福知山浸水2451戸、再建支援法適用 京都府北部豪雨
京都府福知山市の市街地が広範囲に浸水した府北部の豪雨災害で、福知山市は18日、家屋の浸水被害が床上1155戸、床下1296戸の計2451戸に上ると発表した。内閣府と京都府は同日、福知山市に被災者生活再建支援法の適用を決めた。府内の適用は昨年9月の台風18号以来で、全壊世帯などの生活再建に支援金が支給される。府は過去の災害で床上浸水など同法対象外の世帯のほか同法が適用されなかった自治体にも独自の支援をしており、今回の豪雨でも検討する。
府は18日現在、豪雨による建物被害で福知山市2戸の全半壊、綾部市2戸の一部損壊、綾部市34戸の床上・床下浸水などが確認されたと明らかにした。被害は確認中で増える可能性がある。
福知山市は庁内各部の職員14人で「大雨災害特別対策チーム」を発足させた。19日から市民の要望や相談を市役所1階で受け付け、迅速な対応に生かす。市災害対策本部会議で、松山正治市長は「昨年の台風18号災害の経験を生かしてスピード感ある対策を進める」と説明した。
市が把握した18日時点の被災状況は、農業関係で下川口、庵我、西中筋、修斉地区や大江町の田畑680ヘクタールが冠水、稲や黒大豆、小豆が被害に遭った。養鶏場1カ所が土砂に埋まり約1万8千羽が死んだ。ため池や農道、水路など40カ所でも崩落や損壊が生じた。市公設地方卸売市場は1メートルの浸水があり、20日の再開を目指して復旧作業を進める。
避難勧告の解除後も、自宅の水没などで、8カ所の避難所に26世帯59人(18日午後4時現在)が身を寄せる。避難生活の長期化も見込まれ、市は健康対策に取り組む。浸水地域の消毒や住民の健康調査も8月中を目標に進める。市街地の店舗や民家から大量のごみが屋外に積まれている状態で、兵庫県豊岡市などの応援も受け入れ処理を急ぐ。
被災者生活再建支援法は、住宅が全壊した世帯に100万円、大規模半壊した世帯に50万円の基礎支援金が支給されるほか、住宅建設・購入に200万円、補修では100万円の加算支援金も受けられる。被害認定など手続きは市が行い、床上浸水も対象に入る場合がある。
【 2014年08月18日 23時59分 】