【カイロ=共同】イラクの連邦議会議員らは15日、過激派「イスラム国」の戦闘部隊が北部の村でクルド民族少数派ヤジド派の住民約80人を「虐殺」し、女性を拉致したと述べた。ロイター通信が伝えた。
イスラム国の8月上旬の進撃で避難民となったヤジド派は、米軍の空爆や支援物資投下により危機的状況を脱しつつあるとみられるが、イスラム国の制圧地域では迫害が続いているもようだ。
議員らによると、イスラム国の戦闘部隊は村民に5日前からイスラム教への改宗を迫っていたが、15日、改宗に関する講義を行った後、男性村民を集めて銃殺した。女性は、イスラム国が拠点としているタルアファルに拉致されたとみられるという。
ヤジド派は、ゾロアスター教やイスラム教の影響を受けた独特の信仰を持っており、イスラム国は「悪魔崇拝」とみなして「改宗か死」を迫っている。
イスラム国は8月上旬に北部シンジャールを武力制圧した際、住民少なくとも500人を殺害したとされる。
イスラム国、虐殺