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Knight of the Sky 円卓の騎士物語 作者:ウルヴァリン

M04:アクーラ

ブリーフィング

連合軍の補給網攻撃によりルーチェ軍は補給不足になりつつある。
これを好機と睨んだ連合軍上層部はアーカーシャ山脈を中心としたルーチェ軍絶対防衛戦略空域エリアBM21‘‘グラート”に対して大規模航空作戦が開始される。
俺達アヴァロンにも出撃要請があり、報酬は撃墜した敵機の数と種類に応じて支払うとのことだ。
敵もかなりの数を投入しているようだが、メインコースの航空機ビュッフェを楽しんで来い。

以上だ。
2009年7月19日 記録

国連軍によるルーチェ軍補給網への攻撃は順調だった。頃合いと判断した総司令部は空軍総戦力の40%を敵主要地点であるアーカーシャ山脈へ差し向けた。
だがルーチェ空軍も大量の戦闘機を差し向けて交戦の構えを見せる。

ここに‘‘アーカーシャ山脈突破作戦”が開始され、アヴァロン社もラウンズ隊とテーブル隊の戦力全てを投入して作戦に参加した。

「こちらランスロット。作戦空域に到着した。戦況を頼む」
「現在アーカーシャ山脈を中心に派手な空中戦が展開している。敵への攻撃は各自の判断に任せる」
「こちらガレス。聞いたな野郎共‼︎敵戦闘機の食い放題だ‼︎たらふく食って報酬を頂くぞ‼︎」
「ランスロットからラウンズ隊。花火の中に突っ込むぞ」

ガレスとランスロットがそれぞれ指揮をすると機体を降下させて一気に交戦空域へと入る。

<グリフィス4より1。また空賊野郎です>
<気にするな。どうせそのうち落とされる。気にせず編隊を乱さず仕事だ>

作戦地域にはグリフィス隊もいるようだがランスロット達は気にせず敵に食らいつく。

「こちらランスロット。敵フランカーを撃墜。次に移る」
<こちらグレイグ空軍第1師団所属‘‘メビウス隊”所属のメビウス1だ。あんたが噂の騎士団だな?>
「あぁ」
<第502飛行隊の連中から聞いている。頼りにしているぞ>

無線からメビウス1と名乗るパイロットは近くにて飛行しているF-35AライトニングⅡに搭乗しているようだ。
その実力はかなり高いようであり、フランカーとフルクラムを次々と撃墜していく。

「期待に応えるとしようメビウス1」
「注意。敵の増援を確認。フランカーが3機だ」
「こちらガヴェイン‼︎フルクラム撃破‼︎次だ‼︎」
「ルーカンからグリフレット‼︎チェックシックス‼︎」
「うおっ⁉︎いつの間に⁉︎」
「ユーウェインからマーリン‼︎フランカー2機目撃墜‼︎まだまだ行くぜ‼︎」
「トリスタンからパーシヴァル‼︎援護頼む‼︎」
「任せろ親友‼︎」

ランスロットを中心に次々と敵機を撃墜していき、メビウス1のライトニングⅡとセイバーのスーパーイーグルも次々と敵機を撃墜していく。
加えて他の連合軍機も被害を出しつつも奮戦し、やがて戦局は連合軍に傾いていた。

「こちらマーリン。敵の脅威レベルが4から2に低下」
「こちらガレス‼︎このまま一気に畳み掛けてやるぞ‼︎」
<こちらメビウス1。敵の様子がおかしい………急に下がり始めた>
「マーリン、なにか分かるか?」
「少し待て………当空域に高速接近してくる物体を確認………巡行ミサイル多数‼︎全機ブレイク‼︎ブレイク‼︎」

マーリンの言葉に反応してラウンズ隊、テーブル隊、メビウス隊、そして離れた場所を飛行していたグリフィス隊は直感で高度を下げる。
その直後、空域に無数の花火が開いた。

<なんだ⁉︎>
<主翼がやられた⁉︎脱出する‼︎>
<こちらグリフィス4‼︎脱出レバーが反応しない‼︎だ……だれか助け………>

巡行ミサイルが空域で爆発し、それに巻き込まれたグリフィス4と反応が遅れた連合軍機が次々と撃墜されていった。

「なんだ⁉︎なにが起きた⁉︎」
「連合軍機の30%が今の攻撃で喪失した‼︎………くそ⁉︎敵の増援を確認‼︎かなりの数だ‼︎」

ランスロットはその方角を見るとフランカーやフルクラム、更にはフォックスハウンドやフィッシュベッドの団体がこちらに向かっていた。

特にその中で気になる編隊を確認した。
1機のSu-37と2機のSu-35とMiG-35、MiG-25BM。
全ての機体が黒と灰色の迷彩に主翼が赤色に塗装され、先頭を飛行するSu-37ターミネーターにはシャークマウスが描かれていた。

「あれは………まさか⁉︎」
<全機へ‼︎敵にまずい奴等がいる‼︎>
<あれはまさか………灰色鮫か⁉︎>
<アクーラ13よりアクーラ04。左側の3機から始末するぞ>
<こちらヴァストーク……アクーラ04。大佐に続きます>
<他の機体は各個の判断で攻撃しろ>
<こちらアクーラ22。ホーネットと妙なトムキャットを狙います。アクーラ30、行くぞ>
<了解だ>
<アクーラ17はライトニングⅡを狙います>
<こちらアクーラ07。電子支援開始。マンキラーシャークアタック可能です>

先頭を飛行していたターミネーターとSu-35スーパーフランカーの2機は手負い状態のグリフィス隊へと向かい、残りの4機は俺達とメビウス1へと向かって来た。

<なっ⁉︎なんだこいつ⁉︎>
<ミサイル発射>
<ミサイルアラート⁉︎間に合わな……>
<グリフィス2ダウン⁉︎………>
<た………隊長⁉︎……うぁああああっ⁉︎>

信じられないようだ。手負いとはいえ連合軍のエースであるグリフィス隊が一発も反撃出来ないまま一方的に撃墜され、グリフィス隊が全滅した。

「マーリンから生き残った連合軍機‼︎作戦本部より作戦中止が打電‼︎交戦せず全力で南に退避せよ‼︎繰り返す‼︎南に退避せよ‼︎」
「撤退⁉︎」
<メビウス1から全機‼︎直ちに離脱する‼︎ついて来い‼︎こいつらにやられるぞ‼︎>
「ランスロットからラウンズ隊及びテーブル隊‼︎残ったミサイルを発射して全力で撤退だ‼︎」
「こちらガレス‼︎早いとこ逃げるぞ‼︎」

マーリンからの撤退命令を受けて生き残ったランスロット達は交戦しないで全力で撤退する。その間にも味方が何機か撃墜されていくが幸いにもラウンズ隊とテーブル隊は無事に撤退。メビウス隊も5機の内の1機をやられたが離脱に成功した。

謎の攻撃に加えて敵エース部隊の反撃により参加した機体の7割が撃墜。グリフィス隊も全滅して第1次アーカーシャ山脈突破作戦は失敗に終わった。
この敗北で連合軍は再び窮地に立たされることとなる……………。

デブリーフィング

よく帰って来た。今回の失敗で連合軍機の3割が敵の最精鋭と名高いグレイフアクーラ隊に加えて新型炸裂巡行ミサイルにより損失し、一応はエース部隊だったグリフィス隊全滅もあって連合軍の士気はガタ落ちだ。
お前達は生き残ったメビウス隊と共に空中給油の後にヤーハンへと向かえ。こちらも例のミサイルについて洗って見る。
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