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 ラッパを逆向きに二つつなげた形の不思議な天体「宇宙竜巻」のできた原因を、慶応大のチームがあきらかにした。中心にあるブラックホールが一時的に、物質を噴き出したのが原因という。20日付の米専門誌に論文を掲載する。

 宇宙竜巻は、磁場と水素を主とするガスで形成されており、太陽から4万光年離れた場所にある。大きさは110光年。

 研究チームは国立天文台の電波望遠鏡で観測、竜巻周辺にガスの雲があり、別のガス雲に秒速20キロで突っ込んでいることを確認した。これらが衝突した時、濃いガスができたと分析。濃いガスを近くのブラックホールが一時的に吸収し、2方向にジェットを噴き出したことで、竜巻状の天体ができた、と推定した。

 ブラックホールの活動の痕跡と判明したことで、岡朋治准教授(電波天文学)は「本来は観測不可能なブラックホールを発見する手がかりになる」と話す。