血液内科医として、輸血の必要性は誰よりも知っていますので思わず憤り、反論のツイッターなどをおこないました。
こんな風にだまされてそれを広めようとする人間が出てくる。それが議員だから大変。
船瀬俊介氏と内海聡氏を信じるのは仕方ないが、自分の母親を助けてくれた輸血を否定して欲しくない。
『放射線照射した血を輸血しているという現実』 http://t.co/ijLrunWo6Q
— 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2014, 8月 13
他のブログ記事を読んでも思い込みの激しい方のようですが、残念ながら彼を洗脳している人達がいます。
今回の輸血危険思想を彼に信じ込ませた方々は、講演、書籍等を出されている船瀬俊介氏、そして内海聡医師という方々です。
特に内海医師は以前牛久で活動されていましたが、今は東京で精神疾患に向精神薬はいらないというスタンスで断薬治療を自由診療でおこなっている方です。自分のHNをキチガイ医とし、陰謀ひしめく医療界とは異なる真の医師と称しています。
まあ私も過激な方ですが、彼の行動はよくわかりません。彼のFBや彼の動画等をみる機会がたまにあるのですが、千島学説?(血液は小腸で作られる?)、ホメオパシー?(例のレメディーで自然治癒力)など普通の医師であればなにそれといったことを、一般の人に信じ込ませる話術と、都合のいいデータだけを提示する能力が確かにあります。
また近藤誠さん(「医者に殺されない47の心得」 患者さんの読み物としては面白い)のほうが正しい内容は多いのですが、ほんの一部に正しいと思えることを入れているため一般の人はだまされてしまいます。
まあ、医師や製薬会社が自分たちが儲けるためにわざと患者を作り、本来ならいらない薬を投薬しているとか、輸血をしてわざと患者を病気にしているとか、そういう陰謀論のほうが一般の人は喜ぶんですよね。
私たち血液内科医は輸血を常時おこなっています。しかし必要最低量に限り、可能な限り避けようという努力をしています。副作用も承知の上、主作用が副作用を超える時にはじめて輸血をおこないます。
白血病の方でエホバの証人のかたがいました。治療中輸血ができないため今にも心臓が止まりそうになり、寝たきりの状態になりましたが、ぎりぎり輸血なしの治療で助けることができました。(最低のHbは2台という正常の7分の1でした)幸運でした。
でも別のエホバの方は輸血ができなかったおかげで(Hb4台と正常の3.5分の1)命を落としました。当然この方にもリンゲルは投与していましたが助けることはできませんでした。宗教とはいえとても残念でした。
内海先生は多分輸血をしなければ命を落とすような患者さんを多分お持ちになったことがないんでしょう。そして犬の記述をはじめとして昔の記述を根拠にしていますので、今の医療を勉強されていないのでしょう。そして一部が正しければ全てあてはまるという、この議員さんと同じように思い込みの激しい人なのでしょう。
そんなとんでもない勉強不足の医師がいることが、そして一部が正しいと言って好き勝手に誤った医療知識を自由に一般の人に広めていることが現在の医療界の問題なのです。
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