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» 2014年08月18日 09時08分 UPDATE

「女装」の放火犯の本業はアキバで人気のメイドだった 捜査員も欺く自然な着こなしのワケ (1/3)

犯行現場の防犯カメラが捉えていた「女」は、女装を生業にする男だった――出会い系カフェに女装して侵入し、火を付けたなどとして逮捕された男は、女装メイドカフェで人気を集めており、犯行時も長髪のかつらにスカートという「仕事着」だった。

[産経新聞]
産経新聞

 犯行現場の防犯カメラが捉えていた「女」は、女装を生業にする男だった−。以前働いていた出会い系カフェに女装して侵入し、火を付けたなどとして、東京都文京区のアルバイト、溝部貴之容疑者(27)が7月24日、放火や窃盗未遂容疑で警視庁捜査1課に逮捕された。捜査員も欺かれそうになった自然な着こなし。なぜなら、普段は女性の格好をした男性が接客する「女装メードカフェ」で人気を集めており、犯行時も長髪のかつらにスカートという「仕事着」だったのだから…。(宇都宮想)

長髪のかつら、ミニスカート、タイツ…「カネに困ってやった」

 JR御徒町駅にほど近い東京都台東区上野の繁華街の一角。6月9日午前2時半ごろ、雑居ビルの前で一人の「女」が足を止めるのを防犯カメラが捉えていた。背中まで伸びた長い髪に淡い色の上着、白っぽいミニスカートにタイツ。肩から大きな手提げバックをかけていた。

 「女」は周りを見渡して人の気配がないことを確認すると、その場にかがんでビルのシャッターを開け、中に入っていった。約1時間後、ビルから出てその場を立ち去ると、直後にビルの一室から火の手で上がり、防犯カメラの画面が真っ赤に染まった。

 この火災でビル2階の出会い系カフェの天井や床など約75平方メートルが焼けた。店のドアが壊され、金庫をこじ開けようとした跡も見つかった。店内に金づちが残されていたことから、捜査員の間では「女がカネを盗もうとして失敗し、証拠隠滅のために火を放った」という見方が強まった。

 しかし、店の関係者らへの聞き込みなどで捜査線上に浮上したのは、この店で平成25年ごろに勤務していた溝部容疑者だった。捜査1課に7月24日に放火や窃盗未遂容疑で逮捕され、「カネに困ってやった。金庫を開けられずにあきらめた」と素直に容疑を認めたという。

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