エボラ対策最前線、カギは完治患者 正しい情報の伝達役に期待

2014年08月19日 10:00 発信地:カイラフン/シエラレオネ

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×アフリカ・シエラレオネ東部カイラフン(Kailahun)にある国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without Borders、MSF)」の治療施設で、エボラウイルスに感染した子どもの食事の面倒を見る医療スタッフ(2014年8月15日撮影)。(c)AFP/Carl de Souza
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【8月19日 AFP】その日、ハワ・イドリサ(Hawa Idrisa)さんはシエラレオネ東部にあるエボラ出血熱患者の治療施設に義理の父を見舞いに訪れていた。突然、義父の点滴管がはずれ、痩せ衰えた血管から飛び散った血液がハワさんの目や口に飛び込んだ。

 ハワさんは生後12か月になる娘のヘレン(Helen Idrisa)ちゃんを連れていたが、幸いなことに、その瞬間は床に降ろしていた。さもなければ、ヘレンちゃんは今頃ほぼ確実にエボラ出血熱で命を落としていただろう。

 エボラウイルスは、けし粒よりも小さな血液1滴に最大で1億個も含まれている。人ひとりの命を奪うには十分な量だ。

「私の体のあちこちに血が飛び散った。みんな逃げてしまったので、自分でバケツ1杯の消毒液をかぶった」とハワさんは当時を振り返った。

 帰宅したハワさんはこの騒動を忘れてしまっていたが、1週間ほど経って発熱と頭痛が始まった。エボラ出血熱の初期症状だ。

 検査の結果、ヘレンちゃんは陰性だったが、夫のナロ(Nallo Idrisa)さんは感染していた。夫妻は東部カイラフン(Kailahun)地区の中心都市カイラハン(Kailahan)にある国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」の治療施設に入院した。

 ハワさんは4週間、生死の境をさまよった。「何が起きたのか、自分がどこにいるのかすら分からなかった。あの当時のことは何一つ覚えていない」と、一命をとりとめたハワさんはAFPの取材に語った。

 エボラ出血熱は早期に患者を特定し、解熱剤を投与しつつ脱水症状を治療して栄養を補給するなど適切な処置を行えば、生存率が著しく上昇する。

 ハワさんは誇らしげにエボラ出血熱からの完治証明書を見せてくれた。すっかり回復したハワさんは今、退院して自宅に帰る準備を進めている。


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