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邦人拘束の情報 「イスラム国」とは
8月18日 19時28分

邦人拘束の情報 「イスラム国」とは
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シリア北部のアレッポ郊外で、日本人とみられる男性がイスラム過激派組織「イスラム国」に拘束されたとする映像がインターネットに掲載されました。イスラム国は、中東のシリアとイラクにまたがる広い範囲で活動を活発化させているイスラム教スンニ派の過激派組織です。

イスラム国は、シリアで北部の都市アレッポなどで攻勢を強め東部の油田を支配しているほか、イラクでは、北部にある第2の都市モスルや首都バグダッドの西にあるファルージャなどを制圧しています。
指導者は、数多くのテロに関わったとしてアメリカ政府から指名手配されているイラク人のアブバクル・バグダディ容疑者とされています。
バグダディ容疑者は、アラブ諸国や欧米などから過激な思想を信奉するイスラム教徒を戦闘員として受け入れているほか、武器や活動資金を湾岸の産油国から集めているとみられています。
また、制圧した油田から手に入れた原油を密売して、資金源にしているとも指摘されています。
イスラム国は、インターネットを駆使して各国の若者を勧誘するなど急速に勢力を広げています。
先月、バグダディ容疑者とされる人物がモスルにあるイスラム教の礼拝所に宗教指導者のような姿で現れて説教を行い、服従を訴える様子がインターネットに公開されました。
また、戦闘員が戦っている映像をインターネットに載せているほか、敵対する兵士を殺害して頭部を切断する映像を公開するなど、極めて残虐な手口を見せることで恐怖をあおり、服従を迫っています。その一方で、シリアでは長引く内戦で疲弊した住民に食糧を配って生活を支援する様子をインターネットで公開しているほか、イラクで制圧した都市では住民にガソリンを配給するなど生活を支援しているとも伝えられ、住民から一定の支持を得ているとアピールしています。
イスラム国は、もともとは国際テロ組織アルカイダの流れをくむ「イラクのアルカイダ」という組織で、イラクに拠点を置いてテロを繰り返していましたが、隣国のシリアで内戦が始まるとアサド政権を倒すため、反政府勢力に加勢しようとシリアに侵入しました。
その後、アサド政権の打倒を目指す自由シリア軍や、別のアルカイダ系のイスラム過激派組織「ヌスラ戦線」など、ほかの反政府勢力とも対立して互いに戦闘を繰り返し、シリアの内戦が泥沼化する要因になっています。
現在は、アルカイダ本体から関係を断絶されていますが、今やアルカイダをしのぐ世界最大規模の過激派組織になっています。
去年12月からは再びイラクでの攻勢を強め、北部のモスルを制圧したほか、ことし6月にはシリアとイラクの国境の枠を超え、両国にまたがる地域に「イスラム国家」の樹立を宣言しました。
イスラム国は、アメリカの外交官などが滞在するクルド人自治区の中心都市アルビルにも迫ったため、アメリカが今月、自国民を守るためとして空軍機などによるイスラム国への限定的な空爆に踏み切りました。
さらに異なる宗教を信仰する人々にイスラム教への改宗を迫って迫害し、イラク北部で少数派のヤジディ教徒の住民を殺害していて、多くのヤジディ教徒が山岳地帯に逃れています。
事態を重くみた国連の安全保障理事会は今月15日、イスラム国による人権侵害やテロ行為を阻止するため国際社会があらゆる措置をとることや、活動資金を絶つためにイスラム国の幹部らの資産を凍結し渡航を禁じる制裁を科すなどとする決議を採択しています。

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