黒人少年射殺で司法長官を現地に派遣へ8月19日 9時58分
アメリカ中西部ミズーリ州で黒人の少年が警察官に射殺され住民の抗議デモが続いている問題で、オバマ大統領は、現地にホルダー司法長官を派遣し真相究明を急ぐ考えを強調しました。
この問題は、今月9日、ミズーリ州セントルイス近郊で18歳の黒人の少年が警察官に射殺されたもので、警察は少年が警察官から拳銃を奪おうとしたので発砲したと主張する一方、住民らは無抵抗の少年が射殺されたとして反発し抗議デモを続けています。
こうしたなか、オバマ大統領は18日ホワイトハウスで記者会見し、住民に対して「略奪や警察への襲撃などは緊張を高め混乱を深めるだけだ」と述べ、冷静な対応を呼びかけました。
一方、ミズーリ州のニクソン知事が事態の鎮静化のため現場に州兵を動員すると決めたことについてオバマ大統領は、「知事には限定的で適切な運用を呼びかけた」と述べ、慎重な部隊の運用を求めました。
そのうえでオバマ大統領は、今月20日にホルダー司法長官を現地に派遣し、独自の捜査を続けているFBI=連邦捜査局の担当者に捜査状況を報告させるとしています。
オバマ大統領としては、司法長官を現地に派遣し、FBIが地元の警察とは別に中立な立場で捜査していることを強調することで、真相究明と事態の鎮静化を急ぐねらいがあるとみられます。
この問題で、国連のパン・ギムン事務総長も18日、報道官を通じて声明を発表し、「アメリカの捜査当局が少年の死の真相を究明し、正しい裁きがなされることを期待する」としたうえで、「治安当局は、平和的なデモや表現の自由が保証されるよう、アメリカの法律や国際的な基準にのっとり自制して行動すべきだ」と述べ、治安当局が抗議デモに対し過剰な取り締まりを行わないよう呼びかけました。
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