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粘着質な性格が実を結ぶ

やり続けたことで手にした脚本賞

オリジナル脚本「忍ぶの城」で脚本界の新人登竜門「城戸賞」を受賞。それは和田さんが業界紙記者へ転職してから5年目、33歳の時だった。

そして受賞を機に、あるプロデューサーから映画化の話が持ち込まれる。しかし製作は資金不足などもあって難航。「それで、その人がせっかくだからこの脚本を小説にしたらどうかと。そこで書いたのが『のぼうの城』でした」

小説は初めてだったが、史実が詳しく表記できて、登場人物の心理描写も丁寧に表現できる。「場面を演出して、より完璧に自分の考えに近づけていけるという面白さがあり、書き上げた時の満足度は高かった」

「のぼうの城」は大ベストセラーとなり、長年の夢だった映画化も実現する。「好きなものには粘着質な性格。それが功を奏し、小説家という道につながったのだと思います」

ただ、続けていれば、必ずいいことがあるなどと言う気はない。「好きなら『めげずに頑張ること』が大切ですが、つまらないと思う度合いが8割に達したらやめる決断をしてもいい。変に人生をドラマチックに考えず、そこは冷静に自分を見据えて決断した方が結果的に自分らしい道につながると、経験から実感しています」

誰もが面白いと思う作品を一生書き続ける

和田さんは、自然に戦国時代の合戦に関心が向かうという。「当時の武将は強ければ人をあやめることもよしとされ、何でもアリ。そんな時代に生きる者の奇妙さや痛快さを描きたいので、題材も面白い合戦を探すところから始めます」

今とは百八十度違う価値観を知ることが、現代を生きる人たちの心の支えになることも多いと和田さんは考える。「僕らが悩んでいることも時代が違えば、全く悩む必要のないことかもしれない。そんなことをこの時代の人たちの生き方を通して感じてほしいので、あえて戦国にこだわって書き続けたいと思っています」

人気作家の多くは複数の作品を掛け持ちして書いているが、和田さんは「性格的にそれは無理」なので一つの作品に集中するスタイルを貫く。

「たくさん出しても『面白くない』と一度でも思われたらもう次はない。『あの人は数年に1回しか出さないけれど、絶対に面白いから待ってでも読みたい』と思ってもらえる作家でありたい。そのためにも史実は徹底的に調べて、物語を練りに練るやり方は変えたくありません」

不器用だから人一倍の努力が必要だと肝に銘じている。手を抜かず、地道さを大切にして。和田さんは現在、充電期間中。気が済むまで休んだら次回作へと歩み始める予定だ 。


現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

小学生の頃、医者か数学者になりたいと思っていました。頑張ってなれたかどうかは分からないですが(笑)。

人生に影響を与えた本は何ですか?

「竜馬がゆく」(司馬遼太郎著)です。自分の名前の由来ということで大学時代に読んだのですが、大いに魅せられ、歴史小説の面白さに目覚めました。また、中学時代に読んだ星新一さんの小説からは、物事を考えるセンスみたいな部分ですごく影響を受けています。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

勝負腹筋。原稿を書く前、気を引き締めるために腹筋をしています。といっても50回くらいですが(笑)。


INFORMATION

2014年本屋大賞受賞!
和田竜さん著書「村上海賊の娘」100万部突破!

戦国時代、織田信長に兵糧攻めにされた大坂本願寺から援助を頼まれた毛利家は、海賊王と呼ばれる村上武吉に海路からの助けを求めた。それを機に起こった「木津川口の戦い」と呼ばれる村上水軍と泉州侍勢の難波海(大阪湾)でのバトルを描いた一大巨編。合戦に加わった武吉の娘・景(きょう)を中心に、戦国に生きた人間がみずみずしく描かれている。特に海賊たちが軽口をたたき合いながら、命を懸けて戦う合戦シーンは圧巻。読み終わるのが惜しいくらい面白さに満ちた歴史小説だ。
定価:1,600円(上下巻とも/税別)
版元:新潮社


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