糖尿病コラム
食後の眠気の原因は低血糖!?集中力を上げるランチの摂り方5箇条
楽しかったランチタイムを終え、いざデスクに向かうと突然襲ってくる強烈な眠気。
ガムを噛んだり、ブラックコーヒーを飲んだり、顔を洗ったり。それぞれの方法で睡魔と闘っている方も多いのではないでしょうか。
おなかがいっぱいになると眠くなるのは生理現象だから仕方がないと思っていませんか?実は食事の摂り方を工夫するだけで「食後の眠気」が防げるかもしれないのです。
その眠気の原因は「低血糖」かも
食後の眠気の原因は、主に2つあります。
一つ目は、食べ物を消化するために血液が消化器官へと集中し、脳への血液循環が減ることが原因によるもの。これはよく知られていますね。
しかし、食後の眠気を引き起こす原因として、もう一つあまり知られていないものがあります。それが「低血糖」です。
低血糖というと、糖尿病患者さんが使用する薬によって引き起こされると思われるかもしれません。しかし、健康な人でも食事方法によって低血糖状態に陥ってしまうことがあるのです。
ここでは、だれにでも起こりうる「食事による低血糖」について解説します。
低血糖による食後の眠気の正体は炭水化物にあった
「低血糖」とは、血液中のブドウ糖が足りていない状態のことです。
ブドウ糖は脳の活動に不可欠な成分なので、ブドウ糖が少ない状態では脳の活動が低下し、その結果眠くなってしまうのです。
では、なぜ食後に低血糖になってしまうのかというと、食事により急激に血糖値が上昇すると、それを下げようとして、「インスリン」というホルモンが過剰に分泌されるためです。
食後に血糖値が急激に上がってしまう原因は、炭水化物に含まれる「糖質」が体内で消化され、「ブドウ糖」に変化するから。
つまり、「炭水化物を摂り過ぎると血糖値の急激な上昇による低血糖を招く」ということがいえます。
そのため、いつもと食事の内容を少し変えるだけで、低血糖による食後の眠気を防ぐことができるのです。
ただし、糖尿病患者さんで薬を服用している方や、インスリン注射を打っている方の場合はまた違う原因がありますので、注意してください。
これで解決!?食後の眠気を防ぐ低血糖にならないご飯の食べ方
明日から実践できる、食後の低血糖を防ぐためのご飯の食べ方をご紹介しましょう。
1. 炭水化物だけの食事はやめる
炭水化物だけの食事は吸収する栄養素のほとんどが糖質といえますので、血糖値を急激にあげてしまいます。
例えばこんな食事はしていませんか?思い当たる方は要注意です。
ラーメン+ライス
菓子パン
カレーライス
コロッケ定食
うどんとおにぎり
これらの組み合わせは炭水化物と炭水化物の重ね食べになります。ついついやってしまいがちな組み合わせですが、血糖値の急上昇につながりますので、食物繊維の多い野菜などをプラスするようにしましょう。
例えばラーメンの場合にはライスはやめて餃子にする。またはわかめやネギ、ホウレンソウなどの野菜をトッピングするとよいでしょう。
菓子パンは炭水化物+糖質とかなり危険な組み合わせです。パンを食べたい場合はレタスサンドなどを取り入れましょう。
カレーライスやコロッケ定食も基本的にはほぼ炭水化物だけの組み合わせです。両方ともサラダなどを追加するとよいですね。
うどんとおにぎりもよくある組み合わせですが、うどんはわかめうどんにしたり、おにぎりは昆布を選ぶなど工夫しましょう。
参考:タニタ(http://www.tanita.co.jp/content/ucheck/pphg/pphg_info_1.html)
2. 白米・白いパンを玄米・ライ麦パン・玄米パンに変える
白米や白いパンはほとんど糖質ですがライ麦や玄米には食物繊維も含まれているので、血糖値をあげにくくします。
白いものより色のついたもの、と覚えるとよいでしょう。
次の表は血糖値を上げにくくする代表的な食品の例です。食事の際の参考にしてください。
参考:興和株式会社
3. 糖分を控えるため、甘いデザートや缶コーヒー・清涼飲料水は控える
例えば缶コーヒー(小)場合はスティックシュガー6本分程度使用しているものもあり、清涼飲料水の中には15本分もの糖分が含まれているものもあります。
食後の缶コーヒーはカフェインの影響で一時的に目が覚めるかもしれませんが、しばらくすると低血糖状態に陥ることもありますので、注意が必要です。
参考:保健指導における学習教材集
4. 食事はゆっくり30分以上かけて食べ、腹八分目を意識する
早食いですと必要以上にたくさん食べてしまいがちです。その結果、大量の炭水化物を食べることにつながり血糖値が急上昇してしまいます。
脳が満腹感を得られるまで15分以上かかるといわれていますので、ゆっくりとよく噛んで食べることで、少量でも満腹感を得られやすくなりますし、血糖値もあがりにくくなります。
参考:糖尿病ネット(http://www.tounyou.tank.jp/46.html)
5. 食べる順番を変える
最初に食物繊維が含まれた食材から食べると血糖値の上昇を緩やかにしますので、次の順番で食べるようにするとよいでしょう。
【食べる順番】
食物繊維が含まれる野菜など
↓ ↓
タンパク質が中心のメインのおかず
↓ ↓
炭水化物を含む主食(ご飯や麺類など)
参考:健康サポート(http://kenkousupport.kyoukaikenpo.or.jp/support/01/20130405.html)
血糖値を意識した食事で低血糖を防ぐ
食後の眠気の原因である低血糖と予防方法をご紹介しました。
低血糖にならないためにも血糖値を意識して、血糖値を上げ過ぎない食事を心がけるようにしましょう。
また、低血糖状態が常に続く場合は「低血糖症」という病気の可能性もあります。低血糖症は通常の健康診断だけではわからないこともあります。低血糖の症状が続くな、多いなと不安になった方は一度病院で検査をしてみることをおすすめします。