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【AV】・「SODの応援歌とか知らん!! なんだこれは!!」

個人的な話だが、私は滅多にAVを観ない。
それは中高生くらいからそうで、理由はいろいろある(エロマンガは読んでいた)のだが、ここでは省く。
ネット時代になり、セルDVDになってから、私にとってはAVは観やすい環境になった。通販で買えるし、中古も安く出回っている。もっとも、そう思っているのは少数で、なんかみんな違法なやり方でタダで観てんでしょ?
実にけしからん。タダでAV観ている人はもっと業界にお金を落とすようにしないとダメだ。

前置きはこのくらいにして、SODというメーカーのDVDを買った。7月発売のものだった。
これが再生してみてビックリ、まったく聞きたくもない「SOD応援歌」なるものが流れ出した。
しかも、他の再生機では知らないが、ウチのものではスキップできないんだよ。
4~5分、えんえんとこれが流される。
ただ、黙って観ている(聞いている)しかない。
ネットで調べたら、7月の全タイトルにこの「応援歌」を入れたという。
気が狂っているとしか思えない。

製作サイドが激務であるとか、ブラックであるとかの大半は、視聴者にとってはどうでもいい話である。
「会社への愚痴を歌にした」というのなら、それは社内のパーティーか何かで流すべきで、外部の人間に見せるべきものではない。
別の考え方をしてみれば、この行為がいかに愚かかわかるはずだ。
オリジナルアニメDVDを買って、その冒頭にスキップできない「いかにアニメ製作が激務か」を、スタッフの一人が歌った歌が入っていたとしたら……。普通は炎上必至である。

まあ、つくったやつの気持ちはわかる。クリエイティビティが要求される業界に、ただ言われたことだけをハイハイ言ってやるやつが入るはずはないわけで、通常の手伝いでなくもう少し創作的なことをしてみたい、と若いなら思うはずだ。
だがこれはまったく的外れだ。いや曲やMVをつくるのは勝手だが、「7月の全タイトルに収録」という判断をくだしたのは(上司の)だれなのか。せめて、ネット上での無料公開止まりにできなかったのか。

私がこのMVを観て真っ先に思い出しのは、古い話だが「いか天」に、「HMV」というバンドと、名前は忘れたがリクルート社のバンドが出たときである。
「HMV」というのは、よくわからなかったが音楽業界の社員の寄り集まりで、いかにもシャレでいか天に出ました、という感じで即座にワイプになってしまった。
審査員がうんざり気味に「業界芸はいらない」と言っていて、その人の真意は知らないが、私から見ると「業界に片足を突っ込んだ人々の悪ふざけ」としか見えず、他の真剣なバンドが気の毒に見えたものである。
もうひとつは、リクルート社のバンド。
これは別のときに出演したのだが、まあ「サラリーマンがんばれ」みたいな歌を歌ったんですよ。アマチュアバンドで「サラリーマンがんばれ」みたいな歌を歌うところは多く、そういうジャンル自体個人的には大嫌いなのだが、リクルート全盛時からあった、「サークル活動」的な、他人からはうかがいしれぬ一体感がしぬほどどうでもよかった。
簡単に言えば「勝手にどこかでやってくれ」ということなのである。

私は今回の「SOD応援歌が7月発売のAV全タイトルに収録された」という自体に関し、SODの企業センスそのものに疑いを持たざるをえなかった。社風は知らないが、SODがたとえいかに縦社会であろうが、激務であろうが、「悪しき大学のサークルノリ」をベースにつくられている、と思わざるを得ない。
知り合いの義理で見せられる芝居や、学園祭での内輪受けイベントや、結婚パーティーでの特定コミュニティの仕切りがそれ以外の関係で来た客に伝わらないなどの、数々の悪夢を思い起こさずにはいられなかった。

突然話はすっとぶが、この「内輪受けにするべきか否か」は、一時期の(90年代以前の)オタクメディアでも大きな議論のひとつであった。一方、サブカルにはそういうことはあまりなかった。これまた理由を説明すると時間がかかるので省くが、そのようなことをまったく知らないで育ったクリエーターはまったくオソロシイと思った。

そもそも考えてもみてほしい、DVDを再生するたびに、まったく関係のない映像が5分近く流れ続ける。
そのこと自体、商品として成立しているのかどうかを。

現実世界ではなくメディア関係で、これほど不快に感じたのはひさしぶりである。
もう、SODのノリは変わらないだろうから、こちらが近づかないようにするしかない。

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