2014-08-18
ゴキブリ、あるいはAK47としてのロシア経済
経済 |
ジャスティン・フォックスがブルッキングス研究所の論説(著者はClifford G. Gaddy、Barry W. Ickes)から面白い一節を引用している。
Were it not so likely to be considered disrespectful, we might describe Russia as the cockroach of economies — primitive and inelegant in many respects but possessing a remarkable ability to survive in the most adverse and varying conditions. Perhaps a more appropriate metaphor is Russia’s own Kalashnikov automatic rifle — low-tech and cheap but almost indestructible.
(拙訳)
失礼を顧みずに言うならば、我々はロシアのことをゴキブリ経済と表現して良いかもしれない。多くの点で原始的で粗野だが、最悪の逆境や変動する環境で耐え抜く驚くべき能力を有してる。あるいはもっと適切な比喩は、ロシア自身が生み出したカラシニコフ自動小銃だろう。ローテクで安価だが、まず壊れない。
従って制裁を受けてもロシア経済のダメージは限定的である。その一方で、成長率を高めようと思うならば改革が必要であるが、それはプーチンの経済の掌握力を弱めることになる反面、成長率が劇的に上昇することは望めない。そうした経済のシナリオを比較衡量すると、プーチンにとっては西側と対立して高い支持率を得るのが得策ということになる、というのがフォックスの結論である。
ちなみに下図が示すように、プーチンが政権に就く前は8年中7年がマイナス成長だったが、就任後は15年中14年がプラス成長だった、とフォックスは指摘している。
このプラス成長は別にプーチンのお蔭ではなく、その前のエリツィン時代の改革の成果だという*1。プーチンは最初の二年ほどはそれまでの経済改革を継続したものの、その後は改革を巻き戻し、友人を助け敵を罰したとの由。しかしロシアが輸出する原油や天然ガスの価格上昇によって所得上昇は続き、所得上昇が続いている間は大部分の国民はそれがどのように達成されたかは気にしなかった、とフォックスは言う。大不況後はその所得上昇の勢いもかなり鈍ったが、前述の通り以前の勢いを取り戻すのはかなり難しい。となれば今のプーチンの選択もそれなりに合理的、というのがフォックスの見立てである。
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