カミュせんせい至上主義

『覚悟------ 覚悟ならない事もない』

『もっと早く死ぬべきだのに何故今まで生きていたのだろう』
                              夏目漱石『こころ』より

今年は、『こころ』が発表されてからちょうど百年目に当たるそうです。

『こころ』は、数ある小説の中でもとりわけ好きな作品です。特に今回初めて知ったのですが、これの連載が終了したのがまさに今日、八月十一日なんだそうです。
この日は、自分にとって、ある意味とても長く、とても思い入れのある日なので、その偶然がとても感慨深いです。

『死んだ積りで生きて行こうと決心した私の心は、時々外界の刺戟で躍(おど)り上がりました。然し私がどの方面かへ切って出ようと思い立つや否や、恐ろしい力が何処からか出て来て、私の心をぐいと握り締めて少しも動けないようにするのです。そうしてその力が私に御前は何をする資格もない男だと抑え付けるように云って聞かせます。すると私はその一言(いちげん)で直ぐたりと萎(しお)れてしまいます。しばらくして又立ち上がろうとすると、又締め付けられます。何で他(ひと)の邪魔をするのかと怒鳴りつけます。不可思議な力は冷(ひやや)かな声で笑います。自分で能(よ)く知っている癖にと云います。私は又ぐたりとなります。
波瀾(はらん)も曲折もない単調な生活を続けて来た私の内面には、常にこうした苦しい戦争があったものと思ってください。』

『私がこの牢屋の中(うち)に凝(じつ)っとしている事がどうしても出来なくなった時、又その牢屋をどうしても突き破る事が出来なくなった時、必竟(ひつきよう)私にとって一番楽な努力で遂行出来るものは自殺より外にないと私は感ずるようになったのです。』

この描写に、私はすごく共感します。

何故、人は自殺するのか?
例えば。
一人の人間がある人間に一つ、小石を投げつけたとします。その程度なら、致命傷にはなりえないとしても。
百人が、それぞれ小石を持って、同時に一人の人間に投げつけたら?
『自分一人がしてることは、人を苦しめるような行為じゃない』。でも、そう思う人が数百人集まったら?
当然それは相手に対する致命傷になりかねません。

人が自ら命を絶つまでには、それぞれさまざまな思いがあるだろうし、本当の理由は遺された人間がいくら考えても憶測に過ぎません。
『こころ』では、『先生の遺書』という形で、先生が何故自殺をするに至ったか描写されていますが、殆どの場合、そこまで余裕のある『死』というのはなかなか無いのではないかなあ、と私は思っています。
自分だったらですね。いろんなことが積み重なって、臨界点を超えたある瞬間。『死にたい!』『死んじゃえ!』『死んでもいいかなぁっ』って、衝動的に高い所から飛び降り、というのが一番可能性高い気がします。いや、今、死にたいとかまでは思い詰めてませんけど。でも、人間、いつ、何がきっかけで爆発するか分からないわけで。(そう思うんなら、心に余裕があるときにちゃんと『遺書』書いておいた方がいいのかな)
ただ、突発的な自殺に見えても、遺された人間が『多分、これが原因で?』と推測できる要因は今の時代、多々残ってしまうと思うんですけれど。
本人が何も言わなくてもね。情報は残りますから。

私一人が消えても誰も困らないし、日々、いろいろ『嫌んなっちゃうなあ』と思うことはありますけど、今の所、大過なく過ごせている、ささやかで小さな、この自分の世界を、私は愛しいと思っているので、昔ほど『思い詰める』ということは無くなったのですが。そして、それを壊す権利は、私が意図的に誰かを傷つけていない以上、誰にも無い、と思うのですが。もっと『生きていること』を普通に楽しみたい、と、切に願います。健康で、ご飯が美味しくて、寝る前に少しだけ趣味の時間でリフレッシュができれば、それだけで幸せ。ただ、それだけなのですけれども。

再度書きますが、『このまま消えちゃってもいいかなあ』というところまで、一人の人間が思い詰めるに至る原因については、本当に人それぞれでしょう。
でも、私にも言えますが、自分が投げている小さな石が実は、その人にとって、崖っぷちに立っている背中を押してしまう、最後の石だったかもしれない、ということは、いろいろな人が考えていく必要があると思うのです。実生活においても、仮想世界においても。
特に、ネットへの書き込みは消えないですからね。匿名で話していても、人が命を絶つほどの事態になったら、追及はされると思うのですよ。



☆重い話題だけではなんですので、水瓶座(カミュ先生)に関する話題も一つ。今日八月十一日はこんな日だそうです。

 今回の満月は「スーパームーン」! 1年の中で、月が一番大きく見え、月のパワーも大きくなると考えられているタイミングです。
 今回の満月が起こる場所は水瓶座。いつでも未来を見つめ、博愛主義的な精神で社会やコミュニティーがよくなることを理想とする革新的な星座です。この満月は、常に新しいものを追い求める水瓶座エネルギーで、心の深いところから「よりよい自分」への変化や改革が促されます。スーパームーンのパワーもプラスされて、いつもより自由にさまざまな発想を得ることができ、自分や他人を縛る思い込みや悪い習慣を捨てられる絶好の日となります。(ネット占い。水瓶座のあなたへ)


でも、この月が見られるベストな時間って、十一日の未明(午前三時頃)だそうで。起きていられるかっというのと、起きてても台風で見えません、という悲しい事態。
でも、『水瓶座』というキーワードを目にするだけで、心浮き立つ私。大丈夫。まだ、大丈夫。
いろいろと、気分の浮き沈みはあっても、水瓶座!という響きに反応する力があるのですから、自分の中におけるカミュ先生の占める割合のなんと高いことよ…と、しみじみ感じます。けど、そういう自分を客観的に見ている自分も居ます。
しかし。先日の水瓶座流星群のときも曇りで、まあ、あれは晴れていても、観測はかなり難しかったと思うのですが。今回は、よりによって台風とは…。ただ、訳あって、日記だけは今日、『八月十一日』にUPしたかったんです。たとえ、台風が来てても来なくても。

『こころ』と併せて。

そして、雲の上にはいつでも月があって、星があると考えると、空っていいなと思います。


と、いうことで、今回、本当は、日記だけで終わりにしようかと思ったのですが、久しぶりにサガカミュ書いたので、一緒にUPすることにしました。サガと仔カミュの組み合わせはやっぱりいいなあ。

水瓶座流星群日記で、『更新待ってます』ってコメントくださったG様、いつもありがとうございます。すごく励まされました!そして、その他の方々にも。今後、何回更新出来るか分からないので、お伝えしておきます。
『ありがとうございました』。

さて。サガカミュですが。サガは年上の落ち着きで、小さいカミュの怯えとかを優しく包み込んでくれるといい。でもって、成長していくにつれ、カミュ先生の方でも、憧れであり、目標でもあったサガの苦しみや二面性に気づき、でもそれを丸ごと受け止めて、信頼し合う仲間になる、とか考えると、十二宮戦における先生の立ち位置とかも何となく納得がいくのです。

カミュ先生が、偽教皇の正体を知っていたかどうかについて、知っていた・知っていない、では二次創作の書き方が変わると思います。基本的にうちでは、『知っていた』んじゃないか、でもだとしたら何故黙っていたのか?その辺に焦点を当てて、想像で書いていますので、ご了承ください。



見えない真実


『あれは、いつ頃のことだっただろう…』

 サガは、傍らで規則正しい寝息を立てているカミュをそっと見つめながら回想に耽っていた。

 ***

「…っ。サガ?!」
 割れたティーカップ。蹲る人影。苦しそうに喘ぐ、その人物の髪は、カミュが見ている前で徐々に色を変えていく。
「サガ…?」
 囁くように問いかけると、テーブルの向こうからむくり、と人影が立ち上がるのが分かった。
「サガ…」
 黒い、髪。血走ったような赤い、瞳。でもその容貌は…。
 人影がス…と、カミュに歩み寄って来た。
 大きな手が、カミュの細い首にかかる。
「…っ」
 ギリリ…と、指先が首に食い込む。苦しい。助けて。サガ。いや、自分の首を絞めているのはまさのそのサガなのだった。

 カミュはフッと、躯の力を抜いた。サガになされるがままに。サガは驚いたらしく、カミュの首から手を離した。
 途端に、カミュが咳き込む。霞む目でサガを見ようとしたが、カミュはそのまま意識を失ってしまった。

 気がついたら、ソファに寝かされていた。そして、心配そうに自分を見つめるサガの瞳。

「サガ…」
 掠れた声でカミュが呟いた。サガが、安堵の表情を浮かべる。しかし、それはすぐに消え、変わって眉間に皺が寄った。
「カミュ…」
 サガが口を開いた。けれど、言葉にならない。何故? だって、自分はさっきこの子の首を絞めたのだ。ヘタをしたら殺すところだった。そんな場合、一体何を口に出せるだろう。
「サガ…」
 カミュの声は、掠れてはいたが、先ほどよりはだいぶ楽になったらしく、滑らかな発音に戻っていた。
「私は、大丈夫、だから」
 その言葉にサガが目を見開いた。
「だから言って? サガがどうして欲しいのかを。私はその通りにするから」
 そういってカミュは淡く微笑んだ。サガは、カミュを凝視したあとポツンと言った。
「さっきの…。私の姿を見ただろう?」
 無言で頷くカミュ。
「浅ましい、姿だ。あれになったとき、私は理性を失い、ただ感情のままに行動してしまう。お前の首を絞めるなど…。どうかしていた」
 カミュは黙って聞いていた。
「だが、信じて欲しい。お前を傷つけるつもりは無かった。どうかしていたんだ…」
 横たわったまま、カミュがそっと、サガの頭に手を乗せた。「あれはサガだよ」
「カミュ…」
「ねえ、どうして、黙っていたの? 一人で抱え込んでいたの?つらかった…でしょ?」
「な…」
 カミュは理由を訊かなかった。自分の首を絞め、なおかつ、見た目がガラリと変化してしまった自分のことについて。

「…私が怖くないのかい?」
「…怖くない。驚いたけど。だって、サガはサガだもの。私の好きなサガだもの。だから、サガが、何も言わず、一人で苦しんでいたことに気づけなかった自分がむしろ許せない」
「私はお前の首を絞めて、殺そうとしたんだよ?」
「うん。それは…怖かった。…だけど、サガに殺されるならいいか、って思ったんだ」
「何故」
 サガが問うと、カミュがはにかむように答えた。
「サガは、恩人だから。サガが来てくれなかったら、私、多分、フランスで死んでいたよ。それを、救ってくれた。サガに助けてもらった命だから、サガを救えるのなら、私は死んだって構わないよ」

 ***

「赤毛の悪魔!」
 最初にそう叫んだのは隣に住んでいた金髪碧眼の少年だった。体つきも年の割に大きく、近所のリーダー格だったと記憶している。
 逃げようとするカミュを、後ろに回り込んでいた別の少年が捕まえた。
「見ろよ、こいつの眼! 兎みたいに真っ赤っか。髪にしたって、不自然なほどの色だよな。こいつ、化けモンだって、母ちゃんが言ってたぜ」
 グイ、と顔を仰向けにされて、眼を覗き込まれる。
「血も赤いんかな」
 ふいに、また別の少年が口を挟んできた。カミュは囚われたまま、必死でもがいた。
「悪魔なら緑の血が流れてるっていうけどな。どうだかな…。試してみるか?」
 フフッと笑って、一人目の少年がナイフを取り出した。カミュが叫んだ。
「嫌! 何するの!」
 騒ぎを聞きつけて、近くに居た大人がやって来た。カミュを捕まえていた少年たちはバラバラと散って行った。

 けれど…。
 その夜、カミュはなかなか寝付けなかった。

『悪魔の子』
『血も赤いんかな』
『緑の血が流れてるっていうぜ』

 外は満月だった。ハッとしてカミュは窓辺に寄った。

 赤い。
 赤い満月だった。

 思わずカミュは外へフラフラとさまよい出ていた。白い寝間着のまま。
 外は満月のせいか、やけに明るく、そしてその月はどこか見る者の心を惹きつけてやまないような不思議な光を放っていた。
『ルナ・ロッサ』
 赤い月。
 でも、こんなに見事なのは初めてだ。
 カミュの脳裏に昼間の台詞がフラッシュバックした。
『あんなことがあった日に、こんな月を見るなんて。なんだか、偶然じゃないみたいだ…』

 少年たちにはばれなかったし、母親も知らないようだったが、カミュには秘密があった。
 感情が高ぶると、自分の周りの空気を冷やしてしまう。果ては凍らせてしまうことがあるのだ。

 一度、母親が不在だったときに。暖炉から火の粉が散って、たまたま傍にあった毛糸に火がつき、危うく火事になりかけたことがあった。
 カミュが自分の能力に気がついたのはそのときだった。
「わ!」
 覚え立ての言葉で絵本を読んでいたカミュが気がついたときは火がカーテンに燃え移ろうとしていた。
『ダメ!』
 気がつくと、火は消し止められていた。否、凍り付いていた。帰宅した母親は、幼いカミュがどうやって火を消したのか不審に思いながらも無事でよかった。少しの間だけ、と思ったけど、一人にしてごめんね、と頬ずりしてくれた。

 けれど。
 けれど…。

 あの日から。母親が、カミュを見るときの目が、どことなく怯えているように見えるのは気のせいだろうか。
『ママンが悪いんじゃない。悪いのは、僕の、この力なんだ…』
 それからも、ふとしたとき、カミュの手から雪の結晶が零れ出たり、目が覚めたらベッドの下に雪が積もっていることがあった。カミュは、それらをすべて、自分のせいにして、自分を責めた。
『やっぱり僕はおかしいんだろうか…』
 見た目ではなく、その力が。普通の人間ならもっていない筈の力。しかも、自分では調節できない力。
『怖い…。僕…。どうなっちゃうんだろう…』

 その時。

「悪魔が居るぜ!」
 声がした。
 振り向くと、夜遊びの帰りなのだろう。カミュが住んでいた辺りは、家庭によっては子どもが外で何をしているのか、ほったらかしの場合も多いのだ。
「こんな夜更けに何してんだ、おチビさんよお」
 年嵩の少年も複数混じっていた。怯えるカミュを遠巻きにしながら、少年たちは好き勝手なことを言い始めた。
「月に誘われて出て来たんだろう?」
「っていうか、あれ、お前の力? あんな月、初めて見るんだけど」
「ね、言った通りでしょ。髪も眼も尋常じゃない色してる奴が近所に居る、って」
「確かにな…」
 グループの中で一番年上らしい少年が頷いた。
「気味が悪ィなー。こんなに赤い眼なんて見たことねーし、赤毛にしたって、ここまで、ってのはなァ」
「邪眼だぜ。こいつのおふくろさんは金髪碧眼だし」
「ホントの母親じゃねーんじゃねえのー?」

 言葉がナイフになって、次々とカミュの心を切り裂いていった。どくんどくん、と心臓の鼓動が速まり、手のひらから雪の結晶が零れ落ちるのが分かった。
 グッと、手を握りしめ、少年たちの目から隠すとカミュは叫んだ。
「ぼく…僕は、ママンの子だよ!」
「はっ。どうだか。まあ、仮に母親は人間だとして、あんたの父親はどうよ? どこに居るわけ? どんな奴だよ」
 ドッと笑い声が起こった。カミュは唇を噛みしめた。
 次々に投げつけられる言葉の暴力に、カミュが負けそうになったとき。

「その子は、お前たちと同じ、人間だ」
 気がつくと、すらりとした銀髪の少年が傍に立っていた。気配をまるで感じなかった少年たちもカミュも驚いてその少年を見つめていた。
「だ、誰だ?」
「知ってどうする?」
 少年が微笑んだ…ようにカミュには見えた。
「ここでは、名前など、単なる記号に過ぎない。悪いが君たちに教える名は持ち合わせていないのでね」
「何」
「キザな野郎だ!」
「この赤毛の知り合いなのかよ」
 カミュがびっくりして、少年を振り返った。
「違う」
 銀髪の少年はゆっくりと答えた。
「が、これから知り合いになる予定だ。だから、君たちの相手をしている暇は無い」
「何だ、こいつ。何言ってんだ」
「頭、おかしいんじゃねえの?」
「これから知り合う、ってどういうことだよ?」
 リーダー格の少年が、それらを代弁するように銀髪の少年を睨め付けた。
「…人間は、自分が理解出来ないものに対峙すると、自動的に相手を侮蔑して己の優位性を保とうとすると聞くが、お前たちはまさにその典型だな」
「はあ? こいつ、マジでおかしいんじゃねえの?」
「私は至って正気だよ。カミュは、私が連れて行く。ずっと、この子を探していた。かけがえのない子だ。彼が、居るべき場所へ連れて行く」
 えっ、と、カミュは少年を見つめた。自分は彼に名前を言っていない。それなのに、何故、彼は僕の名前を知っているんだろう…。

 次に気がついたときにはギリシャ・聖域(サンクチユアリ)に居た。
 そのときになって初めて、銀髪の少年は優しく『自分はサガと言うのだ』と名乗った。

 ***

「あのとき、サガが来てくれなかったら、私は凍気の制御を抑えられずに、あの子たちを傷つけていたかもしれない」
 サガがカミュを双児宮に引き取って少しした頃、そう言ったのを聞いて、サガが不思議そうに首を傾げた。
「私はむしろ、君があそこまで力を制御出来ていたことの方が不思議だけどね。それに、暴言はあの日だけじゃない。普段から絡まれていたんだろう?」
「う…ん。そうだけど。でも、だからって、凍り付かせていいかっていったらそんなこと、ないと思う。だって、あの人たちにもあの人たちの人生があって、私がそれを狂わせていいってことにはならないんだし」
「でも、君は、聖域(ここ)に連れて来られたことで、人生が大きく変わった。ある意味、私を恨んでるんじゃないかい?」
 どうして?とカミュは顔を上げた。

 あのとき、サガは自分も『力』をもっているのだ、と言った。「私はね、相手に幻覚をかけられるんだよ」

 そして、カミュの存在は数年だけ過ごしたフランスから消え、ここ、ギリシャへ移ったのだった。
「あのまま、フランスで成長していたら、私、いつか誰かを凍死させていたかもしれない。…逆に、本当に『悪魔』として、投獄されていたかもしれないんだもの」
 もちろん、聖域に来てもカミュは目立つ存在だった。何よりも人目を惹かずにいられない、美しい髪、そして瞳。カミュが意識していなくても、血が透けているかのような赤い瞳に見つめられると、大抵の者はドギマギしてしまうのだ。

 時々、それを考えるとカミュはここにも自分の居場所は無いのかと思うことがあった。
 そんなカミュを気遣って、サガがギリシャ語の練習からレッスンを始めた。他の候補生からは贔屓だ、という声もあがったが、サガは気にしなかった。カミュの技は他の聖闘士はかなり違う。意思の疎通ができなければ、カミュは怯えていたずらに力を暴走させてしまうだろう。果てはそのために、せっかくの力が埋もれてしまうかもしれない。それだけは避けたかった。

「ミロっていう子がね。髪の毛引っ張って、『それ本物?』って言って来たの。すごく乱暴。どうしてほっといてくれないんだろう。ご飯のときも人参食べてたら、『お前やっぱり兎みたいだな』って。自分が嫌いだからって、人を攻撃するっておかしいよ。アイオロスが『お前こそ好き嫌いすんな』って言ってくれたけど…」
 闘技場に通うようになってから、少しずつ聖域にも慣れて来たカミュは、一日の終わりにその日あった出来事を逐一サガに報告するようになった。
「ミロか…。あの子はなかなか社交的だからな。多分、君のことが気に入ったんじゃないかな」
「えっ。だって、ミロは私が嫌がることばかり言うんです」
「はは…。それは、君の気を惹きたいからだよ。嫌がってないで、一度きちんと話を聞いてやるといいよ」
 サガが笑いながら、カミュにココアの入ったカップを渡した。サガは忙しい。教皇の補佐が主な仕事みたいで、訓練場に居るのは殆どアイオロスだ。ミロもアイオロスの弟のアイオリアもギリシャ生まれのギリシャ育ちだからよく彼に懐いているけれど、カミュはいまいち彼には馴染めなかった。かといって、他の候補生で仲良くなれそうな人物も殆ど居なかった。

『私はサガに稽古をつけてもらいたいのに…』

 しかし、そう思っていたのはカミュだけではないみたいで、サガがたまに訓練場に顔を出すと、決まってアフロディーテやシュラ、デスマスクが寄っていくので、その中に割り込んでいく勇気がカミュには出せなかったのだ。
 サガは、そんなカミュにも気遣いを見せて、魚座の候補生に声をかけた。
「アフロディーテ。知っていると思うけど、この子は水瓶座のカミュ。近いうちにお前の宮の隣に入るからよろしく頼む。あ、シュラもな」
 そう言うサガに、デスマスクが『えー。俺には世話させないつもりかよお、サガ。ハッキリ言って、この二人より、俺の方がよっぽど面倒見はいいぞお』などと言って周囲を笑わせていた。
『ムウやシャカ、って人も最初に紹介されたけど、あんまり目にしないな…。どこで稽古してるんだろう…』
 カミュがそんなことを考えていると。
「ムウもシャカも基本一人でトレーニングするのが好きだからね。特にムウはもうジャミールに行っちゃったんじゃないかな。シャカも基本、インドに居る方が多いしね」
 アフロディーテが見透かしたように話しかけてきた。驚くカミュに。
「君だって、そうだろう? ここよりも、双児宮に居る時間の方が長いんじゃないの?」
「え、でも。双児宮は聖域の中にあるし…」
「だって君、もう水瓶座決定なんだろう? 何で宝瓶宮に引っ越して来ないわけ?」
 アフロディーテの問いにカミュが答えあぐねていると、サガがカミュを呼んだ。
「帰るよ、カミュ」
 その後ろ姿に微かに『贔屓』『お気に入り』といった言葉が風に乗って聞こえてくるのが分かった。知らず、カミュは唇を噛みしめていた。

「ねえ、サガ」
 夜。
 寝る前にココアを飲んでいたカミュが、サガに声をかけた。
「どうして、人と違うことをしていると、陰口を叩く人が居るんだろう? ここは、『力』をもった人たちの集合体でしょ?それでも、その中でさえ、悪口を言う人が居るのは何故?」
 サガが、カミュの眼をじっと見つめた。カミュが決まり悪くなって視線を外しそうになると。
「…だから、じゃないかな」
 サガがポツンと答えた。
「え?」
「限られた共同体(コミユニティ)だからこそ、些細なことで揚げ足をとったり、自分に無い能力をもつ者に嫉妬し合ってしまうんじゃないかな。…私は、そう、考えているよ」
 聖闘士だって、人間だからね、と言って微笑むサガの顔はどことなく淋しげで。
「サガは…? サガも、そんな風に思ったり、するの?」
 カミュが尋ねると。サガはそれには答えず、黙ってコーヒーを飲み干すと『もう寝よう』と、カミュを促した。

 ***

「…だから平気、です。むしろ、『完璧』と言われていた貴方にも違う一面があったんだ、っていうことが分かって、不遜かもしれないけど…安心しました」
 ふふっ、カミュが微笑んだ。
「カミュ…」
「だって。貴方はいつも皆から『神のようだ』って慕われていて、もちろん、それが貴方を形作る大きな要素ではあるのでしょうけれど、でも、完璧な人間なんて居やしない。そう、教えてくれたのは貴方だったから」
 いつか、どこかで無理が出るのではないか、心配だった、と言ったあと、少し決まりが悪そうにカミュは付け足した。
「生意気なこと言って、ごめんなさい」
 サガは、横たわったままのカミュを黙って見つめてしばらく動かなかった。
「サガ…? サガ。やっぱり何か気に障ること、言っちゃった?あの、サガ…」
 すると、サガの手がおずおずと、カミュの額に触れた。乱れかかる赤毛をそっと梳るとサガは囁いた。
「ありがとう…。…これから先、私のどんな姿を見てもお前はもう驚かないね?」
 ほっとしたような表情になって、カミュはこくん、と頷いた。
「私が、フランスで、周りから非難されたのは、凍気を操る人間なんて居ない。だから『悪魔だ』ってことにされたからでしょう? でも、聖域(ここ)では、『異能』が『当たり前』で、そして、そうでなければ生きていけない。そんな場所も同時に存在するんだ、って知ってから…」
 カミュが、サガの手に頬ずりをした。
「ここを、教えてくれた貴方に。ここに連れてきてくれた貴方に、心から感謝している。世界は、自分が知っている世界だけじゃないんだ、ってことを教えてくれた貴方に」
 カミュが、まだ怠さの残る躯を起こして、ソファの片隅に座るサガに寄り添った。そうして、その頬に両手を添えて、囁いた。
「だから、私はサガのもの、です。私はずっと、貴方の背中だけを見つめ、貴方を目標としてきました。そんな私に、貴方のために出来ることがあるならば、言ってください。貴方のことが大好き…だから」
 そう言うと、カミュは恥ずかしそうに顔を逸らした。けれど、その手はサガの豊かな髪をゆっくりと撫で続けていた。
 慈しむように、いたわるように、心を込めて。
「カミュ」
 その手を取って、サガは自分の頬に押し当てた。
「好きだよ…。私も。ずっと、お前が好きだった。でも、お前にだけ好意を示すわけにはいかなかった。けれど、『ギリシャ語を教える』なんていう名目でお前を双児宮に留め置いたのだから、他の候補生たちには、つらく当たられたこともあったかもしれないね」
 すまない、と謝るサガに。
「そのお陰で、今日、貴方の一面を知ることができました」
 カミュが答えた。
「あの姿を見ても、お前は私を好きだと言ってくれるのかい?」
「あれも、サガです。二面性のない人間なんて居ない、って教えてくれたのはサガでしょう?」
 いたずらっぽくカミュが笑った。
「サガ…。私なんかが頼りになるのか分かりませんけど、何かあったらぶつけてくれていいんです。いつも『神のようだ』って言われ続けて、そうして、私生活でもそんな風に振る舞うのは苦しいでしょう?」
 私がかつて囚われていた、『自分がおかしいのではないか』という思い込みから解き放ってくれた本人が、今度は逆に二面性に苦しんでいる、なんて矛盾している。そう言ってカミュが、サガの頬にそっと触れた。
「私の前では、ありのままのサガで居てください。かつて、私にありのままの自分でいいんだ、って貴方が言ってくださったように…」
 どこまでも、ついて行きます、と、カミュがサガの肩口に顔を埋めた。
 サガは、そっと、まだ少年らしい華奢な躯をしているカミュをそっと抱きしめた。
「私もだ…。初めてお前を見たときから、お前を他の誰にも渡したくない、と直感で感じていた。お前は、私の宝だ、カミュ」「では、離さないでください…。貴方の行くところへ、どこへでも、連れて行ってください…」

 この時点で、カミュは、サガの計画を知らない筈だった。
 しかし、何かを察知してはいたのだろう。どこまでも、透みきった眼で自分を見つめるカミュに、サガが静かに言った。

「地獄への道のりになってもか?」
「聖闘士としての道を選んだときからもとより『死』は常に我らが傍にある。そう教えてくださったのは…?」
「私だ。やっぱり物覚えがいいな、お前は」
「貴方こそ」
 カミュは、サガに躯をあずけたまま言った。
「サガ…。見てください。月が…。満月だ」
 腕の中にカミュを抱いたまま、サガも空を振り仰いだ。
 カーテンの隙間からくっきりと晴れ渡った空に月が見えた。
「ああ…。赤い月、だな…」
 そう言ってから。
「お前に、似ている…」
 カミュが目だけで微笑んだ。
「貴方に出会ったのも、こんな月の夜でした…」
 カミュがサガの胸に縋り付いた。
「あのときからずっと…。私は貴方が好きでした…」
 カミュを抱く腕に力を込めて、サガも囁いた。
「私もだ…。あのときから、ずっと、お前を、愛していた…」
「サガ…」

 ***

 サガは、窓の外を見た。あいにく今夜は曇っていて、月も星も見えない。ただ、それは確実にそこに在るのだ。雲に隠されて、見えないだけで。

 いくつもの戦いを経て、再びこの世に生を享けた。
 それはまさに、女神のなす奇蹟。

『このつかの間の命を。カミュ。お前を慈しみ、愛おしみ、愛すると誓おう。つらい思いをさせすぎてしまった。それが、私に出来る、せめてもの償い…』

「…サガ…?」
 不意にカミュが目を覚ました。見つめすぎてしまったかもしれない。
「どうか、しましたか?」
 サガは、カミュを安心させるように微笑むと、シーツをかけ直した。
「なんでもないよ…。そう。なんでもないから。…おやすみ。カミュ」
「…おやすみなさい」
 カミュが目を閉じた。かと思うと、直ぐにまた赤い瞳をサガに向けて。
「サガ。手を握ってください」とせがんだ。
 ふふっとサガが笑った。
「子どもみたいなことを言う…」
「嫌なんだ。次に目覚めたら、これは全部夢で、貴方はやっぱりどこかへ行ってしまってて、まだタルタロスの中で永遠に彷徨い続けているんだ、って気持ちになるのが」
「カミュ」
 だから、手を離さないで…と言うカミュを、サガは強く抱きしめる。
「夢じゃない。夢じゃないよ、カミュ。済まない…。お前には本当につらい思いをさせた。でも、ここは聖域で、私もお前もちゃんと存在しているから…。だから…。ゆっくりおやすみ…」
 サガは、カミュの傍に寄り添いながら、月のない空を見続けていた。

『雲で隠れて見えなくても、確実にその上には月も星も在る。真実、というものも、同じようなものなのかもしれない…』
 そして、カミュに視線を落とした。
『けれど、再び手にしたこの宝石を、二度と再び手放すことは無い…』

 強く、自分に言い聞かせながら、サガはしばし、空を睨み続けていた。








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ゼウス×カミュ。

7月29日、夜。水瓶座流星群が見られる、というので『水瓶座』が話題にあがるなんて珍しい!!と、眠い目をこすりつつ起きていたのですが、空はあいにくの曇り。時折雲の切れ間から少し星が見えるものの。『流星群』は見られませんでした…。
がっかり;。
でも、そのあとYouTubeで素敵な画像がUPされていたのでさっそく拝見。うわ~。美し~い。しかも、『双子座流星群とオーロラの共演』って画像も同時にUPされてて、まさに夢のようでした。サガカミュ~。
…前回の記事ですが、書店さんの手違いで在庫があともーちょっとある、ということが分かったので削除させていただきました;。

さて。『水瓶座』といえば、トロイアの王子ガニュメデスが、その美貌に目をつけられ、鷲に化けたゼウスに攫われ神々の宴会でお酒を注ぐ係にされた、というのは有名なお話。
十二宮編に入ってすぐ、この神話が浮かびましたから、『ゼウス×カミュ』はいつか書く!と思ってました。あと、ハーデスがゼウスと兄弟でありながら、オリンポス十二神に入れてもらえなかったことでゼウスを怨んでるだろうな、とか、(同じ兄弟のポセイドンは入れてもらってますから)、『水と氷の魔術師』と謳われたカミュ先生ですし、元弟子のアイザックは海将軍になってるし、海界との繋がりも妄想できます。

天界・冥界・海界、それぞれの世界観が交錯する中で翻弄される水瓶座、というシチュで長編を書きたいと思っています。
簡単なプロットはかなり前からありますが、少し先のことを見据えて、じっくりと書きたいです。

ゼウスに寵愛を受けていた美少年=カミュと考えると妄想が止まりません…。

明日から8月です。夏コミまでのカウントダウン。暑さに負けて何も準備できてないのですが…;。新刊もう一冊は無理でした…。








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大阪、受かりました!

いろいろ考えると、単純に喜んでいいことなのか分かりませんが、また、来年のことを話すと鬼が笑うと申しますが、2015年2月開催の大阪・ギャラクシーθ、受かりました!
前回は、受け付け開始からほとんど即日でスペース埋まったと聞いて、びっくりしましたし、今回は完全抽選制ということで、くじ運が悪い私は多分無理だろうな~;と思いながらも、やっぱり関西へも足を運びたくて、申し込んでみたのですが…。
何か…。今年はコミケも受かったし、ギャラクシーもと、ダブルで受かった、というのが信じられない。(映画の前に申し込みがスタートして、さらには途中トラブルがあったりしたのと、映画公開から締め切りまでの間が短かったから?)でもまあ。(どうせ)

カミュ受けサークルはまたウチだけなのでしょうけれど、他に書きたいネタがないんだからしょうがない;。バリバリの!!カミュ受け本を!!作って持っていきたいです。ってそれこそ、先のことなんてどうなるか分からないのですが、夢は夢、ということで…。
たった一つのカミュ受けサークルかもしれないけど、好きなものは好き。『ありの~ままの~自分、見せるのよ』なノリで、新刊出せれば、と思います。まだ先のお話ですが、関西方面の方、またもやどうかよろしくお願いいたします。(インフルエンザとかに罹らないよう、気をつけます;。今年、大雪に加え、インフルで不参加、ってサークルさんがいらっしゃったので…)

また映画の話で恐縮ですが、『ありの~ままの~』関連で『アナと雪の女王』について書きます。実は今日また観てきました(2回目)。今回は日本語吹き替え版。
ダイバージェントを観るつもりで行ったのですが、『アナ雪』の上映、本日がラストって知り、以前から『松たか子さんの【ありのままで】がすごい』という評判を聞いていたため、急遽予定変更。(確かに伸びやかで素晴らしい歌声だなあと思いました。日本語版も。でもやっぱり私は英語版の方が好きかな…)
どうせ明日コミケのカタログ買いに行きますし、ダイバージェントはそのついでに観ればいいや、と。(2日続けてって、自分でもどうかと思いますが;)
でも!マレフィセントのグッズは先週買っておいて良かったです~~。今日はもうほぼ完売状態。『アナ雪』も、パンフ見たら、雪をモチーフにした素敵なグッズがあって、(しかもメチャクチャ、カミュ先生を彷彿させる綺麗なものが)まだネットでなら売ってるのかなあ…と思っちゃいました。

で、さて。2回も観ての感想ですが。
やっぱり、雪の宮殿に狩人が乗り込んできたときの戦いは『宝瓶宮戦』です~~。エルサが相手を足止めしようと、氷の塊を放つシーンはダイヤモンドダストを放ったようにしか見えなかったし、手から凍気を発して相手を押し戻そうと必死になるシーンでは『目を覚ませ!氷河、凍気がお前に襲いかかるぞ!』を彷彿させるのでした。
これ、『愛』がテーマになってる、って以前書きましたが、似ても似つかぬキャラにカミュ先生を重ね合わせてる自分も、かなり重傷な『カミュ先生への愛』というフィルターを通して語っているなあという自覚はあります。そう、カミュ先生への愛ゆえに、エルサの仕草の一つ一つに『カミュ萌えのネタがここに…』と、愛しくも『萌え』を込めた思いで見ちゃうんですよね~;。でも、これホント、カミュ先生大っ好き!!な人が観たら『エルサ=カミュ先生』って思う気持ち伝わるんじゃないかな~って思います。それくらい、カミュ受け人間には素敵な萌えを提供してくれる映画なのです。(初回の感想よりかなり思いがエスカレートしてるな;。本音が…)あくまで個人的な見解ですが。
だって。その戦闘シーン(エルサは『来ないで』って逃げてるだけなので『戦闘』と言えるかどうかは微妙ですが)だけ、顔をすげ替えたら、まるでカミュ先生がDD放ってるようにしか見えなかったんですよね…;;。

カミュ先生への愛が止まりません…。








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初日に行って来ました。

おお…。これ、人生『初』じゃない?『何が?』って、映画の公開初日に劇場に行く、という行為がです。(かつて☆矢が映画化された時にもここまでしなかった、というか学生だったため、行動に限りなく制限があったんです;)大人になると、こういう、本来なら子どものときにしていてもおかしくない『初体験』って、なかなか無いから、自分の行動力にびっくりだ;。(結局『キャプテン翼カフェ』よりこっちをとった;。社会人にとって、休日の空き時間は貴重なのです。順位付けとか^^;。なんて)

えーと。して、その映画とは前から『観たい』と書いていた『マレフィセント』です。ええっと、最近、☆矢と関係無い映画ばかし観てるし、違う漫画の話ばかり書いてるので、興味無い方はとばしてください。

あ、でも。その前に☆矢絡みでお礼を二つ申し上げます。
先日、『アナと雪の女王』に関するブログで、バレバレでしたが、『ある映画についてガチ・本音を語りたいんだけど反応ないだろうなあ…。でも、それって結構悲しいんです』って書いたところ『読んでやるよ~』と仰ってくださった方がいて、なおかつ共感していただけて、かなーりスッキリしました!!ありがとうございました!!

また、地道にミロカミュでイベントに出ている私ですが『映画を観て、ミロカミュだった人がリバに転向されるみたいですけど、由宇さんは大丈夫って信じてます』ってコメントくださった方。うちみたいな小さいサークルに対してまで今後の動向を案じ、悲しいニュースと、嬉しいニュースをありがとうございます。
私がカミュ受けのスタンスを曲げることは、今までもそしてこれからも、☆矢を続ける限り100%ありません。一緒に頑張りましょう~!!

よく物事に『絶対』は無い(例外は二つだけ)と言われますが、これだけは確かです。20年以上カミュ先生だけを愛し、カミュ受けしか書いていない私が転向することは、絶対にありえません。
あるとしたら、『☆矢引退してオリジナルへ移行』です。が、世界観の切り替えがすぐできるような器用な人間ではありませんので、二つのジャンルを掛け持ちで、というのは難しいと思うのです。仕事を辞めない限り。でも、それこそ不可能に近い。(もんのすご~~~く『ヤケ』になったら、ありえますが。だって、仕事だけの為に生きてるわけじゃないし)
ですから『リバは絶対ありません!!』。入り口にもありますように、ずっと、ずーっとカミュ受けしか書きません。

だって、カミュ先生は『受け』ですもん。いただいたコメントにも『男性から見てもカミュはそもそも顔が女だし、腰のラインがエロい』とあり、そうそう。そうなのよ。分かる方には分かるのよ!!同人誌に関係無いフツーの人が見てもそう思うらしいのに、何で違う見方をする人が居るのさ!!と思いますが、私は私のスタンスでカミュ受けを続けます。

…とか言っても人間ですので、あまりにも何にも反応無いと、すぐに、『どうせ…』(←こげぱん。ご存じですか?)とか、『もうやだあ!』としょげることもあるかと思いますので、ミロカミュ、またはカミュ受け(サガカミュ、シュラカミュ、雑兵×カミュ、弟子×カミュetc)がお好きな方、たまにはコメントで構ってください;。
ずっと『ぼっち』でしたけど、これからもずっと『ぼっち』だと、いちおう2年間やって来たという自負はあるのですが、このところの風潮見てると、やはり心折れてしまうこともあるかな、と思いますので…。(ミロカミュがなくなっちゃったら嫌あ!!)ひとことで結構ですから;;。
…どうか、よろしくお願いいたします。(哀願;;)

現在、このブログでは比較的温和なことしか書いていませんが、いらん情報もやっぱ入って来ちゃうので、いつかヤケになって『世界なんか滅んでしまえーっ!!』と叫んでしまいそうで…。そんな日が…来ないといいな;;。頼む~~~。


で。ここからは『マレフィセント』の感想。

これもひとことで言うと『真実の愛』がキーワードになっている、まるきり別物の作品でした。でもって、アンジェリーナ・ジョリー演じるマレフィセントがとにかうもう秀逸!!!!『感動!』。そして、アナ雪でも感じたのですが、『一目惚れの男との真実の愛なんて無い』ということと、『権力』に目が眩んだ男の醜悪さ、がすごくハッキリ出てるなあ、と。
あんまり書くとネタバレになっちゃうのですけど、もう、マレフィセントが大きな翼で空を飛ぶシーンは格好いい(空を飛ぶシーンというか、鳥・翼が好きなので萌えるのです!!)し、あと目ヂカラがとにかく凄かった。演技力高!!
ラストシーンは泣けるし。こういう、元ネタが民間伝承で、アレンジしても誰かに大打撃を与えない映画はいいけど、『原作』があって、それを滅茶苦茶に変えてしまう映画は、私はやっぱり受け入れがたい。のです。
くどいようですが。ただ、これ個人の感想ですので、某○○で、押しつけがましく書き込みしてる人には怒りを感じたのですけどね。全員が読む場所でのああいう意見は不愉快になる人もいますから。(ブログで書きなさい、って反論がありましたが、もっともだと思う。もっというと、あまりにピンポイントな意見の場合、ブログでも公開するのはどうかと思う。まあ、その兼ね合いが人によるので難しいんでしょうけれど。でも、その場合、あらかじめ最初に触れておくべきだとは思いますが)

そう。今日映画館で何に驚いたかって、今頃『ホットロード』の実写版とか;。(パネル見てびっくりした;)ルパンもそうだし、他にもいくつか人気アニメの実写、もしくはCG化の宣伝があってびっくりしたんです。…余計なお世話だけど、これ、その作品のファンにとって、嬉しいニュースなのかな??
少なくとも私は、☆矢の実写だけは止めてほしいと思いますが…。

さて、次は『ダイバージェント』が楽しみです。人類を五つの性質でカテゴライズする…。異端者は抹殺…。こういうあらすじのSFには、心惹かれます。

なんというか、☆矢界で、『カミュ先生の氷の技を使う』のが、幼少期のフランスで異端視されて、サガに見いだされて聖域に来た、が、うちのデフォなので、共同体に馴染めない『異端者』と聞くと、カミュ先生を連想してしまうのですね。
エルサもマレフィセント(映画観たら、オーロラ姫よりこっちのが先生ぽかった;)どっちも『理解してもらえない』悲哀を背負っていて…。それがまたカミュ先生と重なる…。

ダイバージェント。どんな映画なんだろう。ハッピーエンドだといいな。







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知ってれば行ったのにィ~!!

何に…?すみません…。☆矢とはまったく関係無いアニメになりますが、今朝のニュースで上野のパセラで『キャプテン翼カフェ』期間限定開店というのを目にしまして!!
『行きた~い』と思ってしまったものですから;。
この先『☆矢』とは関係ない語りに入りますのでご了承ください;。


えーと、私、ワールドカップにも実際のサッカーなるスポーツにも興味はないのですが、このカフェには行きた~い!!と強く思ったのです。
と、いうのは、『キャプテン翼』なる漫画そのものは好きだったし、しかも『腐』にハマる前の最後の『純粋な気持ちで』の『好き』な作品だったので感慨深くて…。(この作品から今でいうBLな同人誌が増えたように思う。で、聖闘士星矢で爆発的に増えた、と言われてますよね;。つまり、私はしっかり第一次ブームに乗っかってた10代なわけです;)

しかし、私が好きだったのは主人公の翼くんではなくて、北海道はふらのチームを率いる松山光くん。ていうか、松山くんとマネージャーの美子ちゃんのラブストーリーのみに焦点絞って読んでいました。(実はサッカー、あんまり関係無い^^;。でも『オフサイド』という言葉は三杉くんから教わった;。そののち、従姉妹の家で古い時代のユーミンの歌で『オフサイド』という曲を見つけて、むしろそっちにハマっていくのですが;。でもこれに関しては『楽曲を提供した』ということで『れいみ』バージョンの方が好き。透き通るような歌声で、ホント切ない)
これがまた、じれったくって、甘酸っぱくって、『あ~、中学校で部活に入ったらこんな青春が~』なんて簡単に夢見ちゃう感じで、毎週ジャンプが楽しみでした;。
『天才』である翼くんより、『努力』を重んじる松山くん。雪のためになかなか練習ができなくて、それでも『打倒・翼』のハチマキまでしめてひたすら筋トレやらランニングやらに励む松山くん。
当時も好きでしたが、年をとるごとに『分かる、分かるよ~』それから『何でそこまで努力するの?ねえ!(主人公には勝てっこないのに)』といじらしくって、いじらしくって…。(何かね、カミュ先生とかぶるんですよ~;)

特に後年、某アニメ雑誌で、『才能が無いヤツは努力するしかないんだ(by松山光)。この言葉が胸にしみる私は受験生』という言葉に、同じ思いを抱いたもので余計好きになったものです;。(理系が得意な人には分からないと思いますが、『何コレ』と思った問題。数学のさ、『AのビーカーにX%の食塩水が○ml入ってました。Bには、Y%が△ml。AにBの食塩水をZml注いだら、Aの食塩水は何%になるでしょう?注:ビーカーの重さは□gmとします』ってやつ。高校行くために本当に必要なんか?!と思いつつも、涙目で勉強しましたよ…。それから、『√』。八百屋で買い物するとき『大根を√二分の一ください』とか言わないだろ?使うか?√って?』と、思ったあの日々…。しかし、のちに大学の文章校正学で√が出て来たので『どっひゃ~』とは思いました。そうか…何気なく読んでいる本の対比率にルートが使われているのね。はい。これは勉強になりました)

見てたらフードメニューも面白そうで美味しそうで『いいじゃん、いいじゃん』と思ってたら、6日で終了と。ええ~?もっと早くに特集してよ~、いやでも上野なら行こうと思えば行けるな~、と心千々に乱れる私なのでした。(松山くんのイメージカクテル『北海の荒鷲』だって…。呑みたい;)明日、行っちゃおうかな~。どうしよー。

う~ん。あと何で?このカフェの『何』にそんなに惹かれたというと。
『当時の』アニメを『そのまま』流している&いたるところに『ジャンプ掲載当時の』原作者の絵が使用されている。という点に、です。
サイト見たけど。本当に昭和にタイムスリップした感じ!!原画が印刷されたテーブル、松山くんのとこに案内されたらたまらんわ!そうよ、この『まんま』感。当時の気持ちが甦るぅ~。アニメもセル画の時代のままのが上映されてるって…。そうよ。これよ、これ。こういうのが昔のファンにはたまらんのよ!!
今風に『リメイク』したのも受け入れられる人はそれでいいでしょうけど、昔のままのが好き、って人だって居るんですよ!!『そのまんま』のを、もう一度見たいの!!(現在、池袋にも某漫画のコラボカフェがあるけどね。敢えて名前は出さないけど。私は行きたいとは思わない。この『キャプテン翼カフェ』みたいに、『昔の作品』が好きな人が行って『懐かしい~』って、楽しめるカフェならぜひとも行きたいですが)

私は『キャプテン翼』で同人誌活動はしてませんが、おませな同級生が居て、小学生の頃から色々知ってて、イケナイことなどを沢山教えてくれたのが、のちに☆矢でハマるきっけになったのは確かです。
でも、私が『キャプテン翼』を思うとき、それはもうホントに松山くんと美子ちゃんの恋がどうなるのかだけが純粋にドキドキで、『やおい』とか教えられても、『翼』で同人誌を作りたいとか全然思わなかったし、多分今見ても何も感じないと思う。
(だから、私にとって『☆矢』って例外中の例外なんですよ;;)
うん。キャプテン翼?普通に松山くんがイイよね!で終わりです。まあ、好きは『好き』でしたけど;。なにしろ北海道に行ったとき、帯広からわざわざふらのまでドライブして、『ふらの小学校』を見つけて感慨に浸るくらいには好きだった;。
結局あの二人、両思いになったのかしら?あれだけ好きだったのに、『☆矢』の連載が始まりアニメが始まったら、それ一色になってしまい、その後を知らないのです;。でもってカミュ先生を好きになったらもう他の漫画は『読む』けど、『カミュ先生が好き!!NO.1』の座は今に至るまで揺るがないですね~。一度、どうしてそこまで好きなのかまとめてみたら、結構な厚さの本が一冊できるんじゃないかと思う。読みたい人がいるとは思えないけど。

松山くんが好き、というのは、カミュ先生が好きで好きで好きで…とはまた違う『好き』なんですよね…。

あれはあれで、BLを知らない少女時代の、最後に好きだった作品として、懐かしく思うのです。(いや、本当にあのとき『同人誌』っていうモノを教えられなかったら地道にオリジナル漫画や小説かきつづけてたと思うのですよ~。人生、何によって変わるか分からないものです…)
ちなみに中学校時代、サッカー部の男子に『サッカー部の人って、オーバーヘッドシュート(キックだっけ?)とかフツーにできるんでしょ?』と質問して『はあ?(んなのできるわけねーだろ。漫画の読み過ぎ)』って返事されたのは、甘じょっぱい思い出です。冷静に考えたらできるわけないですよね。『北島マヤ』だって、実際に居たら怖いわ;。っていうか、これこそ早く完結させてください美○先生!もう!あと、真澄とマヤを両思いにしてください、プリーズ!!

長々と松山くん語りをしてしまいましたが、もしかしてこのときの『北』『雪』への憧れが、カミュ先生を好きになる『下敷き』になっていったのかもしれないですね…。

松山くんは、懐かしい、『子ども時代の憧れ』を含んだ『好きなキャラ』だけど、カミュ先生はいつも、いつまでも大好きで、愛しくて、多分ずっとこの先も心の中に居る人だと思います。でもって、禁断の扉を開けられて、これから先もその餌食になるお方だと思います。

カミュ先生がイケナイのよ…。だって…。あんなに綺麗で、カワイイから…。お目々ぱっちりで、伏せ目は色っぽいし、天然で、スレンダーで、もう!守ってあげ~たい~がよく似合っちゃう感じで!うちのミロ及びサガ、シュラ、デス、アフロ、その他大勢…はそう思ってて、先生をほっとけないのです~~~。

うん。聖域の皆から愛されている可愛い、可愛い、カミュ先生!!大好きだー!!








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