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 終戦の日の15日、浄土真宗本願寺派の本山・西本願寺(下京区)の阿弥陀堂では、大谷光淳門主(37)や門徒ら約600人が集まり、戦没者追悼法要が営まれた。読経が響く中、参拝者は静かに手を合わせた。

 法要は、戦争犠牲者を悼み、平和への願いを新たにするため、サンフランシスコ講和条約締結翌年の1952年から続く。同派の藤野堯文(ぎょうぶん)総務は法話で「平和を大義に掲げて戦争しているのが世界の動き。自己を中心において争ってばかりいる自分たちの姿に気づき、慎み深く過ごしていきましょう」と話した。

 参拝した北区の高田恭輔さん(84)は終戦当時15歳。海軍飛行予科練習生として鹿児島県鹿屋市の航空基地におり、20歳前後の先輩たちが特攻に出撃するのを見送った。「淡々と飛び立っていった姿が目に浮かびます。戦死された方をしのび、生き残ったありがたさを胸に手を合わせました」と話した。(久保智祥)