期の寄付額は190万ドルだった。

 グリーンスパン氏がこのチャリティーに参加したことを受け、ツイッター上では「これ(水をかけること)は、過熱していた株式市場に彼が決してできなかったことだ」といった、FRB議長時代の政策を皮肉るコメントも投稿された。グリーンスパン氏は市場が熱狂していた1990年代にFRBを率いていた。

 ミッチェル氏は次に、チャック・トッド氏(NBCの記者)とヒラリー・クリントン氏、ジョン・ケリー氏を指名した。グリーンスパン氏は自身では氷水をかぶらずにこのチャリティーに参加した格好となったが、彼も誰かを指名する権利があるのではなかろうか。バーナンキ前FRB議長も参加したがっているかもしれない。イエレン議長はどうだろう?今月21~23日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムは、アイスバケット・チャレンジの場としてうってつけかもしれない。

 (グリーンスパン氏がミッチェル氏に氷水をかぶせるMSNBCのビデオはこちら)

関連記事