[PR]

 国内で急激な広がりを見せる危険ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)。その影響は、警察の薬物鑑定や税関の水際対策の現場にも及んでいる。次々と持ち込まれる鑑定依頼や不審な輸入物を前に、担当者からは悲鳴にも似た声が上がっている。

 警視庁で危険ドラッグの鑑定作業を担う科学捜査研究所。「つい最近まで、覚醒剤や大麻が鑑定のメーンで、危険ドラッグはサブ。それがもう、完全に入れ替わった」。科捜研幹部はため息交じりに話す。

 各警察署などからの危険ドラッグの鑑定依頼が爆発的に増えたのは2月ごろ。月数十件程度だった依頼がこの半年間で計約3千件に上った。薬事法で定める規制薬物を含むドラッグについて、4月から所持や使用も新たに禁じられ、各署で積極的な取り締まりに乗り出したからだ。