シリア:「イスラム国」、敵対部族700人を処刑
毎日新聞 2014年08月18日 12時03分
【アルビル(イラク北部)秋山信一】在英のシリア反体制派組織「シリア人権観測所」は16日、イスラム過激派組織「イスラム国」がシリア東部デリゾール県で、敵対する部族のメンバーら700人を処刑したと発表した。反体制派主要組織シリア国民連合は16日、米国に対して、イラクだけでなく、シリアでも「イスラム国」への空爆を始めるよう要請した。
人権観測所によると、イスラム国は7月、敵対する国際テロ組織アルカイダ系の反体制派組織「ヌスラ戦線」などを駆逐し、東部デリゾール県のほぼ全域を掌握した。だが一部の地元部族はイスラム国に反発し、戦闘に発展。イスラム国は今月に入って、服従しないシェイタト部族のメンバーら少なくとも700人を処刑した。大半は戦闘員ではなく、市民だという。
シリア国民連合のバハラ議長は16日、トルコで記者会見し、「国際社会の沈黙は信じがたい。イスラム国による非人道的な犯罪は毎日のように起きている」と主張し、米軍などによる空爆を求めた。
ただシリア内戦では、アサド政権、反体制派、イスラム国、クルド人の4勢力が互いに抗争している。反体制派を支援する米国にとって、イスラム国への空爆はアサド政権を利することにつながる。さらにイラクでは政府間協定に基づいて空爆しているが、シリアの場合はこうした法的根拠も乏しく、単独での攻撃は難しいのが現状だ。