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 札幌市議会の金子快之(やすゆき)議員(43)が、自身のツイッターで「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね」「利権を行使しまくっているこの不合理」と書き込んだ。アイヌ民族による公益社団法人「北海道アイヌ協会」の加藤忠理事長は「アイヌは差別によって貧困の中に置かれてきたのに、非常に狭い見方だと思う」と批判している。

 金子氏が書き込んだのは11日。自身のホームページでも、アイヌ民族の認定の仕組みは客観性に乏しく、同協会を「利権の代表」と批判。18日の朝日新聞の取材に対しても「アイヌであることを客観的に証明するすべはない。根拠の不明確なものに公的な補助をすることには反対だ」と述べ、発言は撤回しない考えを明らかにした。

 アイヌ民族をめぐっては、2008年に衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択され、政府が先住民族と認定。明治以来の北海道開拓史のなかで貧困と差別を強いられたことから、道や道内市町村は住宅資金の貸付制度や奨学金制度を設けている。これらの事業では、同協会が対象者の推薦などをしている。加藤理事長は「アイヌと認定する際には先祖の戸籍の確認などをしており、根拠はある」と反論している。

 金子市議は千葉県出身。テレビ局社員などを経て、11年市議選でみんなの党から初当選。現在は自民党会派に所属している。(山吉健太郎)