鹿児島大学研究者総覧産学官連携推進センター 産学官連携部門
准教授
中武 貞文
Sadafumi Nakatake

電子メール

nakatake@rdc.kagoshima-u.ac.jp

電話番号

099-285-8492

就任年月

2008年2月

最終学歴

大阪大学大学院理学研究科博士課程前期

学位

理学修士

所属学会

研究・技術計画学会、産学連携学会、日本原子力学会、日本分析化学会

専門分野

産学連携、地域連携、科学技術コミュニケーション、技術経営

研究テーマ

主に大学における産学官連携活動、社会貢献活動を行っています。現在の活動内容を以下に概説します。

1.地域におけるイノベーション創出の「場のデザイン」
産学連携(若しくは産学官連携)は、主に研究開発能力を有する企業の商品開発力・生産性を向上させるためのR&Dツールとして位置づけられて来ました。しかし、このR&Dを産み出す前段階(環境・土壌)については、Fuzzy Front Endなどの製品開発モデルとして論考されていますが、実践面では「コミュニケーションやネットワークの重要性」という言葉で落ち着くことが多く、モデルを活用した深い論考は行われていません。
一方、開発能力を十分に保有しない地方の企業及び企業群にとっては、イノベーションの機会を獲得することが容易ではありません。情報収集、分析、アイデア創出、企画立案など「起点」にて困難に直面している例が数多くあります。この問題に地方の大学の資源を積極的に組み込み、イノベーション創出の「起点」を確立しようという実践的な「場のデザイン」を行っています。
【創出した場の一例】
・いとしまサイエンスキャラバン;福岡県糸島市(旧前原市、旧志摩町、旧二丈町)と九州大学研究者との交流の場
・平成版IT湯治プロジェクト;鹿児島県指宿市における健康増進と観光、ITの融合による地域活性化プロジェクト
・さつますんくじらの恵み;鹿児島県南さつま市の地域特産品を活かした人の交流を基軸にした商品開発・観光開発プロジェクト
・公共建築物の低炭素化を目指す鹿児島プロジェクト
・平川動物公園・かごしま水族館を活かした観光活性化プロジェクト

2.高レベル放射性廃棄物処分地選定に関する日本型合意形成モデルの構築
1.に示した「場」が地域社会の発展方向のニーズを捉えたものであるのに対し、それとは全く反対の課題-社会の中で合意形成が図られない事象、ネガティブイシューに対するアプローチ-にも、「場のデザイン」が有効に機能するのではないかという仮説を持って、現在、全国の研究者との連携の下、研究活動を展開しています。

3.産学連携の各プロセスの定量化・分析を踏まえた産学連携マネジメントシステムの最適化
産学連携や大学の社会連携の活動が活発になってきています。共同研究数、特許出願数、公開講座開講数と一見定量的に評価されているように見えます。しかし、これらは大学へ投げかけられる多くの要望のうち、明示化され、浮かび上がってきた事案(果実;しかもそれが尺度として適切かどうかは議論が必要)でしかありません。大学へ投げかけられる要望、その特性、対応手順、アウトプットを詳細に分析し、産学連携マネジメントシステムの最適化を図り、少人数でも社会、教員に満足度の高いサービスを提供することを目指したいと考えています。
【分析事例】
・企業・教員からの相談案件・要望事項のデータベース化とそれを用いた特性分析
・相談から連携実施までのモデルの類型化 他

ホームページ

http://researchmap.jp/snakatake/

主な研究業績

【論文著書】
  • 中武貞文, 大学をあなたのパートナーに~From Campus~「ヒートアイランド対策技術に見る産学官連携の多様化~ユニークな連携について」., 福岡商工会議所ニュース, No.9月号, (2006).
  • 中武貞文, 「特集 大学をあなたのパートナーに 産学連携を経営に活かす」, 福岡商工会議所ニュース, No.9月号, (2007).
  • 中武貞文, 指宿地域が一体となった「平成版IT湯治」の取り組み, 人と国土21, Vol.第35巻, No.5号, pp.35-36 (2010).
  • 中武貞文, 産学連携の背景に流れているもの, 地域経済情報, pp.2-5 (2011).
  • 外枦保大介,中武貞文 , 地方国立大学と地域産業との連携に関する調査研究-鹿児島県製造業と鹿児島大学に着目して- , 文部科学省科学技術政策研究所 Discussion Paper No. 82, (2012).
  • 奥野健二、大矢恭久, 静岡県における防災・減災と原子力, 静岡学術出版, (2013).
  • 中武貞文, 「ソーシャルビジネス」に惹かれる若者たちと現代社会, 地域政策科学研究, Vol.10, pp.49-67 (2013).
  • 中武 貞文, コーディネーターの新展開, 産学連携学, Vol.10, No.1, pp.51-57 (2014).
【学会発表】
  • 中武貞文, 産学連携に関する情報提供を目的としたホームページの運用データの分析, 研究・技術計画学会, 2006年 11月 (宮城).
  • 中武貞文, 「産学連携・地域連携を指向したアウトリーチ活動「糸島サイエンスキャラバン」」, STS Network Japan 夏の学校2007, 2007年 8月 (滋賀).
  • 廣川聡子(前原SOHOネットワーク)、本田正明(株式会社よかネット)、田中隼人(福岡県企画・地域振興部)、緒方道子(福岡県商工部 )、中村征樹(大阪大学大学教育実践センター)、江藤信一(九州大学ユーザーサイエンス機構)、清水麻紀(九州大学ユーザーサイエンス機構)、坂井猛(九州大学新キャンパス計画推進室)、中武 貞文 (鹿児島大学産学官連携推進機構), 産学連携・地域連携を指向したアウトリーチ活動「糸島サイエンスキャラバン」の事例発表, 産学連携学会, 2008年 6月 (大分県大分市).
  • 中武貞文, 地域一体となった産学官連携の取り組み「平成版IT湯治プロジェクト」の事例にみる大学の社会貢献, 産学連携学会, 2010年 6月 (北海道).
  • 中武 貞文(鹿児島大)、久郷 明秀(関西電力)、織 朱實(関東学院)、杉万 俊夫、下田 宏(京都大)、篠田 佳彦(若狭湾エネルギー研究センター)、川本 義海(福井大)、松村 憲一(武庫川女子大)、織田 朝美(大阪大)、大石 みち子(鹿児島大), HLW地層処分地選定に関する日本型合意形成モデルの構築⑤日本型合意形成モデル構築の設計, 日本保全学会, 2010年 7月 (静岡県).
  • 中武貞文, HLW地層処分地選定に関する日本型合意形成モデルの構築~日本型合意形成モデル構築の設計, 科学教育学会, 2010年 9月 (広島).
  • 中武 貞文(鹿児島大)、久郷 明秀(関西電力)、織 朱實(関東学院)、杉万 俊夫、下田 宏(京都大)、篠田 佳彦(若狭湾エネルギー研究センター)、川本 義海(福井大)、松村 憲一(武庫川女子大)、織田 朝美(大阪大)、大石 みち子(鹿児島大), HLW地層処分地選定に関する 日本型合意形成モデルの構築 (3)HLW最終処分地選定に関する全体構造~場のデザインという視点から, 日本原子力学会, 2010年 9月 (北海道).
  • 中武貞文、篠田佳彦(若狭湾エネルギーセンター), HLW地層処分地選定に関する日本型合意形成モデルの構築(4)領域の再定義とビジネス視点の導入の試, 日本原子力学会, 2010年 9月 (北海道).
  • ○佐々木 文平 (合同会社街オリ)、中武 貞文 (鹿児島大学), 地域資源と商品・観光開発、そして地域間の繋がりを活かした「さつますんくじらプロジェクト」の事例報告~大学が地域連携を仕掛け、発展させる存在となるということ, 産学連携学会, 2011年 6月 (佐賀).
  • ○大田 誠吾 (株式会社ラドバリュー)、中武 貞文 (鹿児島大学), 多様な人材の参加による「知」の創発、活用を促進するためのIT基盤構築の試み, 産学連携学会, 2011年 6月 (佐賀).
  • ○黒木 智弘、安藤 裕史、持留 雅志 (鹿児島市役所)、中武 貞文 (鹿児島大学), 「公共建築物の低炭素化を目指す鹿児島プロジェクト」の事例報告, 産学連携学会, 2011年 6月 (佐賀).
  • ○中武貞文(鹿児島大学)、篠田佳彦(財団法人若狭湾エネルギー研究センター)、川本義海(福井大学)、下田宏(京都大学) , 「HLW地層処分地選定に関する合意形成(4)日本型合意形成の在り方とその実践」, 日本原子力学会, 2011年 9月 (福岡).
  • ○興直孝(静岡文化芸術大学)、大矢恭久(靜岡大学)、中武貞文(鹿児島大学)、萱野貴広(靜岡大学)、内ノ倉真吾(靜岡大学)、熊野善介(靜岡大学)、三枝新((独)放射線医学総合研究所)、奥野健二(靜岡大学), HLW地層処分地選定に関する合意形成(5)まとめ, 日本原子力学会, 2011年 9月 (福岡).
  • 西川洋行、今井潤、入野和明、中武貞文, 地域の自律性の観点からみた地域振興事業の分析と,効果的な事業計画策定方法の考察, 研究・技術計画学会, 2011年 10月 (山口).
  • 中武貞文(オーガナイザー;鹿児島大学)、外枦保大介(下関市立大学)、西川洋行(県立広島大学)、林靖人(信州大学)、川島浩誉(東京工業大学)、林里織(山口大学), オーガナイズドセッション「産学連携を科学する」, 産学連携学会, 2012年 6月 (高知).
  • 熊野善介(静岡大学;オーガナイザー)、清原洋一(国立教育政策研究所)、熊野善介(静岡大学)、大矢恭久(静岡大学)、神田玲子(放射医学総合研究所)、中武貞文(鹿児島大学)、三枝 新(放射医学総合研究所)、興 直孝(静岡文化芸術大学), テーマ:科学技術ガバナンスの形成に資する科学教育に向けて-原子力・放射線の「熟議」の在り方を中心として-, 日本科学教育学会, 2012年 6月 (東京).
  • 中武貞文(鹿児島大学) ,永田晃也(九州大学) ,前波晴彦(鳥取大学) ,林 靖人(信州大学) ,平川秀幸(大阪大学), 『RISTEX』プロジェクトに見る産学連携の展開の『ヒント』 , 産学連携学会, 2013年 6月 (岩手).
  • 奥野健二(静岡大学),大矢恭久(静岡大学),中武貞文, 原子力発電所を活用した放射線教育の実践とその効果, 日本科学教育学会, 2013年 9月 (三重).
  • 中武貞文, 専門家の存在とディベート,地域における新技術導入,科学技術・イノベーション政策の動向にみる「科学技術ガバナンス形成」-フィールド調査報告, 日本科学教育学会, 2013年 9月 (三重).

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