【全文】「インダストリアル・インターネット」:人と機械の融合がもたらす新しいイノヴェイションの波
- 2014/08/17
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- 椿 龍之介
2014年のバズワードとして「IoT」がIT業界で言われているように、現在、モノとインターネットの関わり合いは急速に近づいてきています。モノとインターネットの関わりが強くなることで、ビジネスはどのような発展を示すのでしょうか?GEのチーフエコノミストであるマルコ・アンツィアータは、機械と産業の融合である「インダストリアル・インターネット」について最新のテクノロジーを交えながら語ります。
ここでは、すぐそこに来ているかもしれない「インダストリアル・インターネット」の世界を説明したマルコ・アンツィアータのTEDでの講演を書き起こしていきます。
スピーカー
マルコ・アンツィアータ/GE・チーフエコノミスト
見出し一覧
・インダストリアル・インターネットは産業革命並の技術革新
・未来はすぐそこにある。インダストリアル・インターネットの今
・新しいイノヴェイションは「機械との競争」を呼ぶものではない
・イノヴェイションを確実なものにするためには適応と投資が必須
動画
インダストリアル・インターネットは産業革命並の技術革新
アインシュタインは「私は未来のことなんか考えない。もう、すぐそこに来ているのだから」と言いましたが、まったくその通りだということがわかりました。皆さんには未来がどのような形で訪れつつあるのか考えていただきたいと思います。この200年間で世界は2つの大きなイノヴェイションを経験しました。1つは産業革命で、機械や工場をもたらし、私たちの生活は一変しました。そして、産業革命の後には情報革命が起こり、私たちは演算能力や情報ネットワーク、開かれた情報へのアクセス、通信手段を手に入れ、またも生活は一変しました。
現在、私たちはさらなる変革を経験しつつあります。それは「インダストリアル・インターネット」と呼ばれるものです。高度な分析手法を持つ機械と人々の創造性と結び付ける、いわば「人と機械の結婚」です。インダストリアル・インターネットによって、私たちの生活はさらに変化します。
私は現在、技術がどのように産業を変えつつあるかを間近に見ています。多くは経済や生活に大きな関わりのあるエネルギー、航空、輸送や医療といった部類の産業です。経済学者にとってイノヴェイションが起きることは非常に稀で、大変面白いことです。なんといっても、これは産業革命かそれ以上の力を持つ変革です。しかも、産業革命前には大した経済成長はありませんでした。
インダストリアル・インターネットとはどういうものを指すのでしょうか?産業用の機械はより多くの電気センサーが付けられ、以前にも増して視覚や聴覚、触覚を持つようになり、桁外れのデータを集めることができます。高度化した分析手法でそのデータを選別し、全く新しい方法を用いることで、私達は効率よく機械を運転できるようになっています。それは個々の機械だけではなく、機関車や飛行機群、送電網や病院のようなシステム単位のものも含まれています。データを分析してシステムを効率化することは、資産の最適化でありシステムの最適化でもあります。電気センサーは新しいものではありませんが、センサーの価格が急激に下がり、クラウド・コンピューティングも進んだおかげで、データの保存・処理にかかるコストも瞬く間に下がりました。
今、迎えつつある世界では、人間と共に働く機械は単にインテリジェントなだけでなく、卓越した知能を持っています。機械は自分で認識や予測行動ができ、物事に対して反応できると同時に社交性を持ち合わせます。ジェットエンジンや機関車、ガスタービン、医療機器がお互いに、そして私たちと途切れることなく意思疎通します。情報自体もインテリジェントになりつつあります。必要なときには自動的に情報が提供され、私たちはわざわざ情報を探す必要はありません。自動可視化、マルチコア・プロセッサ技術などのソフトウェア基軸の機械インフラを産業システム全体に取り込むことによって、ハードから機械ソフトを分離し、遠隔的かつ自動的に産業機器を監視と管理、そして改良できるようになります。
なぜ機械インフラを産業システムに取り込むことが重要なのでしょうか?まず、すでに機械インフラは予防的に機械の状態の監視や保全を可能にしています。つまり、壊れそうな機械を察知して修理作業をすることで、定期的なメンテナンスで時間を無駄にしなくても済むのです。機械の故障を未然に防ぐことにより、計画外の休止時間がなくなり、停電やフライト遅延とも無縁になるわけです。
未来はすぐそこにある。インダストリアル・インターネットの今
実際に優れた機械が稼働している事例をいくつかご紹介します。ささいに見えることも明らかに奥深いものもありますが、これから紹介するすべてのことに大きな影響力があります。
まずは航空産業から紹介しましょう。現在、フライトの欠航や遅延の10%は予期せぬ障害によりメンテナンス作業をしたことが原因です。予期せぬ障害によって、毎年80億ドルもの損害が全世界の航空産業で発生しています。当然のことながら、私たち乗客もストレスを感じ、不便を強いられ、なす術もなくターミナルで座りこむことになります。さて、インダストリアル・インターネットで何ができるのでしょう?私たちは予防保守プログラムを開発しました。どんな飛行機にも導入でき、学習能力プログラムに持たせることで人間のオペレータも見落としてしまう問題も予測することができます。航空機は飛行中も地上の技術者と連絡を取り合って、着陸までに技術者は何を保守すべきかを知ることができます。予防保守システムがあれば、アメリカだけでも毎年6万件以上の遅延や欠航を防ぐことができ、700万の乗客を時間通りに目的地に届けられるようになります。
次に医療の例を紹介します。現在、看護師は1回のシフトのうち平均して21分を医療機器を探すために使っています。21分という数字は大したことがないと感じてしまうかもしれませんが、時間のロスにより患者に向き合う時間が減っているのは事実です。テキサス州ヒューストンにある聖ルカ病院では、インダストリアル・インターネット技術を導入し、電子的に患者とスタッフ、そして医療機器をモニターして結びつけたところ、ベッドから離れる時間を1時間も減らすことができました。手術の所要時間を考えると、1時間の削減は大きいですよね。より多くの患者を治療し、より多くの命が救えるということになります。また、ワシントン州にある別の医療センターではスキャナやMRIの医療画像をクラウドで分析することができるアプリケーションを試験導入し、より良い診断を低コストで提供しています。たとえば重傷を負った患者がいて、神経医と心臓専門医、外科医の治療が必要だとしましょう。もし全ての医者がその場で同時にスキャン画像を見ることができたら、より良い医療をより早く提供できます。画像解析アプリはより良い医療につながり、さらには大きな経済的利益をもたらします。今の非効率さをたった1%無くすだけで全世界の医療産業全体で6000億ドル超の支出を減らすことができます。この取り組みはまだ小さなことに過ぎないでしょう。持続可能で手頃な医療を提供するためにすべきことはまだ山ほどありますから。
同様の技術の進展は、再生可能エネルギーを含むエネルギー産業でも起こりつつあります。風力発電地帯には遠隔監視と分析をする新機能が備えられ、風力タービンが互いに情報共有して全体的な発電効率を高めるように翼の向きを風の吹き方に合わせて調整します。それにより発電コストはキロワット時5セント以下になります。10年前の発電コストは30セントで現在の約6倍でした。
このような事例は無数にあります。産業データが急激に増えているからです。2020年までには産業データは全デジタル情報の50%以上になるでしょう。
インダストリアル・インターネットはデータの話だけにとどまりません。この新しいイノヴェイションは新しいツールやアプリケーションをもたらし、私たちがよりスマートに早く機械と連携できるような支援を行い、仕事を単に効率的にする以上の利点があります。例えば、風力発電施設のフィールドエンジニアは、携帯端末を見るだけでどのタービンの補修が必要か分かります。事前に問題が分かっているので必要な補修部品も持っています。また、もし何か予期しない問題が生じても、携帯端末でサービスセンターにいる同僚と連絡を取り、自分が見ているものと同じ状況を見せて、診断に必要なデータを送信すればよいのです。同僚が必要な修理手順の説明をしてくれるビデオを送り、機械を直すための手順が複雑であっても一つひとつ理解することが出来ます。同僚とのやり取りは記録され、検索可能なデータベースに保存されます。
新しいイノベーションは「機械との競争」を呼ぶものではない
この新しいイノヴェイションの波は、私たちの働き方を根本的に変えます。仕事に与える影響を心配されている方もいるでしょう。失業率はすでに高く、イノヴェイションがさらに仕事を奪うと恐れられています。たしかにイノヴェイションは破壊的です。そこで2点のことを強調させてください。1つは、私たちはすでに農業の機械化と産業の自動化を生き延び、むしろイノヴェイションによって最終的に雇用は増えました。イノヴェイションとはそもそも成長なのです。製品はより手頃になり、新しい需要や仕事を生み出しました。
2つ目は、将来的に技術者やデータ科学者などの高度な専門職にしか職業がなくなってしまうのではないかということです。考えてみてください。子どもが簡単にiPadを使いこなせるように、産業アプリケーションはどんなレベルの労働者にも使いやすいでしょう。将来の労働者はアイアンマンのような機械を巧みに使いこなすイメージであって、チャップリンの「モダン・タイムス」のような機械の歯車の一部となる姿ではないのです。そして、新たな高度な専門職も確実に生まれるでしょう。機械とデータを両方理解する「デジタル・メカニカルエンジニア」と呼ばれる職業もその1つで、自らの業界や分析論も理解できる経営者は技術を最大限活用してビジネスを再構築します。
「現在のイノヴェイションは、ソーシャルメディアやくだらないゲームのことばかりで産業革命のような変革する力など全くない」と言う人もいます。成長を生むイノヴェイションはとっくに終わったというのです。石器時代でさえイノヴェイションを批判的に見る人がいたんだろうと思います。たき火の周りに陣取ってぼんやりしている穴居人たちが他の穴居人が石の輪を転がして丘を上り下りしているのを見て「あの石の輪はおもしろいけど、火に比べたら大したことはない。もうイノヴェイションは終わったんだ」と言うんです(笑)
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【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは
- 2014/02/28
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- Chie Nakamoto
IT業界の進化が進む中、農業もIT化する時代がやってきました。これまで農業は、収入の割に生産コストが高く、災害などの影響も直に受けるためその年が終わるまで成果がまったく不確定というアナログ感が否めませんでした。将来が不安定な農業から若者はどんどん離れていき、深刻な人手不足と高齢化に悩まされていた近年の日本の農業。そんな農業に今、ITが導入されたことでそれが起爆剤となり、農業のビジネス化が急速に進んでいるのです。ITを農業に取り入れた農業ビジネスは、これまでの農業の悩みであった生産コスト管理や作業効率を格段に飛躍させたのです。そのため、このままIT農業が市場に参入すれば、2020年にはその市場規模はなんと今の9倍の580億~600億円にまで到達すると予想されているのです。そんなIT農業の実態と内容とはいったいどのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
農業のIT化とはどんなものか
まず、農業にITはどのような形で導入されているのでしょうか?その例を見ていきましょう。
【栽培支援システムの導入】
農業の栽培時の負担を軽減させるために、栽培支援システムが導入され始めています。栽培支援システムでできることは以下のようなことです。
■センサーやカメラを使用して、環境データ・画像の収集ができるようになった
■作業員の入力による作業履歴の管理の効率化
■収集データ・履歴情報の見える化の実現
■遠隔モニタリングを可能に
■データ分析による最適な栽培方法のマニュアル化
■ハウス栽培の設備の自動制御
■現場作業員への作業指示をパソコン・タブレット・スマートフォンを通して行うことが可能に
【農業クラウドサービス】
生産から販売までの流れをサポートするクラウドサービスがあります。農業クラウドサービスができることは以下のようなことです。
■経営分析・生産技術・販売・物流・融資などの情報を提供し、必要に応じてマネジメントを行う。
■生産から販売までの流れをデータ化し、見える化することによりこれまでの無駄を省き、農業全体の作業効率・生産率を上げることが可能になる。
上記のように、これまで全てを人手により行っていた部分の一部をITを利用することにより、現場から片時も離れられなかった農家の人々の負担軽減、人件費の軽減、作業効率・生産率アップなどにつながるのです。
IT導入による成果
農業がITを導入することにより実際にどのような成果が表れるのでしょうか?その成果例をご紹介します。
「ZeRo.agri」システム導入で人件費削減・収穫量アップ
画像出典:
http://www.routrek.co.jp/var/rev0/0000/1840/2013108144817.pdf#search='ZeRo.agri'
「ZeRo.agri」システムとは、日本マイクロソフトが中心となり共同開発された、タブレット操作ひとつでビニールハウス内の作物が必要な時に必要な量だけ培養液供給が行えるシステムです。
ZeRo.agriは、
・タブレットひとつで管理ができるようになったことで人件費削減
・今まではビニールハウスから片時も離れることができなかった経営者の負担減
・適切なデータ管理による収穫量のアップ
を実現させました。
「Akisai」システム導入により作業効率・売り上げアップ
画像出典:http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/agri/
富士通が開発した「Akisai」は、露地栽培、施設園芸、畜産などの農業全般においての経営・生産・販売までの全ての流れを包括的に支援するクラウドサービスです。Akisaiがもたらした効果は、
・システムによる適切なデータ管理で作業効率・売り上げが向上
・これまでの非効率な作業の改善
・データによる作業工程の見える化でノウハウを蓄積できるようになり、異業種からも新たに農業に参入しやすくなった
ということです。
農業のIT化による今後への期待
農業のIT化が今後農業にどのような進化・変化をもたらしていくのでしょうか?現在の日本の農業で必要とされていることは、農業従事者の高齢化と後継者不足をIT化により解消し、さらにそこから農業の高効率・高収益を目指すということです。上記に紹介したような「ZeRo.agri」「Akisai」のような栽培支援システム・農業クラウドサービスに加え、農作業ロボットの開発などIT業界の農業参入は今後さらに拡大し、それにより農業の効率化・高収益は確実に実現するであろうと考えられます。IT農業が日本の新しい農業再生への確実な役割を担っていくことは間違いありません。
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経営革新計画を起こすことによって得られる3つのメリット
- 2014/02/27
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- Tobayashi
経営革新計画は通常、中小企業新事業活動促進法に基づいて行われます。各都道府県が経営革新計画について承認を行う事で、経営革新計画の承認を受けた中小企業は「税の優遇・保証や融資の優遇・投資や補助金の支援・販路開拓の支援」といったメリットを享受することができます。
税の優遇によるメリット
税の優遇は、中小企業等基盤強化税制の中の設備投資減税を受けることができます。内容は、1台あたり280万円以上の設備投資を行った場合、取得価格の7%の税額控除もしくは取得価格の30%の特別償却のいずれかを選択することができるというものです。
具体例として、500万円の機械を購入した場合を考えます。この場合は、500万円×7%=35万円の法人税額控除を受けるか、500万円×30%=150万円の特別償却で経費参入させるかのどちらか有利な方を選択することができます。このように、業績と勘案して有利な方を選択できるメリットがあります。
保証や融資の優遇によるメリット
保証や融資の優遇によるメリットは、「信用保証協会の保証枠の特例・政府系金融機関による低金利の融資・高度化融資・小規模企業設備資金貸付制度」などの優遇を受けることができます。
信用保証協会の保証枠の特例
通常の融資保証枠が増額されることをいいます。普通保証2億円が、経営革新計画の承認を受けたらプラス2億円の保証枠が増え4億円の保証限度枠になっていきます。
無担保保証
これを受けることで通常8千万円がプラス8千万円の保証枠として広がり、1億6千万円の保証枠に増額されます。保証率も割引を受けられる可能性もありますが、各都道府県の信用保証協会が最終決定するため保証料率は異なります。
高度化融資
中小企業が工業団地や商店街を建設する際に、都道府県や中小企業基盤整備機構の診断や助言を受けた上で融資を受けることができます。経営革新計画の承認を受けた高度化事業の場合、無利子での融資も可能となります。
小規模企業設備資金貸付制度
経営基盤の強化や新たな設備投資を行うための資金を、都道府県や中小企業支援センターから融資を受けられる制度のことです。経営革新計画の承認を受けると、通常の条件よりも優遇されて融資を受けることが可能となります。融資を受けようとする際に、保証枠が広がったり優遇措置を受けられる琴は中小企業にとって非常にメリットがありますので、保証や融資の優遇を受けられる目的で経営革新計画の承認を受けようとするところは多いです。投資や補助金の支援は、ベンチャーファンドや投資会社からの投資支援、経営革新関係の補助金を申請することができます。
経営革新計画による事業を進めることによって、ベンチャーファンドや投資会社からのバックアップを受けることができたり、経営革新関係の補助金を受ける可能性も広がります。販路開拓の支援は、各都道府県等中小企業支援センターからの推薦により販路支援の案件を紹介されたり、中小企業総合展への展示やプレゼンテーションの機会を与えられたりするることで、ビジネスチャンスの可能性が広がっていくのです。
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