凍結のみの止水断念 追加対策へ8月19日 11時40分
福島第一原子力発電所で地下のトンネルに流れ込んだ汚染水を凍らせて止水する工事が難航している問題で、東京電力は、氷やドライアイスを入れるなどの追加の対策を行っても完全に止水することは難しいとして、氷の隙間に充填(じゅうてん)材を流し込む新たな対策を行う方針を固め、原子力規制委員会の会合に諮ることを決めました。
福島第一原発では「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに高濃度の汚染水が流れ込み、ここから地下水と混ざって海に流れ出しているとみられることから、東京電力はことし4月からトレンチと建屋が接する部分に「凍結管」と呼ばれる装置を入れて汚染水を凍らせ、氷の壁で止水したうえで汚染水を抜き取る計画でした。
ところが、3か月たっても十分に凍らないことから、先月30日以降、氷やドライアイス400トン余りを入れた結果、トンネルの断面の90%余りが凍ったとしています。
しかし、障害物があって凍結管を入れられない部分などが依然として凍っていないことから、東京電力は、氷の壁だけで完全に止水することは難しいと判断し、氷の隙間を充填材などで塞ぐ新たな対策を行う方針を固め、19日開かれる原子力規制委員会の専門家の会合に諮ることを決めました。
それでも障害物がある場所などに確実に充填材を詰められるかといった課題は残っているということです。
さらに、福島第一原発では1号機から4号機の周囲の地盤を凍らせて建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土壁」の建設も進められていますが、トレンチの汚染水を抜き取ることが前提となっているため、トレンチの対策の遅れが凍土壁の建設に影響することも懸念されています。
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