ウェアラブルの最先端は「魔法の指輪」デバイス操作に驚異の革新

その指輪を人差し指に嵌めれば、指先の動きだけで様々なものが制御できるようになる。

離れたところからカーテンを開き、テレビを操作し、スマートフォンに文字を入力し、支払いを済ませることもできる。

この魔法の指輪「Ring」は命ずるだけではない。内蔵されたLEDライトやバイブレーションで、メールの受信なども知らせてくれるのだ。

指の動きを検知するRing

まるで魔法の指輪

「Ring」を開発したのは「ログバー(Logbar)」というベンチャー企業だ。指輪の中に、指の動きを検知する機能が埋め込み、新しいデバイスを生み出した。

この指輪を嵌めた利用者は、予め決められた、あるいは自分で登録した指の動きを行う事で、指輪内部の装置がその動きを検知して様々な機器への命令を発信できる。

ログバー社は、指の動きの解析技術の精度を向上させることに開発の重点を置いてきた。

解析技術の開発

指輪内部の装置が検知した指の動きで外部の様々なアプリケーションを起動させるために、アプリケーションごとに単純なジェスチャーが決められている。例えば空中でメールアイコンをなぞるように指を動かせば、メールアプリが起動する、といった具合だ。

アプリごとの命令

また「Ring」では、「リングフォント」と呼ぶ独自の文字形状パターンが用意されている。これを覚えれば、キーボードやスクリーンが無くても文字入力ができる。

リングフォント

例えば利用者は、スマートフォンやスマートウオッチ、あるいはGoogle Glassなどを指の動きだけで操作し、文字も入力することができるのだ。

特にキーボードや文字を入力するのに必要な大きさのスクリーンが無いウエアラブルデバイスではこの入力方法は必要となるだろう。

文字入力

さらに「Ring」は、GPSやiBeaconを利用して、ショップやレストランなどでの支払いも可能にしている。

ジェスチャーで支払い

ところでこの「Ring」だが、単独では使用できない。あくまで入力デバイスだからだ。そのため以下のいずれかのデバイスを持っている必要がある。

・iPhone / iPad / iPod Touch (iOS7 or higher ver)

・Android (ver 4.4 or higher ver)

・Windows Phone (coming soon)

・Ring Hub (coming soon)

ジュエラブルデバイスという新しい市場が生まれるか

「Ring」のデモンストレーションを見た多くの人が「魔法のようだ」と言う。そのためか最近はハリウッドからも問い合わせが多くあり、映画・音楽業界からの問い合わせが増えているそうだ。

それだけではない。「Ring」がデザイン的にも洗練されているためか、宝石店からの問い合わせまで増えていると言うから驚く。「Ring」はまず、クラウドファンディング向けに先行出荷されるが、一般利用者向けの販売はもう少し待たねばならないようだ。

ところでログバー社内では、「Ring」のことを「ウエアラブルデバイス」ではなく、「ジュエラブルデバイス」と呼んでいるらしい。

「ジュエラブルデバイス」と呼ばれる新しい市場が創造されるのだろうか。

*画像出典:Ring : Shortcut Everything. by Logbar inc. — Kickstarter