M02:喉元の刃
ミッションブリーフィング
先の迎撃はご苦労だった。クライアントは喜んでいるがまたお前達に依頼だ。
エクライクスフ空軍基地は敵の前線空軍基地であり、ヤーハン軍にとって喉元に突きつけられた短剣だ。
現在ルーチェ軍の大規模な爆撃機編隊が、この飛行場へ集結している。再びヤーハンへの爆撃を実行する腹づもりだろうがそうはいかん。
ヤーハン政府の依頼はエクライクスフ空軍基地を攻撃し駐機中の爆撃機を全機破壊。
なお、今回の作戦からガルフ率いるテーブル隊の3人組が参加する。互いに連携して稼いでこい。
以上だ。
2009年6月7日記録
ヤーハンへの爆撃に失敗したルーチェ軍は奴等の最東端に位置するエクライクスフ空軍基地へと撤退したが連合軍も好機を見逃すつもりはない。
ヤーハン空軍の依頼で空軍基地に対して爆撃を実行する為、昨夜到着した第2チームの‘‘テーブル”と一定高度を飛行していた。
<こちらサウザンドアイ。エクライクスフ空軍基地まで約30マイルだ。そのまま低高度を維持して敵基地に接近し、昼寝中の爆撃機を一網打尽にしてやれ>
「こちらランスロット、了解だ」
<サウザンドアイからテーブル隊リーダー>
「こちらテーブル1。コールサインはガレス」
<テーブル隊はラウンズ隊による対空砲破壊後に突入。敵爆撃機及び施設を爆撃せよ>
「了解だ。ガレスからランスロットへ。遅れた分はしっかりと利子付けて返すから返せるようにハエ叩きを叩き返してやってくれ」
「任せろガレス」
ランスロットとガヴェインのF/A-18Eの後方にいるアヴァロン社が独自に改良を施した可変翼戦闘攻撃機のF/A-14E Block130‘‘ストライクキャット”が15km後方から速度を保ちつつ飛行する。
搭乗しているのはアヴァロン社の二つある飛行隊の一つを指揮するコールサイン‘‘ガレス”と副官の‘‘ベディヴィア”。
問題なく飛行を続けていると基地がある方角げ騒がしくなり、無線も慌ただしくなった。
<こちらエクライクスフ基地‼︎敵機が接近中‼︎スクランブル‼︎これは演習ではない‼︎
繰り返す‼︎これは演習ではない‼︎戦闘機は直ちにに迎撃せよ‼︎
フラーブルイ5‼︎ランウェイ5へのタキシングを許可する‼︎滑走路に入り次第、離陸しろ‼︎>
「敵の迎撃機が離陸しようとしてるか……ガヴェイン‼︎アフターバーナーを点火して距離を詰めるぞ‼︎」
「了解した‼︎迎撃機に上がられると厄介だからな‼︎さっさと破壊するとしようか‼︎」
「サウザンドアイ‼︎引き続き情報支援を求む‼︎」
<こちらでも特定した。離陸しようとしてる機体はMiG-25フォックスバット要撃機と断定。あまり時間はないが急げば間に合う>
「了解だ。ガレス先に行くぞ。ガヴェインついてこい‼︎」
「よっしゃ‼︎騎馬隊のお出ましだ‼︎」
敵要撃機が離陸しようとしてる。それを聞いたランスロットとガヴェインはアフターバーナーを点火させて一気に敵空軍基地へと距離を詰める。
今回の2人の機体にはAIM-9Lサイドワインダーの他にMk84 450kg級無誘導自由落下型爆弾を10発装備して、敵が装備している対空砲やSAM、更には戦闘機を地上撃破するようになっている。
「野郎‼︎離陸するぞ‼︎」
「させるか‼︎目標捕捉‼︎爆弾投下‼︎」
「こちらガヴェイン‼︎爆弾投下‼︎」
攻撃目標のMiG-25を捕捉し、それぞれ爆弾を一発ずつ投下。敵機上空をすれ違うと同時に弾着し、タキシングしようとしていたMiG-25を吹き飛ばし、破片は近くにあった車両を巻き込んだ。
「ランスロットからガヴェイン‼︎散開して対空火器を破壊するぞ‼︎」
「ガヴェイン了解‼︎」
2人は散開して各個対空火器の破壊を始める。恐らくは短距離地対空ミサイルの9K33オサーとZSU-23-4シルカが中心だろうが、一撃離脱を駆使して敵を翻弄し、迎撃を逆に返り討ちにして破壊する。
地上から敵兵士もAK-74MやRPG-22で射撃を加えてくるがそれは無視し、負傷した敵兵を救助する敵兵も見えるが見逃す。
やがてランスロットが最後のZSU-23-4を破壊するとサウザンドアイから通信が入った。
<こちらサウザンドアイ。全ての対空火器の破壊を確認>
「こちらは品切れだ。これより上空警戒にあたる」
<了解した。またせたなテーブル隊。最後の総仕上げをしてくれ>
「待ってました‼︎」
「こちらガルフ‼︎これよりTu-95を破壊する‼︎さぁ行くぞ野郎共‼︎‘‘スツーカアタック”を仕掛けるぞ‼︎」
「ベディヴィア了解‼︎」
「ルーカン了解‼︎いっちょ派手にやってやるわよ‼︎」
高度をあげていたF/A-14Eが高度5,000ftより機体を大きく下降させ、アフターバーナーを吹かしながらそれぞれTu-95目掛けて急降下をしていく。
<爆撃機‼︎急いでタキシングを開始しろ‼︎固まっているとやられるぞ‼︎>
<敵が来るぞ‼︎総員退避‼︎>
<あきらめるな‼︎最後まで努力しろ‼︎>
<爆撃機発進を急げ‼︎>
<味方の戦闘機はどこいった⁉︎>
地上では混乱している敵兵がいるが、F/A-14Eは残った爆撃機や格納庫に全てのMk84を投下し、同時に機体を起こして上昇をする。
「こちらガルフ‼︎目標破壊‼︎」
「熊狩り完了だ‼︎楽勝‼︎」
「格納庫に命中‼︎誘爆を起こしてるわ‼︎」
F/A-14Eが投下したMk84はしっかりと目標に命中し、格納庫に備蓄してあったであろう燃料か何かが派手に誘爆して黒煙を発生させている。
<こちらエクライクスフ⁉︎爆撃機は全滅‼︎繰り返す⁉︎爆撃機は全滅‼︎>
「サウザンドアイへ、こちらランスロット。任務完了、帰還する」
<全ての爆撃機の沈黙を確認。よくやってくれた。上には報酬の上乗せを申告しておこう。心から感謝するぞ‘‘湖”>
サウザンドアイから感謝の言葉を貰い、騎士団は基地へと帰還する……………。
デブリーフィング
攻撃は成功し、敵は多数の爆撃機を失った。 ヤーハンへの本格的な空爆は阻止された。
今回の報酬はクライアントが奮発してくれ、試作品の資材も提供してくれた。大儲けだよ。
さて……ヤーハン政府との契約は満了だ。俺達は補給と整備と休息で本社に戻るとしよう。思いっきり羽を伸ばしてこい。
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