まさか山口が！５連打浴びるなんて　３失点逆転負けなんて　勝ちパターン壊すなんて

　◆広島５―４巨人（１７日・マツダスタジアム）

　巨人が広島に逆転負けした。２点リードの８回、４番手の山口がまさかの大乱調。自身ワーストタイとなる１イニング５安打を許すなど３失点し、今季３敗目となった。打線は２回２死から５連打で３点を奪い、主導権を握ったが、投手陣が逃げ切れなかった。３カード連続での勝ち越しはならず、２位・阪神が勝ったため、１・５ゲーム差に迫られた。

　帽子のつばから汗が滴り落ちた。山口はベンチに座ると、前を向くことができなかった。２点リードの８回から登板。死球を挟みまさかの５連打に沈んだ。絶対的セットアッパーが自身ワーストタイの１イニング５安打。今季ワーストタイの３失点で逆転を許した。「すみません」。試合後、ショックは隠しきれなかった。

　２死からの悪夢だ。先頭・ロサリオを３球三振。キラに中前打を許したが、代走の赤松をけん制で刺し２死無走者。だが、梵に左前打、田中に死球で２死一、二塁。ここから、会沢、代打・小窪、堂林に３者連続タイムリーを浴びた。２回に自軍が先取点を奪った５連打を、終盤８回にやり返された。

　プラン通りに進んだ。この日は先発ローテーションの谷間。中継ぎの江柄子が抜てきされた。翌日の試合がないこともあり“救援陣総動員”の予定だった。２年ぶり先発の右腕が３回１失点でつなぐと、青木を挟み、３番手・久保は４年ぶりの３イニングを投げ１失点と粘った。７回で２点リード。８回は山口、９回はマシソンの盤石リレーで勝利へのゴールは見えていた。

　それが、後半戦１０戦連続無失点と好調だった左腕でシナリオが崩れた。原監督は「うちのパターンの中でこういう結果になった。きょうは４点を守りきれなかった。（山口は）少し、何というか、制球かな…」と想定外の８回を振り返った。

　決して不調というわけではなかった。ボール先行も最速は１４９キロを計測。調子を聞かれた山口も「普段と変わりはなかったです」。全２５球中、スライダーは１球のみ。安打はすべて１４５キロを超える直球、シュート系の速い球だった。狙いを絞ったカープ打線に巨人バッテリーが上回られた。

　これで背番号４７は、今季カープ戦２敗目。全１５失点中、７失点がマツダスタジアムで球場別防御率は２７・００。昨年は１・２３と安定していたが、鬼門となっている。チームは２連敗で３カードぶりの負け越し。２位阪神とは１・５差。３位・広島にも３差と迫られた。

　左腕は４月２７日にもマツダでエルドレッドにサヨナラ３ランを浴びた。しかし、その後１７戦連続無失点と挽回した。リーグ３連覇に左腕のフル回転は欠かせない。またあの時のように。引きずらず早く立ち直る山口の姿が見たい。（岸　慎也）