ソフトバンクは9月、個人投資家向けに普通社債4000億円を発行する見通しだ。事業会社が一度に募集する個人向け社債としては、同社が昨年6月に5年物で総額4000億円発行したのが過去最大で、それと並ぶ規模となる。調達資金は過去に発行した社債の償還や借入金の返済、M&A(合併・買収)を含む投融資の資金に充てる。
同社が18日、関東財務局に提出した訂正発行登録書によると、償還期限は2019年9月12日で年限は5年。利率は0.95~1.55%を仮条件としている。主幹事に野村証券、大和証券、みずほ証券などを指名した。
ソフトバンクは資金調達を多様にするため、機関投資家と同様、個人向けの社債を積極化している。15年3月期は個人向けに総額7000億円程度を発行する計画で、すでに5月に3000億円を起債した。また、機動的な資金調達のため、7月上旬には16年7月を期限に、上限1兆5000億円の発行登録枠を設定している。
同社は昨年7月の米携帯電話3位スプリントの買収で借入金がかさみ、今年6月末の有利子負債残高が9兆3865億円にのぼる。孫正義社長は8日の決算説明会で「(負債は)健全な範囲で推移している」と説明。5月に発行した社債の利率が1.45%だったことについて「非常に好条件で調達できている」と述べていた。
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