毛利光輝
2014年7月28日15時56分
東京・新橋などのランチ激戦区で新タイプのグルメ本が注目されている。その名も「ランチパスポート(ランパス)」。通常千円前後のランチを500円で食べられる特典が付いており、食費を安く抑えたい会社員らに好評だ。新規客を獲得できる飲食店も、本のもうけが入る地元出版社・書店も喜ぶ「三方良し」の地域活性ビジネスだ。
7月上旬の平日正午すぎ。新橋駅前にある雑居ビル地下1階の通路で、スーツ姿などの男女が順番待ちの列をつくっていた。ほとんどの人がランパスを持っている。お目当ては「からあげ処(どころ)彩(カラー)」のランチ、から揚げ定食だ。通常は700円だが、店員にランパスを見せると、500円になる。
「毎回千円ほどかかっていた昼食代が今までの半分になりありがたい」。近くに勤める会社員福田拓真さん(29)は今月初めにランパスを買い、約10店を訪れた。節約になるだけでなく、店の選択肢も増えた。からあげ処もランパスがなければ知らなかった。
同店は古いビルの地下にある12席の店とあって、常連客が占めていた。しかしランパスで変わった。店主の神戸雄生さん(37)は「掲載後、客数は1・5倍に増え、女性も来るようになった」と喜ぶ。
ランパスの新橋・虎ノ門版(東京中日企業)は東京都内で初めて4月に創刊され、対象地域を広げた第2弾が7月1日に発行された。周辺の書店やコンビニで売られ、各約1万2千部がほぼ完売した。
1冊990円(税込み)で100店のランチが紹介されている。5回使えば、割引の総額が本の購入代を上回るのは確実。使える期間は発行から3カ月で、各店3回まで。通常千円以上のランチもあり、うまく使えば、かなりお得にランチが楽しめる。
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!