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【上杉 隆】

日本を考える夏 遺族会の悲願 靖国再考2009(文・写真/上杉隆)

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だが、その方向性こそ日本遺族会のもっともおそれるものなのだ。終戦記念日、鳩山代表は、新潟県長岡市内での記者会見でこう述べている。

「天皇陛下が靖国神社に長い間、行っていないという現実があります。陛下も大変つらい思いでおられると思います。陛下にも心安らかにお参りしていただける施設が必要ではないでしょうか。党としても取り組んでいきたいと思います」

遺族会にとって、鳩山氏のこの発言は、半分で核心を突き、半分で困惑を誘う結果になっている。長い間、日本遺族会の方針が、内閣総理大臣の靖国参拝であることに変わりはない。だが、実は、その裏には、天皇陛下の靖国参拝という悲願がずっと隠されてきている。

本来ならば陛下の参拝は運動方針の筆頭に掲げたい。ところが、陛下にお願いするというのはあまりに恐れ多いということで、それは方針ではなく密かな願望として会員たちの胸に共有されおさめられてきたのだ。そう、なによりも、天皇陛下の英霊へのご顕彰、それが日本遺族会にとっての「悲願」なのである。

1975年を最後に、天皇の靖国参拝は途絶えている。参拝中止の理由は「富田メモ」や国立国会図書館が編纂した資料(2007年3月 新編・靖国問題資料集)でも明らかなように、いわゆるA級戦犯の合祀にある。

保守論壇の中にはこの見解を認めない者もいる。天皇の参拝中止は、いわゆるA級戦犯の合祀とは無関係であるという立場だ。だが、それは違うだろう。

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