ヘイトスピーチ:大阪の女性が提訴…「歯止めにしたい」
毎日新聞 2014年08月18日 21時42分(最終更新 08月18日 23時40分)
インターネット上の人種差別的なヘイトスピーチで、名誉を傷付けられたとして、在日朝鮮人のフリーライター、李信恵(リ・シネ)さん(43)=東大阪市=が18日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と桜井誠・同会会長、インターネットサイト「保守速報」の運営者に損害賠償を求める2件の訴訟を大阪地裁に起こした。李さんは大阪市北区で記者会見を開き「ネットや路上でのヘイトスピーチの歯止めにしたい」と述べた。
訴状などによると、李さんはネットニュース上でヘイトスピーチについて批判的な視点から記事を執筆。桜井会長らから昨年1月〜今年7月、動画配信サイトやツイッターなどで「朝鮮人のババア」などと差別発言を繰り返され、保守速報には「はよ出て行けよババア」などとする匿名発言をまとめて掲載されたと主張している。
在特会と桜井会長に550万円、保守速報の運営者に2200万円を請求。在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチを巡り、個人で損害賠償を求めるのは初めてとみられる。
李さんは「子供や女性など弱い立場の人ほど人種差別的な言動による攻撃対象になりやすい。心に落書きをされたような気分になり、傷付く」と話した。
一方、桜井会長は「自らの言論を振り返った方がいい。(李さんが書いた)ネット上のでたらめな記事について反訴を予定している」とコメントした。【松井豊、後藤由耶】