日本ハム・大谷翔平が3日のソフトバンク戦でレギュラーシーズンでは日本人投手最速タイとなる161キロをマークしながら敗戦投手となった。これほどのスピードがありながら、なぜバットに当たるのか。不思議なことではある。
■161キロなら0.38秒でホームベース通過
ピッチャーマウンドのプレートからホームベースまでは18.44メートル。そこから大谷がおおよそ1.44メートル踏み出して投げたと仮定すると、単純計算で0.38秒でボールがホームベースを通過することになる。
人間の目は「光」を通して「見える」という仕組みになっているのだが、見えるまでには時間がかかる。光から映像を取り入れ、フォーカス(焦点)が合うまで約0.1秒かかるといわれている。
筋肉は脳からの微弱な電気信号によって動く。つまり、手や足などの筋肉はすべて、脳からの命令によって動くのだが、それにも時間がかかり、筋肉が動くまでにトップアスリートで約0.1秒かかるのだ。
ちなみに、これらの能力は年齢を追うごとに低下し、焦点を合わせたり、筋肉を動かすといった脳からの伝達スピードにも影響を与える。プロの打者が衰えるということは体力や気力の衰えよりこうした能力の衰えが多いのだが、残念なことに30~40歳代ではこうした能力の衰えに自覚症状がほとんどなく、衰えたと気づく選手は少ない。
140キロの速球でも0.1秒で約3.8メートルもボールが動き、0.01秒でも38センチ動くわけで、わずかな衰えがバットコントロールに影響を与えるのは当然といえる。
■160キロ投げても敗戦投手の不思議
話を戻すと、160キロを超える速球に対しては「見える」までの時間と「打て」と脳が信号を送る時間だけでも0.2秒かかってしまい、その瞬間にはすでに、ボールは投手→捕手間を半分以上過ぎていることになる。
その条件で打者は「内角・外角」「高め・低め」「ストライク・ボール」「打つ・打たない」という判断をするわけで、そこに残されたわずかな時間を考えると、いかに160キロの速球を打つということが至難の業かわかってもらえるだろう。
そんな球がなぜ簡単にバットに当たるのか、不思議に思う人は多いと思う。3日の大谷は7回を投げて9安打、2失点。金子圭輔、今宮健太に適時打を喫し、10勝を前に足踏みとなった。
7回2失点ということは、先発投手の責任を果たしたことになるが、150キロ台後半から160キロの球を連発しながらバットに当てられ、その上敗戦投手になることを不思議に思う人も多いはずだ。
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