パラジウムは自動車の排気ガス中の有害成分を減らす触媒コンバーターに使われます。生産されたパラジウムのうち、73%がこの市場で消費されます。

世界のパラジウム生産の約4割はロシアです。生産地はウラル山脈が多く、ノリルスク・ニッケルなどが主な企業です。

ウクライナ情勢を巡ってロシアと先進各国の間での経済制裁の応酬がエスカレートすれば、ロシアがパラジウムを禁輸アイテムに指定する可能性が出てきました。

ロシアに次ぐパラジウム生産国は南アです。南アでは労働争議が相次いでおり、これがパラジウムの生産に影響を及ぼしました。今年に入ってから、パラジウムの価格がじり高しているのはそのせいです。下はパラジウムのETF(ティッカーシンボル:PALL)のチャートです。

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なお、パラジウムはリサイクルがききます。廃車処分になったスクラップから、パラジウムを回収すれば、かなり使えます。パラジウム供給に占めるリサイクル比率は28%です。

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その意味では短期的でキョーレツな、買占めによる価格急騰は起きにくいです。

しかし最近は中古車を日本などの先進国から新興国へ輸出するビジネスが流行っており、新興国で廃車になったポンコツはちゃんとリサイクルされない場合も多いです。

若しパラジウムをロシアが禁輸品目に加えたら、二つのトレードの方法があります。ひとつは上に述べたパラジウムのETFを買う方法です。ただこのETFは流動性が少ないのであまりお勧めできません。

もうひとつの方法はスティルウォーター・マイニング(ティッカーシンボル:SWC)を買う方法です。

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同社は、ほぼパラジウムのピュアープレイです。