M09:艦隊封殺
ブリーフィング
これよりコルベルト港に奇襲をかけ、停泊するプリチャブスキ艦隊を湾内にて撃沈する。
これはヤーハンに司令部が移されて以来、もっとも大規模で、かつ重要な航空作戦である。
作戦時間も長く作戦途中での補給も必要になるだろう。 だが全機、粉骨砕身して任務を全うし、そして無事帰還せよ。
2009年9月7日 記録
補給が途絶えたことによりプリチャブスキ艦隊はコルベルト軍港に足止めとなった。これで無敵艦隊といわれたプリチャブスキ艦隊に対しての殲滅作戦を実行できるが相手はプリチャブスキ艦隊だ。
近代化改修が施された戦艦‘‘グラニート”を中心に2隻のアドミラル・クズネツォフ級空母‘‘アドミラル・クズネツォフ、ウラジーミル・レーニン”。
アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート艦‘‘アドミラル・ゴルシコフ、ルーブル”の2隻。
スラヴァ級ミサイル巡洋艦‘‘マーシャル・ウスチーノフ、ヴァリャーク、アドミラル・フロタ・ロボフ”の3隻。
ソヴレメンヌイ級駆逐艦‘‘アドミラル・ウシャコフ、ナストイチブイ、ベスポコイヌイ、ベズボヤズネンヌイ、ビストリイ”の5隻。
ステレグシュチイ級コルベット艦‘‘ステレグシュチイ、グロームキー、ストイキー、ボイキ、ソーブラジテルヌ、ソヴエルシェンヌイ”の7隻。
ミストラル級強襲揚陸艦‘‘ミストラル、ヴァシリ・ザイツェフ”の2隻。
ヴォルギン級戦車揚陸艦‘‘ルクセルト・ヴォルギン”。
キロ級潜水艦‘‘モゴチェイ、クラスノカメンスク、リペツク、マグネト・ゴルスク、シヴァティテル・ニコライ・チュドットヴォーレッツ”の5隻。
ボリス・チリキン級補給艦‘‘ボリス・チリキン、イワン・ヴァルノフ、セルゲイ・オスポブ”の3隻。
合計で31隻もの世界で最も強大な艦隊だ。だがこの無敵艦隊を封殺しない限りは連合軍に勝利はなく、いずれは必ず相手をしなければならない艦隊だ。
連合軍総司令部は今回の作戦で出撃する航空機の3割は失うことを覚悟し、大規模攻撃部隊をコルベルト軍港に差し向けた。
「マーリンから作戦参加の全連合軍機へ‼︎全てのターゲットへの攻撃を許可する‼︎無敵といわれたプリチャブスキ艦隊を沈めろ‼︎幸運を祈る‼︎」
「ランスロットからラウンズ隊各機‼︎俺達は空母を仕留めるぞ‼︎」
「メビウス隊はコルベルト湾内の停泊艦に仕掛ける‼︎後に続け‼︎」
「俺達テーブル隊は造船設備に爆撃する‼︎目標は潜水艦隊‼︎」
「ニューコルベルト湾にいる駆逐艦隊は任せろ‼︎ウォーウルフ隊‼︎いくぞ‼︎」
ラウンズ、テーブル、メビウス、ウォーウルフ達も戦闘速度に加速して低空より攻撃を仕掛ける。
ラウンズ隊は出港している空母打撃群に目標を定め、ランスロットのF-35CJも空母と旗艦を護っているアドミラル・ゴルシコフ級フリゲート艦‘‘アドミラル・ゴルシコフ”にレーザー照射してJSMを発射。
むろんアドミラル・ゴルシコフも近接防空システムにて迎撃するが間に合わず、船体側面に直撃して黒煙を吐き出しながら傾き始めた。
「フリゲート艦アドミラル・ゴルシコフ撃沈‼︎」
「ランスロット‼︎空母より敵機が発艦中‼︎迎撃に回ります‼︎」
「フランカー撃墜‼︎」
「目標ロック‼︎FOX3‼︎」
「フランカーが発進中‼︎やらせないわよ‼︎」
ランスロットを筆頭に空母打撃群に対して攻撃を続けるラウンズ隊。一方でニューコルベルト湾へと向かったウォーウルフ隊のF/A-22A Block35もドッグファイトて対艦戦闘の両方をこなしながら敵を仕留めていく。
「ミストラル級強襲揚陸艦‘‘ミストラル”に直撃‼︎沈んでいくぞ‼︎」
「ウォーウルフ2‼︎背後に敵機‼︎」
「下ばかりに気をとられるな‼︎上からも来てる‼︎」
「了解‼︎先に戦闘機を片づける‼︎」
ミストラル級を撃沈してからも次々と敵艦を撃沈していくウォーウルフ隊。
造船設備にでも得意のスツーカアタックで急降下爆撃で停泊中の潜水艦隊に猛攻を仕掛けるのはテーブル隊のF/A-14Eだ。
「潜水艦をドックから逃がすな‼︎確実に仕留めろ‼︎」
「目標捕捉‼︎ペイブウェイ投下‼︎」
「左側からの対空がウザいわ‼︎纏めて叩く‼︎」
「ガラハットからガレス‼︎敵潜水艦轟沈‼︎やったぞ‼︎」
「味方A-10部隊が苦戦してる‼︎援護に向かう‼︎」
「敵ガンタワー崩落‼︎潜水艦を巻き込んだ‼︎」
コルベルト湾内にてもメビウス隊がコルベットに対して味方部隊と共に仕掛ける。
「こちらメビウス1‼︎コルベット艦ボイキ撃沈‼︎」
「メビウス3気を付けろ‼︎船尾のSAMがまだ生きてるぞ‼︎」
「この野郎‼︎黙ってやられろ‼︎」
「味方のF-16が撃墜された‼︎対空砲を黙らせる‼︎」
F/A-22A Block35の機動性を駆使しつつ味方を援護しながらコルベットを次々と撃沈していくメビウス隊。
各地で被害を出しつつも確実に敵艦を撃沈していき、攻撃を受けているプリチャブスキ艦隊将兵は混乱状態に陥っていた。
<上空敵機多数‼︎上空敵機多数‼︎>
<艦尾に浸水‼︎駄目だ‼︎沈むぞ‼︎>
<総員退避‼︎海に飛び込め‼︎>
<右舷に被弾‼︎クソッタレ⁉︎船体が傾く‼︎>
<ミサイル⁉︎よけられません⁉︎命中します‼︎>
次々と海の藻屑となっていく敵艦隊。そして遂に2隻目の空母が撃沈されて残ったのは敵旗艦の戦艦‘‘グラニート”のみとなった。
「よし‼︎残りはあの戦艦だけだ‼︎」
「グラニートか……60年以上現役の立派な戦艦なんだが…仕方ない‼︎俺が沈める‼︎」
歴戦の猛者でルーチェ海軍を見守り続けたグラニートを沈めるのを少し躊躇うが覚悟を決めたランスロットは旋回して一気に加速。そのまま正面から仕掛ける。
グラニートもランスロットを阻止するべく全ての砲で阻止しようとするが最低限の動きで全て回避する。
<くそっ⁉︎なんで当たらない⁉︎>
<落とせ‼︎落とすんだ‼︎>
<幻か……奴が死神に見える……>
<……黒い死神が……>
無線で聞こえる恐怖。だがランスロットは構わずJSMを発射し、それは艦橋に命中した。
そしてランスロットがグラニートを通過して旋回しながら確認すると無線から聞こえて来た。
<こちらは艦長のナルヴィク・イザラーキンだ。最後の命令を下達する……直ちに退艦せよ。私はいい>
艦長からの艦内放送で退艦命令が発せられ、艦長は沈むグラニートと共にするようだが、ランスロット達は内容に耳を傾ける。
<我々の時代は……もう終わってしまったのかもしれないな……お前もよく頑張った………ゆっくり休んでくれ…グラニート>
ランスロットも艦橋に視線を送るとナルヴィク・イザラーキンと思える敵将官がランスロットに敬礼をしているように見え、ランスロットもそれに敬礼で返す。
そして脱出艇とゴムボートが海に出て行く中、マーリンより通信が入った。
「こちらマーリン‼︎無敵艦隊は海に沈んだ‼︎作戦終了、全機帰還せよ‼︎」
無線から聞こえる仲間達の勝鬨。ランスロットも沈んでいくグラニートを見守りながら帰還するのであった……………。
デブリーフィング
不沈艦隊と呼ばれたプリチャブスキ艦隊が壊滅し、海軍の総戦力の6割を失ったルーチェ軍はヤーハンへの侵攻作戦の無期限延期を決定した。
戦局は依然絶対不利な状況にあるものの、久しぶりの大きな勝利にわが軍の士気は高まっている。
また、作戦司令部より俺達に戦力増強が認められた。新しい仲間が来るから歓迎してやれ。
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