みなさん、はじめまして!開発戦略部のさとうです。
DeNA内製タイトルや協業開発案件でのリリースマネジメントをしています。
趣味のひとつに夏フェス参戦!があるのですが、来る東京サマソニ2日目、観るのを楽しみにしていたPentatonixとQueen+Adam Lambert、ドリカムときゃりーぱみゅぱみゅのタイムテーブルがもろ被りでとても悩ましい今日この頃です。。
さて今回はiOSアプリリリース前の難関、Appleのアプリケーション審査で残念ながら当社でつまづいた事例を紹介します。
その1:ビルドしたXcodeのバージョンが低かった
2014年8月5日(火)現在、Xcodeのバージョンが5.1.1以下のものはそもそも申請ができません。開発を始めた当初はそうでなかった等で気付かずにひっかかってしまったプロジェクトがありました。
最新の動向は必ずチェックしてくださいね。
Build Your Apps With Xcode 5.1.1
https://developer.apple.com/news/?id=04252014a
その2:info.plistの記載内容が誤っていた
info.plistにはビルドバージョン番号や対象のデバイス等を指定しますが、
・再申請時など更新し忘れて古いバージョン番号のまま記載した
・対象端末の指定が間違っていた
ということがありました。
Info.plistは対応するエディタをインストールすることで中身を閲覧できるので、申請担当の方または企画の方が事前に中身を確認し、意図した内容かどうかを確認するフェーズがはさめるとよいでしょう。
InfoPlistKeyReference
その3:著作権侵害を指摘された
IP(アニメ、漫画、映画、コンソールゲーム等のコンテンツ)の版権を利用したゲームの審査申請時、きちんと契約を結んだ上での利用であるにも関わらず、「他社の著作権を侵害している恐れがある」という理由でリジェクトされてしまったことがありました。
対策としては、審査申請時に差し支えない範囲でIP利用契約に関する契約書のキャプチャを添えるとスムーズです。IPの版権を利用したゲームを審査に出す際は、事前に準備しておきましょう。
その4:データの保存方法が間違っていた
iOS Data Storage Guidelineにデータの保存方法に関する規定が説明されていますが、このガイドラインに従っていないことが原因でリジェクトされてしまうケースがあります。
・一時的に利用するファイルは、<Application_Home>/tmpに置く
・再ダウンロード可能なデータは、<Application_Home>/Library/Cachesに置く
・<Application_Home>/Documentsにはユーザが生成するデータ(セーブデータなど)のみを置く
が原則です。詳細をガイドラインで確認しつつ、開発者全員が開発初期の段階からきちんと理解し意識するようにしてください。
iOS Data Storage Guidelines
https://developer.apple.com/icloud/documentation/data-storage/index.html
その5:必要素材が足りなかった
ストアの掲載文やスクリーンショット、アイコン素材などApple審査申請にあたって必要な素材がありますが、数が多いので色々と漏れがちです。
iOSアプリ公開に必要な素材は大きく分けて2つあります。
・iTunes Connectに登録が必要な素材(ゲームのスクリーンショットや説明文など)
・アプリに組み込みが必要な素材(アイコンやスプラッシュ画像など)
必要な素材に関する説明が分散しているため、先行してリリースしたタイトルが作成した素材をまとめて表にしておくと便利ですね。
2014年8月5日(火)現在の最新の情報は下記のとおりです。参考にしてくださいね。
【iTunes Connect Developer Guide】iTunes Connect App Properties
https://developer.apple.com/library/ios/documentation/LanguagesUtilities/Conceptual/iTunesConnect_Guide/Appendices/Properties.html
【iOS Human Interface Guidelines】Icon and Image Sizes
https://developer.apple.com/library/iOS/documentation/userexperience/conceptual/mobilehig/IconMatrix.html#//apple_ref/doc/uid/TP40006556-CH27-SW1
その他リジェクトされうる理由については下記にまとまっていますので是非一読されることをお勧めします!
https://developer.apple.com/appstore/resources/approval/guidelines.html
なおiTunes Connectに実際にビルドをアップロードしたりスクリーンショットや説明文を登録することで、漏れに気づけることがあります。審査提出予定日前に余裕があれば、一度一連の登録作業を事前にやってみてくださいね。
(たとえばXcodeのバージョンやinfo.plistについては、古いものや誤った記載のものを使っていると、.ipaをiTunes Connectにuploadした段階で、警告文が表示されます)
最後に。
多くの開発者の方がApple審査のリジェクトされた例をWebに公開されていますが、残念ながらAppleアプリケーション審査のガイドラインは変更されることが少なくありません。必ず最新の情報をAppleの本家サイトでも確認してくださいね。
それではパートナーの皆様のApple審査一発通過を心より応援しております(* ゚ー゚)